過去の魔女   作:蕾-RAI-

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これは、歌を歌うことが好きな、住む場所も歌い方も違う、ただ楽しく歌を歌うことが好きな5人の少女たち…そして未来に《 魔 女 》と呼ばれることとなる話だ。


花の魔女:始まりの魔女

これは、歌を歌うことが好きな、住む場所も歌い方も違う、ただ楽しく歌を歌うことが好きな5人の少女たち…そして未来に《 魔 女 》と呼ばれることとなる話だ。

 

 木々と緑が広がる森の中で、丸く太陽の光が差し込む

 無邪気な少女たちの笑い声、そして足音

「今日はなにを歌おうか?」

「そうだねぇ~、あ!昨日見つけた曲なんだけどさ!」

 桜色の髪色をした少女 花と、青色の髪色をした少女、芽生が愉快に話すその後ろから3人

 白味かかった髪色に右目が前髪で隠れているの少女、瀬界、薄い黄色の髪色をした少女、春香、黒髪色にストレートの少女、幸

「なに?聞きた~い!」

「うぉっとと、急に飛びついて来ないでよ、危ないじゃん!」

「あははっ!ごめんごめん!」

 芽生の後ろから抱き着く春香に軽く怒る、だけれどその顔は怒っておらず、むしろ楽しそうな表情だった

「えっとね~、あった!」

 スマホを操作し、聞かせたい曲を見つけた芽生は画面をタップし、みんなに聴かせる。その曲は、洋楽。

 そして、曲が終わる。

「どう?いい曲じゃない!?」

「確かに!特に最後の…こう、なんだろ…」

 それぞれ独自の選んだ言葉で感想を言う、まるで幸せそうに5人は語る。

 ここにいる5人はバラバラな街で暮らしている。環境を、空気もほとんどがまったく違う。けれど〈歌〉と〈音楽〉が好きだからここに定期的に集まっている。

 

