僕のヒーローヒストリア   作:透亜九郎

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サブタイトルに悩みます16話です。


Re:No.016 ま、部長だからな

 

 活気あふれる休日午後の繁華街、その裏側。

 

 陽の当たる表通りから入れば、そこは思うよりも数段暗い別世界が広がっている。

 ゴミ箱が点在して異臭を放ち、空調の室外機が熱気を放出して蒸し暑い、不快な空気。太陽光はビル群によって遮られて、昼間だというのにひどく薄暗い。

 

 そんな路地裏に青年が一人、カメラとスマホを構えてうろついていた。

 痩せ型の体型に、Tシャツの上からデニム生地のジャケットを羽織り、黒マスクに黒縁メガネ。シワだらけのパンツによれた踵が潰れたスニーカー。被ったキャップには“としでんch”とポップな字体でプリントされている。いかにも()()()()()といった風体の男だった。青年はいわゆる自撮り棒にスマホを固定して録画を開始する。

 

「どーもー!画面の前のフリークたちぃ!としでんチャンネルにようこそ!今日も現代の都市伝説の闇に突撃していくぅ!」

 

 聞き取りづらいこもった声でカメラに向けて、お決まりなのであろうセリフを言い放つ。その声は室外機などの機械音で何割かがかき消されて、動画内でほとんど聞こえないことを青年は知る由もない。決めセリフを撮れたことにまず満足しているようだ。

 そのまま得意げな顔をして、カメラに向けてセリフを続ける。

 

「さて、今日突撃するのはー?これだ!“◯◯市の人型UFOの噂”!!意味わかんないよなぁ。人なのかUFOなのか焼きそばなのかハッキリしろよってな!」

 

 “人型UFOの噂”、そう銘打たれた都市伝説がここ一年程若者の間でSNSを通じてまことしやかに囁かれている。

 曰く。空を不規則に浮遊する人影を見た。路地裏で用を足していて気配を感じて上を見たら宙に逆さでゆらゆらと浮いている女を見た。周囲に人はいない状態で一人きりでいると空に誘拐されてしまう。等等。身も蓋もない言い方をするならば世の中に過去からありふれている類いの話だった。

 それが最近になってトレンドに上がるほどの噂になったので、再生数を稼ごうとした伸びないチャンネルを運営する動画投稿者たるこの青年はこの路地へとやってきたのだった。

 ひとしきりカメラに向かって、企画についてだの、ウンチクだの、自分語りだのと長々と語った男は、一旦満足したのか録画を終了する。表情からは掴みは充分、これは伸びるぞといった自信が見てとれる。

 一息入れてから、撮れ高を求めて再びスマホを構えてカメラを回して意気揚々と奥へ向かって歩き出す青年。それから約三十分を過ぎた頃、男の顔には退屈の色が浮かんでいた。最初の数分こそペラペラと実況めいたことをしていたが、話すことも無くなったのか段々と口か少なくなり今では無言でうろつくだけだ。目当ての人型UFOどころか、会うのは大きなドブネズミに黒くカサつくアイツらだけだ。それに嫌気がさして来たのかはたまた運動不足が祟って疲れたのか。録画をやめてしゃがみ込み、電子タバコを取り出して口に加えて一服しだす。

 結局のところ、この青年は飽き性で、手軽にバズることを夢見る投稿者であった。実際に行動に移すだけまだ真面目といえるかもしれない。

 鬱屈とした中学、高校生活をそれなりに流して。楽に受かる大学に進学。ろくに友達もできず、サークルなんかには馴染めないと独りで送るキャンパスライフ。そんな冴えない自分が一発逆転を狙うとすれば何かしらでバズるしかない。動画投稿はそんな考えから始めた内の一つだった。この調子でいけばそれが叶わないことだというのは傍目にも明らかだったが、いつかは、今度は、と大した熱も持たずに惰性で続けているのがこの青年の現実である。

 

「あー……めんどくさ。もっと楽にバズって有名人になれねーかな……」

 

