イグーロスへ向かうラムザ一行が、イグーロスと魔法都市ガリランドの中間地点となるマンダリア平原に差し掛かったところで、剣戟の音が聞こえてきた。
他国との国境付近でもないこの地域で戦闘が起きるとするのなら、誰かが賊と応戦している可能性が高いため、ラムザ率いる士官アカデミー生は音がする方へ急いで向かった。
見通しの良い平原だったため場所はすぐに分かったが、あたりには騎士の亡骸がいくつも倒れている状況であり、既にほとんど手遅れの状況だった。だが、まだ一人生き残りが緑の装束の集団【骸旅団】と戦っていた。
「骸旅団の連中だ! まだ生き残りもいるぞ! ラムザ、どうする!?」
「北天騎士団の名誉を傷つけてはならない! 彼を助けるのが先決だ!」
ラムザの宣言を受けて、士官アカデミー生(と同行者1名)が戦闘配置につく。その様子を見て、襲われていた生き残りの騎士は
「援軍か!? た、助かった」
と安堵するも、いまだに賊に囲まれていて安心できる状況ではないため気合を入れ直すのだった。
生き残った騎士の救出はラムザ達の加勢もあり無事に終わり、あたりには騎士の亡骸が一つ増える代わりに
救出された騎士はアルガスと名乗り、自分たちはランベリー領のエルムドア侯爵の護衛としてイグーロスまで向かう途中に骸旅団に襲われたと話した。
そして、エルムドア侯爵は護衛の騎士の奮戦もむなしく攫われてしまったとのことだった。
かくして、イグーロスへ急ぐ必要が出たためラムザ一行は進行ペースを早め、翌日の早朝にはイグーロスの領主でラムザの兄でもあるダイスダーグ卿へ謁見できるように先触れを出したところで野営の準備をしていた。
「しかし、サジだったか。お前のその銃は凄いな。あんな遠くからでも賊を一撃だなんて。おかげで助かったぜ」
「誤射の心配も少ないのがこの魔法銃の特性だからね。ちゃんと狙えばどんな相手だろうと一発だよ」
「誤射が少ない・・・って俺も危なかったのかよ!?」
「いや~、そんなことはないよ? 多分、きっと、めいびー」
「お前なぁ!」
意外にも、アルガスは貴族の子弟といった出で立ちでは無いサジに対しても、特に隔意があるような態度を取ることもなく接していた。彼の窮地を救ったのがサジの射撃によるものだったからなのか、それともただの平民にしては色々と
ともかく、アルガスのこのフランクな対応に原作の彼の平民蔑視を知っているサジとしても内心困惑していたが、まぁ険悪にならないならヨシッ!と心の中の現場猫が安全確認をしたところで特に気にしないことにした。
「しかし、エルムドア侯爵の誘拐か。僕からも兄上に報告はしたけれど、今頃イグーロスも大騒ぎになってるかな」
「誘拐の件はあまり公にはできないだろうから、城下町は普段通りかもしれないな」
「たまたま通りかかったのが北天騎士団、しかもベオルブ家の人間だったなんて俺は運が良い・・・いや、侯爵様のことを考えると悪いとしか言えないな!?」
「
「なんだその変な言い回しは! 異国の文化はよくわからんな・・・」
「(変っ!? ちょっとカッコいいと思ったけれど変なのかな)」
「(ラムザがまた碌でもないことを考えてるな・・・)」
マンダリア平原の件からしばらく時間が経ったこともあり、翌日に備えてゆっくりとしているラムザ一行。
明日がどんな日になるかは、誰にもわからない。ヘケッ!!
まさか、アルガスが普通に接してくるとはねぇ
マンダリア平原と言うにはかなりイグーロス寄りに来ているらしい場所で本日の野営となったが、いやはや。
アルガスと言ったら「家畜に神はいない」という有名なセリフがある通り、ガッチガチの貴族至上主義者だと思われていたし、自分もそう思っていた。
だけど、実際に接してみると多少見栄っ張りなところはあるものの、イヤミな性格ということもない普通の青年だったんだよね。
そういえば原作でも、ディリータとは途中までは険悪でも無かったから、普段から
アルガスについては、盗賊の砦のミルウーダとの一連のやり取りが彼の地雷原でタップダンスしてたとかいう考察もあったし、そういうことなのかな。
・・・どうしようかなぁ、これから。