 突然、強い風が森の木々を軽く揺らした。鳥たちも驚いて空に飛び立っていく。

「なに…?」

 花は風が来た場所を見る。そこにはもちろん広い草原が見えたりなどはしない。ただ木が沢山生えているだけだ。

 けれどなにかが、誰かが呼んでいる。助けなのかどうかはわからないけど急いでいるわけでもない。

 ただ私の名前を呼んでいる。

 花は立ち上がった。4人も驚いて花の方を見る。

「どうしたの?花」

 春香が質問する。花はただ答える。

「誰かが私を呼んでる…」

 そうして花は奥の方へと走り出して森の中に入って行った。

「ちょっと花!!」

 芽生たちも花を追いかける。

 花は止まらず、ずっと走り続ける。すると突然目の前にクジラのような生物が横から現れた。

『この先です。』

「!!」

 クジラはそのまま真っすぐ突き進んで行って見えなくなった。

 この先に私を呼んでいる誰かがいるとすぐに分かって少し加速させた。

「んっ…?」

 森を抜けた、その瞬間太陽の光で目の前が見えなくなったけどすぐに治まった。

「わぁ…」

 目の前には絵本とか映画で見るような長い塔があった。長年放置されているのか、ツタが伸びていたり、少し傷がある場所があった。

「花!!」

「あ…みんな」

 後ろを振り返るとみんなが私が走ってきた場所から出てきた。

「なにあれ…」

 4人のなかで目の前の塔に気づいた瀬界ちゃんが目を丸くさせた。他のみんなも気づいて上を見上げた。

「あ。」

 塔の空いた窓のような場所からさっき見たクジラが出てきた。

 その子は私たちの前に来るとそのまま浮いた

『はじめまして、ワタクシのご主人さまの元にご案内します。』

「ご主人さま…?」

『はい、説明は後です。急いでください。」

「わかった」

 私はクジラの後ろをついて行くと後ろから呼び止められた。

「どこ行くの?」

「え?」

 あのクジラの声はちゃんと聞こえた、だからみんなにも聞こえていると思っていたけど聞こえていなかった。

『ワタクシの声はあなたにしか聞こえていませんし、この姿もここではあなたのご友人方には見えておりません。連れてきてもいいですよ。」

「ありがとう。みんな!ついてきて!!」

 そういうとみんなは少し困った顔をしたけどすぐに駆け寄ってきた。

『では行きましょう。』

 私たちは塔の中に入っていく。それと同時にみんなが私の目の前にいるクジラに気づいたのかビックリしだした。

「落ち着いてください、ワタクシはカイブツなどではありませんから。」

「そういう問題なのかな…」

 春ちゃんがそんなことを呟いたけど、そのまま階段を上がっていく。上を見上げてみたらほとんどぐるぐるしてる。

「この塔はなんですか?」

 瀬界ちゃんがクジラに聞く、するとクジラはその質問に答える。

「ここは、大昔に秘密に造られた建物です。そしてここには特別なニンゲンしか入っては行けないという掟があるんです。」

「え?じゃあなんでわたし達入れてるの?」

 クジラは幸ちゃんの質問には答えなかった。

「あ、あれ…」って戸惑う幸ちゃんの声が後ろから聞こえた。

 階段を登り始めて多分5分、やっと到着した。みんな少しだけ疲れていた。

「お疲れ様でした。ではこちらに。」

「わたし先に行ってるね」

「うん、気をつけてね」

 わたしはクジラの後ろについて行く。すると赤いカーテンみたいなところに入っていった。

「お連れしました。ご主人さま…」

「ご主人、さま…?」

 わたしは顔を上げた。その部屋にある窓のような開いた穴から差し込む光が石像を照らしている。

「はい、これがワタクシのご主人さまである《花ノ魔女》です。」

「…この、石像が…?」

 わたしは石像を足から頭まで見る。

『こんにちは。待っていましたよ。』

「え…?」

 突然頭の中から女の人の声が聞こえてびっくりする。

 そのまま耳を塞いでしまった。

『驚かせてごめんなさい。私はもう魂しかない状態なの、だからこうしてあなたの頭の中に話しかけてるの。』

「本当だ、耳塞いでも聞こえる…」

『話を続けるわね、今とっても大変な状況なの。』

「大変な状況…?」

『そう、ひとまず説明をするわね。』

「わ…」

 目の前に黄金に光る厚い本が現れるとそのまま開かれた。

 その本に書かれた内容は、大昔にこの世界に突然天空の城が現れた。その城は人口が多く、土地が欲しかった。だからそのままわたしたちの住む5つの街を襲いかかって戦いが始まった。

 そんな戦いは止まることはなくて、どんどん死体が転がるばかり。そんな中で5つの街から特殊な力を持った人が1人ずつ現れると各地でそれぞれ祈りを捧げた。

 そのおかげで5つの街を囲むように結界が現れて空から敵は現れなくなって街の人々が勝利した。けれど、力を発動させた代償で祈りを捧げた人たちの体は石像となった。そんな5人を称え、守るためにわたしたちがいる塔が造られた。

 そこから約75年後、石像の力は弱くなり始めた。それと同時にで結界も弱くなり始めていった、その影響なのか5つの街から石像となった人たちと似た力を発現させた人が1人ずつ現れるた。その人は突然どこかに行ってしまって帰ってこなくなった。同時に弱くなった結界は元の力に戻った。そこから何年も、何千年も続いた。

『ということよ。』

「…あの、もしかして…」

 なぜ特別な人間だけが入れる建物に入ってこれたのか、そしてこの話を聞かされた。

 そこから読み取ったことで花は気づいた。

『ええ。あなたの予想通りよ。』

 花は後ろに下がっていく。

 信じたくなかった、ただ平和にくらいして、友達と好きな歌を歌う時間や両親と笑って暮らす時間が好きだったから。

 石像は彼女を見て優しく笑う。

『別に私はあなたがこの姿にならなくてもいいと思うわ。けど…もうすぐこの世界が崩壊してしまうけどね。』

 

『良い答えを待っているわよ。花。』

 その言葉と同時に目の前に大量の花が現れると、花を飲み込んでいって部屋から追い出した。

 何が起きたのかわからずにぼーっとしていた。

「花!!」

 後ろからみんなが心配しながら駆け寄ってきた。

「大丈夫?なにかあった?」

 あのことはみんなに言わないと心に決めて

「なにもなかったよ、それよりそろそろ帰ろうよ」

 作り笑いでみんなに接する。

 みんなは「そうだね」といって一緒に長い階段を降りて行く。

 天井からクジラが降りてくると私の耳元まで近づいてくると

「この運命には抗うことなどできませんよ。」

「!」

 そういって姿を消してしまった。

 みんなは気づいていないのかおしゃべりしていた。

 

