【R18個性】も『クソナード』に掛かれば【強個性】   作:『代行さん』

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夏休みの幕間『登校日』

テレビを眺めていた緑谷出久は立ち上がると自室の鞄を手に取り、リビングに向かって「行ってきます」の挨拶をした。緑谷出久の母はそれに返事をした。

 

緑谷出久は小さくため息を吐きながらドアノブを回した。

 

 

 

夏休みの間に挟まれる学校へ行く日、緑谷出久は重い足取りで学校へと向かっていた。友人等に恵まれている生徒なら悩むことはないだろうそれは、いじめの標的にされている緑谷出久にとって不幸なこと"この上ない"状況だった。

 

しかし【個性】のある現状、その憂鬱な時間の中でも寝たフリではなく研鑽に費やすことができると前向きに考えながら、通学路を歩いていく中でも黒色の両手を見つめていた。

 

 

 

張り詰めていた緊張の糸とは裏腹に"無視"という形のいじめー反応にホッと胸を撫で下ろした。午前までの授業を終え"そそくさ"と帰ろうとしたその時。

 

生徒A

「ちょっと緑谷君いいかな?」

 

緑谷出久

「ど、どうしたの?」

 

声をかけてきた生徒は緑谷出久と何の面識もない生徒だった。無視をする選択肢もあった中、緑谷出久は何を思ってか、その誘いに乗った。

 

 

 

生徒A

「最近爆豪さんがな?機嫌悪いのよ?」

 

緑谷出久

「そ、そうだね、少し雰囲気が刺々しいというか」

 

生徒A

「それでよ?ものは相談なんだけど」

 

緑谷出久

「何かな?」

 

生徒A

「迷惑料くれないかな?」

 

緑谷出久

「えぇっと」

 

話の始まりから緑谷出久はかっちゃんのご機嫌取りに関する相談事かと内心考え込んだもののー蓋を開ければ"カツアゲ"という何とも生産性のない内容に困惑を隠しきれずにいた。

 

生徒A

「それかぁ雄英を受けるのやめてくれない?」

 

緑谷出久

「…」

 

生徒A

「?」

 

緑谷出久はふと、昨日のキャプテンセレブリティのエアロダイナミックフィールドの活用法について思い出していた。自分の個性にも触れた対象にも伝播するその性質があり、それは"保持"されー『次に触れる物体にもある程度伝播する』

 

生徒A

「何かいえよ緑谷!」

 

緑谷出久

「…ごめんね」

 

生徒A

「!?」

 

迷いに迷った緑谷出久の取った行動は"カツアゲを強行した生徒"による戦況の変化により『実験』決行へと至った。

 

 

 

カツアゲの掴み掛かりが抱えていたバッグに触れた瞬間、緑谷出久はバッグから手を離した。急に重みの増したバッグによりカツアゲは体勢を前屈みへと崩した。"カツアゲ"はこの瞬間、前傾の"体勢"を取らざるを得なくなった。

 

続く緑谷出久の『張り手』が『生徒の地面に迫る顔面』に直撃した。緑谷出久の予想では『身体が一回転する』筈の張り手の一撃は『カツアゲを張り倒す』形を取った。

 

 

 

カツアゲは前傾から張り手の一撃により"地面に接触していた足を軸に『頭に付随するパーツと共に後方へ跳ねる様に倒れた』ー校舎裏での攻防は取り巻きが大の字になって気絶するという"あまり"に呆気ない結果となった。

 

校舎に残っていた生徒

「窓ガラスが揺れた?」

 

緑谷出久

「(不味い!)」

 

緑谷出久はバッグを急いで回収するとその場を走って後にした。校舎裏から校門へと走り抜ける。自分でも驚く程の逃げ足の速さー走っている最中、どうしても我慢できなくなり、笑いながら走り続けた。

 

緑谷出久

「個性使って反撃しちゃった」

 

個性を使用するにあたっては特別な免許もしくは許可が必要となる。しかしそれを破ってしまった緑谷出久ーだったが"あまり"にあまりな決着のさせ方にどうしても笑いが出てしまっていた。人通りの多い道に差し掛かる手前、笑いをどうにか堪えようとするもののー込み上げる笑いは無言の《ニヤニヤ》とした顔つきに変化するばかりだった。

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