 薄く煙と共に怠惰を吐き出す。

 他人から見れば何を甘えたことと言われるだろうが、当人からすれば心からの願いだった。どこで人生間違えただろうかと肺に煙を入れて吐き出すを繰り返す。

 

「ふぅん。キミ、有名人になりたいんだ」

 

 その声は青年のものではなかった。

 どこからともなく聞こえたのは幼さを感じる女の声だった。

 青年は驚き立ち上がり、辺りをきょろきょろと見回したが周囲に人影はない。

 

「あはは。そんな驚かなくてもええやん。探してたんやろうちのこと。願ったり叶ったりとちゃうん」

 

 無邪気に笑う声は、青年の頭上から聞こえてきた。同時に青年の上から影が落ちて一段暗くなる。びくりと震えて恐る恐る上を見上げるとそこにはフードを被った少女の顔があった。まんまるな二つの目がパチリと合う。

 ひぃ、と情けない悲鳴を上げて男は腰を抜かし地面に尻餅をついた。それが面白かったのか少女は更に笑った。その少女は宙に逆さに浮いていた。それはまさしく噂に違わない姿。ひとしきり笑った少女は足を起点に、全身を音もなく百八十度起こして振り返って、未だ腰を抜かしたままの青年を見下ろす。

 

「ね、おにーさんは有名になりたいんやろ?それも手っ取り早く」

 

 そう空中の少女に問われた青年は、恐怖を感じながらもしどろもどろに答える。

 

「あ、ぁあ。そ、うだ。俺は、有名になりたい。そして人生を、やり直すんだ……。勝ち組になってやるんだ……!」

 

 その答えに、少女は満足そうににこりと笑った。

 

「いいね。その願い、うちが手伝ったる。おにーさんを有名にしてあげるよ」

「な、ホントか?じゃあ俺の動画に出てくれるか?!」

 

 少女からの提案に、青年から怯えはすっかりと消えて彼女へ要望を出す。

 それに少女は、んー、と少し考えるそぶりを見せてから何か思いついた顔をした。

 

「それよりもっと面白い方法があるよ。上手くいけば明日の朝にはニュースの一面間違いなしや」

「そんなことが——!わかった、やってくれ!俺はどうすればいい?」

「おにーさんはなんもせんでええよ。楽にしててな」

 

 少女はふわりと青年のもとへ近付くと、彼の肩にぽんと手を置いて直ぐに離した。

 

「じゃ、行こか」

 

 その言葉を皮切りに、青年の足が地面を離れてふわりと宙に浮いた。

 

「お、おお……?!飛んだ?!これは、これはバズる、いけるぞ」

「ほら行くよ。お空の散歩、楽しも」

 

 少女に連れられて、青年は空へと上がる。

 既に赤らみ始めた空にゆらゆらと不規則に浮かび飛ぶ二人の影は、まさしく都市伝説の“人型UFO”の様だった。

 

 

* *

 

 

 ニトロと能無によって起こされた、折寺中学校襲撃事件から一週間が過ぎた。

 

 当然、学校は休校。出久と被身子の二人は、数日間の入院を経て退院。本来ならば全治数ヶ月どころか後遺症が残る大怪我を負っていた二人だったが、百の異能によって生み出された救護ロボット“メディックちゃん”による治療によりある程度回復して、事件の被害者であるという対外的な体裁の為に八百万家の運営する病院に入院したのだった。いかに異能によって生み出されたメディックちゃんでも死に体をこうも早く治せるのかという疑問が浮かび、出久が百に尋ねれば。

 

「異能持ちは何故か身体が異様に頑丈でして、ついでに回復力も常人のそれとはかけ離れているのです。同時に基本的な運動能力も劇的に向上していますわ。これは私たちの推測ではありますが、異能という超常に人体が適応するため変化したのではないかと」

 

 それを聞いて、出久は得心がいった。たしかに異能を発動していないときも、フルカウル5%使用時程度の身体能力を発揮できている。被身子にしてもそうだ。異能が発現する直前ぐらいから身体能力の向上が見受けられ、実際戦闘に耐え得る身体を手にしている。“個性”の存在しない世界においてはそれだけで人間離れしているといえよう。