 塔の中からでると少し日が沈みかけていた。

 みんなで走って、塔に行くときに通った道に向かっていく。

 

「じゃあみんな!また来週ね〜!」

「わかった、また会おうね。」

「おっけ〜、じゃあまたね!」

「忘れないでよみんな?」

「大丈夫だよ、春ちゃん」

 そして、5人は5方向に分かれて自分たちの街に帰っていった。

 

 

 

 家に着くことには当たりは茜色に染まっていた。

 右ポケットから家の鍵を取り出して扉の鍵を開けると、鍵を抜いてドアノブを掴んで引っ張って扉を開ける。

「ただいまー」

 靴を脱いで揃えながら奥にいる家族に向けて言うと、「おかえりー」と返ってくる。

 そのままリビングに向かっていく。

「今日遅かったね、友達と話盛り上がってたの?」

 お姉ちゃんがスマホを見ながら聞いてくる。

 それに少し戸惑いながらも「うん」と答えた。

 椅子に座って軽く一呼吸する。こんな平和な時間が無くなるだなんて思えなかった。

(絶対にないよね…)

 そんなことを思ったときだ。

街中に警報が鳴り響く。耳を塞ぎたくなるような不愉快な音。

 家族みんなで急いで靴を履いてから家の外に出た。

「なに…あれ…」

 茜色の空を見ると中央にヒビが入っており、それがバンッバンッとガラスを叩く音と共にどんどん広がっていく。

 そしてあの時の石像の言葉を思いだした。

 "もうすぐ世界が崩壊してしまうけどね"

「う、うそ…」

 怯えて、一歩後ろに下がった時だ。

 空は割れると同時に今まで見えていなかった何かが見えた。まるで浮島のような

「あれが…天空の、城…」

 この場にいる全員が唖然とした。

その直後、空がピカピカと小さく光ると地面で大爆発が起こった。

「な、なに…?!」

 近くの湖でも爆発が起こり、水が顔にかかる。

 その湖に人影があった、それも5人ほど。姿が見えると、彼らは手に武器を持っていることに気づいてみんな逃げ出した。

「は、花!逃げよう!!」

 お姉ちゃんに手を握られて急いで反対方向に走る。

 マンションの下に着いた時だ。突然、大爆発が起こる。

「花!!桜!!」

「お母さん!?」

 お母さんが私たちの元に走ってくると、背中を強く押した。

「あなた達だけでも、生きてッ!!」

 私たちは押されたことで前に進んだ、その直後後ろから何かが落ちる音が聞こえた。

「そ、んな…」

「お母さん…」

 私たちは後ろを振り返って、目を大きく開いた。

 お母さんが、瓦礫の下敷きになった。証拠に大きな瓦礫の下から赤い血が流れている。

「…花、早く!!」

 またお姉ちゃんに手を握られて、隠れられる場所に走って向かった。

 

 避難した場所は近くの洞窟、その中には私たち以外にも避難してきた人たちが居た。

 地面に座って息切れになったお姉ちゃんは息を整える。

「はぁ、はぁ…」

「……」

 私も地面に座って、何が起きたのかを頭の中で一度整理する。

 まず一つ、空が割れた。これは多分石像が言っていた結界のこと、その結界が壊されたことで今まで見ていた空の景色は作られた景色から本来の景色に変わったことであの浮島が現れた。

 次に2つ、結界が破壊されたせいで浮島の住人が襲いかかってきたこと。そのせいでさっきお母さんが死んでしまった。

「あの人たちは、だれ…」

 あの浮島から降りてきた彼らの背中には天使のような純白の羽が生えていた。

 

『彼らは空人。何千年と前から結界の外側にいる人種です。』

 

「!」

 突然頭の中からあのクジラさんの声が聞こえてあたりを見渡すがどこにも居ない。

「どう、したの…?花」

「い、いや…なんでも、ない。」

 

