【R18個性】も『クソナード』に掛かれば【強個性】 作:『代行さん』
緑谷出久は、アイ・アイランドに向かう飛行機の中で夢のような状況に惚けていた。現実味のない状況を飲み込めないままアイ・アイランドに到着後、興奮を抱えて入国審査を通過ー魅力的なエキスポ会場に足を踏み入れる。そこで、最新鋭のヒーローアイテムや有名なヒーローたちとの出会いを楽しむも疲れがたまり、休憩する為に展示館の『パビリオン』へと入った。
休憩中、緑谷は展示物に目を惹かれるも疲労のあまり倒れてしまう。彼を助けたのはプロヒーローの家系では有名な『飯田家』の次男坊だった。話の弾む中、楽しんでいた時間は突如として起きた爆発により終わりを迎えた。
緑谷は火の手が上がる開発施設に向かいーそこで無謀ともいえる行動を取ろうとするが、駆けつけた飯田により止められる。
現在
『緑谷と飯田はアイ・アイランドで起きた未知の危機に立ち向かうことになる』
飯田天哉
「あれは何なんだい?説明したまえ」
頭に血が昇っていた緑谷は焦りを露わにする飯田の言葉に冷静さを取り戻した。先程までの行動は冷静になった頭で考えても"無謀"の一言に尽きることに深く反省し、物陰からわずかに顔を覗かせ状況の説明を始めた。
到着した時には既に火の海であり、そんな被害を出したであろう敵が今目の前にいる事、そのうちの一人は前にも事件を起こしている事を説明した。
緑谷出久
「最近起きた無差別催眠は知ってる?」
飯田天哉
「犯人の捕まっていないあの事件のことか?」
緑谷出久
「うん、あれは催眠なんかじゃなくて実際の被害が発生した個性犯罪なんだ」
飯田天哉
「そ、そんな君はメディアが誤った報道を行ったとでも言うのか?」
緑谷出久
「あ、いや、さっきまで集団催眠だと思ってたんだけど、あそこに居る巨体が街で暴れているのを僕は見たんだ」
飯田天哉
「あの現場にいたのかい?」
緑谷出久
「ッ!」
緑谷の視界は物陰から見えていたモノから『鷲掴みにされているオールマイト』を映し出していた。度重なる視界の乱れに緑谷はこれが単なる『思い込み』でないことを確信した。
飯田天哉
「緑谷君、あの巨体の手に何か握られてないかい?」
緑谷出久
「え?」
視界の乱れを振り切る様に頭を張った緑谷は巨体を視界に捉えた。飯田の言う通り巨体は何かを握っていた。その手からは捕まえているであろう『誰か』の髪が飛び出していた。
緑谷出久
「助けないと」
飯田天哉
「無茶だ、危険過ぎる!現に君は震えているじゃないか!」
飛び出そうとする緑谷の両肩を捕まえ飯田は前後に揺さぶり諭そうとするもー肩を掴んでいた手は違和感すら感じることなく外され、逆に掴み返されていた。そしてそのまま、緑谷は言った。
緑谷出久
「できるできないじゃなく、やるかやらないか何だ」
飯田は再び驚いた。振り返り自分を見つめる深緑色の髪の少年、緑谷出久の目に怖気は見られず、その目には『確固たる意思』が見てとれた。
今も尚、掴まれた手首に感じる震えは『怖気から来る身震い』ではなく『武者震い』だと理解した。
飯田天哉
「…君と言うやつは」
緑谷出久
「ひとりでも行くから」
飯田天哉
「待ちたまえ緑谷君、一つだけ聞きたい」
手首から手を離した緑谷は地面に手をつき今にも飛び出そうとしていた。そんな様子に根負けした飯田は質問をした。
飯田天哉
「作戦はあるのかい?」
緑谷出久
「ひとつだけ」
緑谷の地面についた手は瓦礫の破片を握り込んでいた。