 多少苦い顔をした出久だったが、これ以上は被身子が決めたことと、飲み込んで先に進むことにした。

 目下、それ以上に出久の頭を悩ませていたのは。

 

「イーズークーくぅん、うりうりー」

「被身子ちゃん、だからね?ちょっと、ちょーっと離れようか?ほら皆見てるから」

「見せつけてるんです。マーキング、マーキングですよコレは!!」

「誰に対してのマウントなのそれ……」

 

 被身子の愛情表現という名のスキンシップが激しくなったことだった。特に人前で遠慮することがなくなり、出久の顔からは常に火が出ている状況。

 その光景をUA倶楽部の面々が、生温かい眼差しをもって眺めていた。

 今は退院祝いと称して、お菓子などを持ち寄ってアジトに集まりワイワイと和やかに過ごしていた。

 

「ヒーちゃんさん、お身体の方はもう?」

「うん!ゼッコーチョーです!これでいつでもイズクくんのために戦えます」

「あーあ。やめとけって言ったのにホントバカな奴」

「バカでいいです!もう決めましたから!」

「どうあれ二人が無事で良かったよ。口田くんの方は幸いにして何事もなかったからね。いやはやまさか本当に子どもたちを襲うとは……」

「……!!コクコク」

「で、その結果があれだからな。明らかに裏に大きな力が働いているとみていいだろう。一刻も早くその能無、ニトロとやらの正体を見極めねば」

 

 息を荒くして義憤に駆られる秀一。

 

『折寺中学校でガス爆発か。生徒死傷者行方不明者多数』

 

 折寺中学校襲撃事件は、表向きそう報道されていた。

 あれだけの異常な破壊痕をみればまずガス爆発とはならないだろう。その上で人の口に戸は建てられないもの。どこからか真実が漏れそうなものだがその気配も一切無い。

 加えてこの襲撃は二度目。一度目の警察署襲撃を受けて、国が隠蔽に動いたと言われても信じそうではあるが、やはりテロが噂レベルでも流れないのは不自然に感じる。

 目下捜査中とは報道されているが果たしてどこまで信じていいものか。当事者としては困惑する一方だ。

 秀一の言う通り、能無やニトロの裏を突き止めたいと思いもするが、異能を持った者たちとはいえ結局のところUA倶楽部は一般人の集まりでしかない。

 出久は歯痒い思いだった。あの幼馴染と同じ風貌をしたニトロという能無。なぜデクの名を知っているのか。自分の過去を知っているような口振りも合わせて、今すぐにでも見つけ出して問い詰めたい気持ちが未だ出久の中で燻っている。

 宙を遊んだ視線がぱちりと被身子の目と重なる。彼女はその一瞬で出久の心の靄を察して、ふわりと優しい笑みを浮かべる。まるで、大丈夫、私が居ますから、とでも言うように。その笑顔に出久の心は幾分軽くなる。

 敵わないな、と心で苦笑しながら被身子に頷き返す出久。彼女はそれを受けて満足そうに目を細めた。

 

「こればっかりは仕方ねぇ。俺らにできるっていやぁ警戒を怠らねぇことぐらいだ。焦ったところでどうにかなるもんでもない」

「しかし能無、でしたか。緑谷さんとヒーちゃんさんの異能持ち二人がかりでようやく土俵に立てるほどの戦闘力を保持した化け物を彼らは所持しているのです。ニトロという別個体がいる以上、他にも能無がいることは明白。対処が警戒だけというのは中々危険なのではないでしょうか」

 

 転弧の言葉に、百が意見をする。他のメンバーもその意見に賛同するかのように面持ちは暗い。

 その中で、スッと手を上げて弾柔郎が提案する。

 

「ふむ。だったらこういうのはどうだい?行動するときはできる限り二人以上で行動するように心掛けるなんていうのは。聞く限り三人以上が望ましいが、まぁ難しいだろうからね。有事に備えて戦闘訓練も行おう。その辺り、秀一くんお願いしていいかな?できれば緑谷くんにもお願いしたいところだ」