『ワタシの体はありません。魔女サマの存在が消えてしまいましたからね。この声はあなたの頭の中でしか聞こえません。』

 

 私は目を閉じてクジラさんの話を聞く。

「お姉ちゃん、ちょっと外に出てくるね」

「え、でも…」

「大丈夫だから、安心して」

 心配するお姉ちゃんは私のことを信用して「気をつけて」とだけ言った。

 私は洞窟を出て、大きな木の後ろに向かった。

「あなたが言った空人は、何が目的なの?」

 襲いかかってくるほどなのだからきっとなにか理由があると思いクジラさんに質問すると頭の中でその質問の返事が返ってきた。

 

『ヤツらの目的は、住む場所です。住む場所が欲しいからこの5つの街を奪いに来たのです。』

 

 5つの街。

 1つは私の住んでいる【花の街】、芽生ちゃんが住んでいる【夜の街】、春ちゃんが住んでいる【風の街】、瀬界ちゃんが住んでいる【異世界の街】、幸ちゃんが住んでいる【氷の街】の5つ。

この5つの街が大きな円となっている。

 

「てことは、芽生ちゃん達のところにも?!」

 

『はい。今頃ここと同じように死者や建物への被害が出ている頃でしょうね。』

 

「どうやったら、止められる…?」

 

『今のアナタ様では止めることなど不可能に近いでしょう。そもそも、力がありませんからね。』

 

「そんな…」

 これ以上罪のない人たちには死んでほしくない、芽生ちゃんたちも…。

 どうにか止められ方法がないか考えてみる。

「一緒に暮らすことって、できないの…?」

 

『何故そう考えたのですか?彼らはアナタの住む街、母親を殺したのですよ?』

 

 その言葉と共に、あのシーンが頭の中で流れてしまう。お母さんの最後の言葉と、赤い血も。

「でも…、あの人達だって住む場所が欲しいんでしょ…?」

 服を両手で強く掴み、唇を噛み締める。

 心のどこかでは、お母さんを殺したことに対しての負の感情はないといえば嘘になってしまう。

 けれど、彼らとも話し合えればきっと一緒に暮らせるだろうと思ってしまう。

「私、行ってくる…」

 

『お待ちください!!ヤツらは話を聞く気などありませんよ!!』

 

