【R18個性】も『クソナード』に掛かれば【強個性】   作:『代行さん』

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ー『手詰まり』

夏休みが中盤に差し掛かろうとしていた。

 

緑谷出久

「…」

 

そんな中、緑谷出久は砂の上で大の字になり空を仰ぎ見ていた。特に怪我はないもののー個性による試行錯誤が63回まで増えていた。エアロダイナミックフィールドを付与した対象を"投擲"ー投擲するものには予め体を括り付けておいて一緒に飛んでいくと言った"頭のぶっ飛んだ"方法を試し、ものの見事に墜落した後のことだった。

 

緑谷出久

「なんでだろう」

 

緑谷出久の予想した挙動は慣性により投擲したものが力を受け、放物線を描くものと思われていた。"それ"は離した直後こそ問題なく飛翔したが括り付けるのに使っていたロープが張った直後、予想していた軌道より遥か手前に落ちてしまった。

 

浮き上がっていた身体は投擲物に引っ張られる形で地面に向けて共に墜落した。顔面から突っ込んだ緑谷出久は寝返りをうち"仰向け"になおったのが現在の結果だった。

 

 

 

緑谷出久

「青いな」

 

緑谷出久は浅いとも深いともつかない海の上、疲れた様子な上に冷めた目で空を仰ぎ見た。暫く青空を眺めー白雲が視界に入ると同時に緑谷出久は身体を上げた。

 

緑谷出久

「ゴミ拾いに移ろう」

 

 

 

緑谷出久

「エアロダイナミックフィールドは両手にしかない、全身に行き渡らせることは可能なのか?実際全身を包まないと飛行はできなさそうだし、だからと言って一朝一夕でできるとは到底思えない。何か根本的な解決策が」

 

緑谷出久は粗大ゴミを抱えながら自問自答を繰り返していた。あいも変わらず重さのある物には時間が掛かるもののーそれ程"疲れ"を感じることはなくなっていた。

 

粗大ゴミを持ち上げるには筋力だけではなく触れることでエアロダイナミックフィールドは対象に付与する必要があり『エアロダイナミックフィールドの付与には時間が掛かる』ことは分かっているため、エアロダイナミックフィールドの『広がった空間は徐々に縮小していく』ことを利用して極力空間を絶やさないようできる限り連続して運ぶように心がけていた。

 

それでも海岸の広さに対しひとりの作業員、ゴミの堆積は見るだけでも堪えるもので緑谷出久は清掃以外に意識を向けなければやっていられなかった。

 

 

 

学校ー登校日以降、個性の実験はできていない。エアロダイナミックフィールドは常時発動型の個性故に常に使い続けているものの人に使っての戦闘や訓練は行えていない。緑谷出久は本格的に個性が使えないかと考えていたが、人目のある場所で使おうものなら無免許による検挙は免れないー『相応の理由がなければ』。結局のところそんな都合のいいことはなく、本日の加算分5回の失敗と海岸清掃をもって帰宅した。

 

 

 

暖かいシャワーを終え、頭をタオルで乾かしながらリビングに向かった緑谷出久はテレビの前に座った。髪を乾かす間、なんともなしに眺める画面の向こうは『アイ・エキスポ』の話題で持ちきりだった。

 

アナウンサー

「今年もアイ・アイランドの接近が始まりました」

 

アイ・アイランド、世界中の才能、個性を集めた人工島。個性の研究ー解析から"ヒーローアイテム"の発明などを行う研究施設であり、成果や記録を数多く保存している。『接近』というのもこの人工島は特定の場所、地域に滞在することはしておらず、常に海上を移動し続けておりー関係者以外が偶然発見することは叶わない。

 

そしてその設備も一級品。『犯罪者隔離施設』で有名な『タルタロス』同様の警備システムにより外部からの干渉、侵入は叶わないと言った具合であり島内部での犯罪発生率は圧倒的0%と言った徹底ぶりだ。

 

アナウンサー

「どしどしご応募下さい」

 

番組の最後、『アイ・エキスポ』の一般公募のQRが表示された。緑谷出久は携帯を取り出すと画面を読み込ませた。通信中の画面である『画面の点滅』が表示されたのを確認し、携帯をテレビの前に置くと洗面台へとタオルを出しに戻っていった。

 

携帯の画面

『ご当選おめでとうございます』

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