「スピナーと呼べスピナーと。……まぁ仕方があるまい。請け負おう」

「えっ?!僕もですか」

「詳しくは聞かないよ。けれど君の戦闘技術の高さには目を見張るものがある。是非ともお願いしたいところなんだが……だめかい?無理にとは言わないよ」

 

 困惑する出久。どうしても()()ジェントル•クリミナルたる彼を未だ払拭できず、どうにも弾柔郎相手にやり辛さを感じている。それを理由は分からずとも距離感に困っていることを察している弾柔郎は”大人”な対応で出久に向き合うことで多少なりともやりやすくしていた。現在出久が頭の上がらない人の一人である。

 出久はしばしの逡巡を経た後に、決意したようで首を縦に振った。

 

「少しでも、僕がお役に立てるのなら」

 

 来てほしくはない()()()。けれど備えは必要で。その為の力になれるなら。()を大切にしたいと、目の前の日常を守りたいと、そう思うから。

 

「わぁい!イズクくんと特訓!トガ、がんばります!」

 

 そう言って出久に抱き付く被身子を皮切りに、倶楽部の面々が口々に言う。

 

「ありがとう、緑谷くん。よろしくお願いするよ」

「緑谷さん。よろしくお願いしますわね」

「うむ。共に励もうではないか」

「よ、よろしく……ねっ……!汗」

「ま、いいんじゃねぇの?」

「——っ、はい!こちらこそ、よろしくお願いします!」

 

 それぞれの言葉を受けて、出久はようやくUA倶楽部の一員として自らを認めることが出来たのだった。

 

「それで、だ」

 

 話を変えるぞという空気で転弧が声を発した。

 

「異能持ち……あー、界隈では異能者(イレギュラー)なんて呼ばれたりもする俺たちだがな。異能のこと、お前たちはどれほど理解している?」

「それは……、それこそ普通の人々にはない超常的な能力というものではないのですか」

 

投げかけられた問いに、真っ先に百が答える。

 

「じゃあ、その超常の由来は?発現する条件は?」

「そ、それは」

「我らが選ばれし者だから、だろう!」

 

 窮した百に変わるように秀一が堂々と答える。それに転弧は一言、ちげーよバカ、と切り捨てた。

 

「なにか強い感情を持ったとき……でしょうか。トガの場合、初めは強い嫉妬心がきっかけで暴走しかけたみたいですし……。その後も、イズクくんを想う一心で」

「ひゅー、愛されてんな色男。……まぁ、概ねその通りだ。異能は精神——心から生まれる。それも特大に強い感情、思考からだ。能力も想いに比例してその強さを増すのさ。緑谷が戦いの最中で異能を一段階進めたように」

「段階、ですか」

「そうだ。異能(チカラ)にゃいくつかの段階がある。センセー曰く、大まかに三段階。活動、形成、創造……だとよ」

「おお!セフィロトの四世界か!さすが先生、中々にいい趣味を……ん?とすれば神界にあたる四つめがないな」

 

 興奮したように語る秀一の熱に、転弧は知らんとばかりに目を細める。そこに百が軽くセフィロトの樹について説明すると、ああそういう由来かと転弧は頷いた。それでも興味は薄いようだ。

 それはさておきと転弧は異能の三段階について語る。

 

 一段階目、活動。

 目覚めた異能が、形を成さずただその性質だけが表に出ている状態。意志の弱い異能であればここで止まる。

 

 二段階目、形成。

 文字通り、異能にカタチが与えられる段階。意志が明確でありその性質にあった形をとる。必ずしも物体になるわけではないが、その場合でも活動時よりははっきりとその力の輪郭が分かる。何より活動よりもはるかに強い力を持つ。

 

 三段階目、創造。

 形成のその先。異能の中にあって異質な力。その力は形成と比べても桁違いである。至った者が少なく詳しいことは分かっていないが、曰くここに至る者の精神は破綻者のそれらしい。

 

