【R18個性】も『クソナード』に掛かれば【強個性】 作:『代行さん』
次の日、学校にて
同じ様に海岸を訪れた緑谷は巻原先生と話をしていた。それと言うのも数ヶ月の空白期間は緑谷が教室に復帰するには"かなり"の労力を必要とし、精神的・身体的なダメージが立て続けに起こっているとあってーその上でいて緑谷自身がクラスに復帰するか、進学まで『休憩室』で実習等に充てるかと相談中だった。
巻原先生
「どうする緑谷」
緑谷出久
「僕は」
緑谷の心境は"どことなく"教室への復帰に傾いていた。『それが』普通で"当たり前"緑谷が口を開けようとして、巻原が詰め寄った。
巻原先生
「緑谷はどうしたい?」
緑谷出久
「へ?」
巻原先生
「進路の時といい今といい、やっぱり何かあるだろう」
緑谷の全身から血の気が引いたー『図星』
『無個性』とあって『皆が持っているものが無い』と言う劣等感から『人一倍』の歩みで歩幅を合わせていた緑谷。しかし、現実は遜色のない努力をしたとして『持たざる者』と言うのはそれだけで下に見られてしまう。同級生から"謂れのない圧"を掛けられていた。
それでも『我慢』していたのは『諦め』から来るものであり『仕方のない』こととしていた。しかし、振り返ってみれば『自ら振り解いた手』もあったことに"今"ようやく気がついた。
巻原の指摘ー緑谷から堰を切ったように涙が溢れ始めた。それに対して巻原が《ギョッ》として右往左往する中、緑谷は『表情を固めると』
緑谷出久
「教室には戻りません」
そう言い切った。巻原はそれに「分かった」と短く答えると『実習教室』の鍵を手渡した。
それからは度々様子を観に来る巻原と共に『雄英高校』に向けての勉強の日々が過ぎていくこととなった。そんな中で緑谷が1番驚いたことは『巻原包傭』が『個性免許』を持っており、『有事の際』には『ヒーロー』として活動できる『準ヒーロー』としての側面を持っていたことだった。
巻原先生
「俺の個性は【
緑谷出久
「汎用性が高そうですね」
巻原先生
「そうでもない、複雑な行動は負担になる上、数を操るにしても限度がある。多くても2体、それ以上は弾除けだ」
緑谷出久
「なるほど」
休憩ー昼休み、巻原が『実習室』で昼寝をしに来る時などは"こうして"個性について話をすることもあった。"どの様にして"弱点を隠し、隙を見せないか。逆に"長所"を隠し致命打を叩き込むのかなど『師匠のいない』緑谷にとって心強い先生となった。
緑谷出久
「先生」
巻原先生
「なんだ?」
緑谷出久
「先生はどうやって個性が使えるって分かったんですか?」
巻原先生
「俺は」
ソファーに寝そべっていた巻原が起き上がり姿勢を正すと『ひとりでに動き出した包帯』が巻原の胸ポケから"ハンカチ"を巻き上げ『操り人形』にした。
巻原先生
「生まれつきだったな」
緑谷出久
「生まれつき…」
巻原先生
「俺の"この包帯"も生まれつきだ」
緑谷出久
「そうなんですね!?」
『緑谷の驚愕』ー巻原は全身を赤黒い包帯で覆った見た目をしている、指先や顔の上半分は見えているものの殆どの部分は包帯で覆い隠されている見た目をしている。これを緑谷は自前だとは思っていなかった。
巻原先生
「子供の頃何かは勝手に人型になって後ろをついてくるわ、地面を引き摺ってよく物を壊していた」
緑谷出久
「今は制御できているんですよね」
巻原先生
「本格的制御できる様になったのは…この話はやめておこう」
巻原が何かを思い出した様に顔色を悪くすると緑谷はそれを察して話題の一部を変えた。
緑谷出久
「個性を制御する上で何が必要ですか?」
巻原先生
「何をしたいかを明確にすることだ」
緑谷出久
「何を、したいか」
巻原先生
「少し寝る」
考え込む緑谷を他所に巻原はソファーに寝そべった。緑谷は自分の手のひらを見つめていた。