 クジラさんの言葉は無視して、私は進む。

 お姉ちゃんのいる洞窟を通り過ぎて、さっきの場所に戻る。

 けれど後ろから手首を掴まれてしまい、足が止まった。

 誰が掴んだのかを確かめるために後ろを振り返る、私の手首を掴んだのはお姉ちゃんだった。心配している表情で、少し起こっているような声色で私に言葉を吐いた。

「なにしてるの…危ないでしょ?」

「あの人達と話がしたいの」

「ダメに決まってるでしょ!」

 お姉ちゃんは声を大きくした。

 それでも、私は諦めていない。

「でも、話せばきっと…!」

「お母さんが言ってた言葉、聞いてなかったの?『あなた達だけでも生きて』って…」

「そうは、言ってたけど…」

 お母さんの声とともにその言葉が頭の中で流れてくる。

 服を強く掴んで、顔を下に下げる。目から溢れ出る涙が靴に落ちる。

「花ッ…」

 お姉ちゃんが突然私の身を守るように前に出る。

 気づけは周りには空人が私達囲んでいた。

「……」

 風が吹き、木々が揺れて音が鳴る。

「ハァ!」

 お姉ちゃんが目の前の空人に向かって、腹部を殴りつけ顎を殴りつけて手に持っていた弓を奪い取ると今度は腹部に右足で蹴りつける。

「行け!」

 空人2人はお姉ちゃんに襲いかかると、弓を横にして剣を抑え込む。

 そのまま押し返して素早く動いて弓で首筋を叩きつけて気絶させた。

「す、すごい…んッ!?」

 突然後ろから口を押さえつけれると首に剣の刃が置かれる。

「花ッ…!」

「動くな、こいつが死ぬぞ?」

 お姉ちゃんはすぐ手に持った弓を足元に落とすと両手を挙げる。

 空人は押さえつけた私の口を少しだけ緩ませる。それにお姉ちゃんが気づくと足元に落とした弓を右足で勢いよく蹴った。

「はッ!」

 弓は回転しながら速いスピードで空人の顔にぶつかった。

「うぐッ!」

 空人は鼻血を出しながら地面に倒れる。

「お姉ちゃん!」

「花!!」

 私はお姉ちゃんのもとに走り出したときだった。

 銃声とともに、お姉ちゃんの左胸が撃ち抜かれて赤い血が吹き出した。

そのまま足を踏み外して地面に倒れる。

「お姉ちゃん!?お姉ちゃん…」

 口をゆっくり開く。

「ご、めん…は、な…。わた、しは、いいから…はや、く…にげて…」

 そのままお姉ちゃんは力が抜けて、動かなくなってしまった。

「そん、な…」

 目から涙が溢れ出る。

そんな私のもとに足音が近づいてくる。

「あとは、お前だけだ。」

 顔をあげると30代後半くらいの男性が銃口を私に向けて立っている。

「なんで…?一緒に暮らせないの?」

 掠れた声で目の前の空人に聞く、その答えは…

「何を言っている。できるわけがないだろ。」

(あぁ…無理なんだ…)

 当たり前だ、街を壊して、人を簡単に殺めるんだから。

 

『そんなあなたに力を授けましょう。』

 

 私の頭の中に、くじらさんの言葉が響く。

 同時に、男性の持つ銃から弾丸が音と共に飛び出す。

「……。」

 目の前に、花が現れるとその花が盾になって弾丸を防ぐ。

「なっ…、なんだ?!」

 盾が弾丸を防いだ後、荒れた地面に花が咲き始める。

 それに困惑する空人に向けて右腕を伸ばす。

「くッ…!!離せッ!」

 緑色の触手が空人の両手、両足を掴む。

 私の足元から大きな花が咲き出すと、空人の方に顔を向ける。そして力を集中させていく。

「待て!落ち着け!!頼むから!命だけはァ!!」

「命を奪ったくせに、何言ってるの?」

 私は彼にそう言って、指をパチンッと鳴らす。

 溜まりきった力を一気に一直線に放射し、空人を焼き倒した。

 

『これで【花】の魔女が覚醒いたしました。』

 

「花の、魔女…」

 すると空中からさっきまで居なかったはずのくじらさんが現れるとそのまま私の目の前に近づく。

「新たな主様、ワタクシに名前をおつけください。」

「名前…、じゃああなたの名前は【デュラタン】。」

 するとデュラタンの体が光だして色が変わる、黒一色だった体から青ベースに、目と体の模様が赤い姿へと変色した。

「これから、よろしくおねがいします。主様。」

「よろしくね、デュラタン。」

 

こうして、花は魔女として覚醒したことで人間離れした特殊な能力をその身に宿した。

その証拠に、黒かった目がデュラタンの色に近いものに変化していた。

「では、主様。なにをしますか?」

「……」

 私は一度考える、今空人から守るために優先したほうがいいのは私の大切な人。

「私の、私の友達を助けに行こう。デュラタン。」

「承知いたしました。では私の中にお入りください。」

 そういってデュラタンは大きく口を開いたけれど、なぜそこなのか気になってしまい固まってしまう。

「奴らにバレてしまいますから、透明になる力があるワタクシの中に入ってください!!」

「…わかった…」

 渋々了承して、先にお姉ちゃんのもとに駆け寄る。

「ありがとうお姉ちゃん。大好きだったよ…」

 そう言葉を投げかけて、頬に触れた。冷たい。

 髪を軽く整えて上げたあと私は立ち上がってデュラタンの口の中に入った。

「ではまずは、【夜】の街に向かいましょう。」

「わかった。」

 目を閉じると、デュラタンの視界が共有される。

 ふわっと体が浮くと、そのまま上昇していく。3分程で【花】の街の全体が見える距離にまで到着する。

空から見た街は、とっても最悪だった。

「行きますよ。」

 そのまま前に進み出して行く。

 

 




はじめまして、らいと読んで蕾と書きます。
この作品はpixivに投稿していた作品です。
他の場所には修正版を投稿していたのですが、ここでは修正前のものを投稿させていただきます。
次の投稿は一週間後、もしくは明日かもしれませんが気にしないでいてください。
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