「ざっとこんな感じだ。緑谷が先の戦いで形成に足を踏み入れたが……」

「はい。明確に違う異能のように感じます」

「そうだ。言い方を変えれば段階ごとに異能が増えるイメージ。つまり形成なら二つ、創造なら三つ異能を持ってるわけだ。そりゃ破綻者とも言われるわな」

「待ってくださいまし。その説明だと、私も形成段階だということになりますが使える異能は一つだけですわ」

「いや、八百万は活動の段階だよ。お前の異能は形を生むが、()()()()()もんじゃないだろ。曖昧なんだよ要するに。万能ゆえな」

「はい!トガは形成ですか!」

「渡我は、そうだな形成だろうよ。活動は多分、あの紅いエネルギーのまま操るってところだろうさ」

「やった!イズクくんと一緒です」

「と、まぁ多少理解を深めてもらったわけだが。なんで今この話をしたかは、わかるよな?」

 

 賑わっていた部屋に再び沈黙がおりる。

 わかってはいる。わかっているが言い出せない。いや、()()()()()()のだ。言ってしまえば見たくない現実を直視することになってしまうから。

 しばらく続いた静寂を破るのはやはり大人としての責任を強く持つ弾柔郎だった。

 

「それは、近い将来——」

「僕たちが異能を以て戦わなければならない状況に巻き込まれるから、ですね」

 

 弾柔郎の言葉を遮ったのは出久だった。

 これは先立って戦った自分の、いや、()()()の先達として自分が言うべきだと感じたからだ。

 力を持つ者は否が応にも大きな流れの()に巻き込まれるか。それはかつてOFAを受け継いで巨悪と戦ったヒーローとしての確信。そして警鐘だった。

 

「さすがヒーロー、わかってんじゃねぇか。その通り。俺らは普通持たざる物を持っちまった。ある意味で人間のレールを外れた異端者だ。そして、敵もその類だ。警察が襲われてあのザマなのを知ってるだろ?つまり自分の身は自分で守らなきゃならねぇ。中には自分の異能(チカラ)に忌避を持ってる奴だっているだろうが……、あえて言う。()()()()()だ。まず命を守れ。せめて自分のだけでいい。生きろ。その為に強くなれ。それがこのUA倶楽部部長からの命令だ」

 

 ぞくり、と全員の背に走るものがあった。

 恐怖?不安?興奮?高揚?安心?

 様々が混ざった感情だったが、共通しているのは一つ。

 

 志村転弧にあてられたのだ。

 

 彼の持つカリスマが各々の気を奮い立たせる。

 出久はそれを間近に受けて思う。

 

(これが、敵連合(ヴィランれんごう)をまとめ上げた男の……!なるほどあれだけの力をつけるわけだ)

 

 目の前にいるのは敵連合の首魁、死柄木弔ではない。この世界においての志村転弧だ。しかし、その人間の本質はきっと同じだ。この圧倒的なカリスマが味方に、それもリーダーともなればあまりに心強い。

 命を救えなかった、最後に彼なりのエールを送ってくれた死柄木弔と肩を並べられた気がして、出久の心には喜色が灯った。

 

「なんだ、らしくねぇこと言ったが、まぁ頑張れや」

 

 またも黙りこくった皆を見て、転弧は頭をガシガシと掻いて、少し恥ずかしげに目を逸らして言った。

 その様子にUA倶楽部の面々は、どっと笑うのだった。

 

 

* *

 

 

 ニュースをお伝えします。今日夕方、⚪︎⚪︎市で二十代男性が転落して死亡しました。警察によりますと、男性は車道の中程に落下。しかし周囲の建物には飛び降りた痕跡はなく、目撃情報もないとのこと。また、車道中程に落下するのに必要な高さの建物が周囲に無いことから、警察は事件と事故の両面から捜査するとの発表を——

 

 

「アハっ、早う会いたいなぁ。なぁ?デクくん」

 




はい、正直に言います。
ウチは正田崇作品が好きです……

というわけで16話。新しい章ですね。
これからも何卒よろしくお願い致します。
感想なんか特に。特に!切に!
声を聞くことが大切だと思うタイプなんです。
書き手としても、演者としても。

P.S.
遂に設定を考え始めました
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