【R18個性】も『クソナード』に掛かれば【強個性】   作:『代行さん』

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ー『再会・下』

スタジアムの階段を上がり客席に座ろうとしたところで満席の中座れるわけもなく、立ったまま開会式を眺めることになった。緑谷が入って間もなく2年生ステージのA〜Kまでの行進が始まり選手宣誓に入った。

 

『A・Bヒーロー科』

 

『C・D・E普通科』

 

『F・G・Hサポート科』

 

『I・J・K経営科』

 

選手宣誓はよく知らない生徒が行ったもののその立ち居振る舞いは"ヒーロー"を感じさせるものだった。姿勢ぴっしり、礼儀きっちりと緊張とも取れる振る舞いに不快な思いをする人は少ないだろう。

 

そんな中、緑谷は通形ミリオを探しーその姿がB組で入場しているのが見えた。体格もさることながら特徴的な表情に緑谷が見つけるまでに苦労することはなかった。

 

緑谷出久

「どんな個性なんだろう」

 

通形の周りにいる生徒から全体を見て"時代の象徴"その活躍や個性に思いを馳せる緑谷だった。

 

 

 

個性社会のオリンピックーとは言ったものの中身は高校の体育祭とあって、選手宣誓が終わると各種持ち場へと散っていった。オリンピックに見られる各種競技の"デモンストレーション"などはなく開会式は早々に終わりを迎えた。

 

その後は淡々と競技説明から競技者の入場、競技、退場の順番で進められていった。ただの高校体育祭と侮ることなかれ、個性を十全に発揮する生徒の多くは目覚ましい結果を残し、観客席からは歓声や感嘆の声が上がっていた。

 

場合によっては客席にいる"プロヒーロー"やその事務所、会社などが注目しているのが肌で感じられるほど『華やかさの裏では品定め』が行われていたのが確認できた。

 

緑谷出久

「みんな凄い個性だ」

 

緑谷のペンが滑り続ける。捨てるところ"なし"。当たり前に見えて各々が全力を出す場面を書き留めていく緑谷だったが、興奮のあまりバランスを崩してしまい『ノート』が観客席に落ちてしまいそうになった。

 

緑谷出久

「しまっ…!?」

 

前のめりに倒れた緑谷は隻腕のため、身体を支えるので手一杯になり、"余力のない"自体の先ー『ノートが《バラリ》とページを広げて落ちていった』

 

『全身から冷や汗が出た緑谷』ー誰かにでも当たったりしようものなら大変なことになる。そう思ったのも束の間ー幸いにも"掴んでくれた"人が視界の先にいた。胸を撫で下ろすより早く視界の先の人へ『感謝と謝罪』を口にした。

 

緑谷出久

「すみません」

 

『大きな声』ー周囲の観客が緑谷に注目した"一部会場の雰囲気"が緊張感に包まれた。緑谷のノートを掴んだ御仁はゆっくりと立ち上がり、緑谷へと振り返った。鋭い眼光と7:3分に黄色のメッシュが所々にある深緑色の髪。スーツをピッシリ着こなした180越えの長身の男性。

 

緑谷は一瞬身体をこわばらせるも、その姿に安堵すると同時に『非常に気まずい上ー申し訳ない気持ち』でいっぱいになった。

 

緑谷出久

「お、お久しぶりです。サーナイトアイ」

 

サーナイトアイ

「お久しぶりです緑谷さん。立ち話はなんですから隣へ」

 

 

 

『サーナイトアイの気遣い』ー偶然にでも会った知り合い、その身体的なハンデを知っている為さりげないフォローをした。周囲もサーナイトアイがそう言うならと道を開けた。緑谷を見る目は『驚愕』『興味』『敬意』など様々であった。

 

緑谷出久

「すみません、助かりました」

 

サーナイトアイ

「いえ、ノートの中を少しばかり拝見してしまったお詫びでもありますので」

 

そう言って、サーナイトアイは『ノート』を開き何やら書き込むと緑谷へと渡した。『まさか』と思い緑谷が『ノート』を開くとそこには『サーナイトアイ』の個人的な凄い点や意見やらが書き込まれた対の頁にバッチリとサインが施されていた。緑谷は間近で彼の個性【予知】の性能を目の当たりにした。

 

緑谷出久

「ありがとうございます!」

 

 

 

『競技が始まり』ーそれぞれの華やかな個性、実用的な個性のお披露目となった。

 

緑谷出久

「…」

 

サーナイトアイ

「…」

 

無言で会場を眺める2人、各々が目的に合わせた視線を会場へと向けていた。皆が立ち上がって応援する中も淡々と競技を観察する異質さーその気迫は周囲に《ヒシヒシ》と伝わっていた。

 

 

サーナイトアイ

「時に緑谷さん、こちらには"おひとりで"?」

 

緑谷出久

「いえ、ヒーローの同行、学校の下見という形で来てます」

 

サーナイトアイ

「ふむ、なるほど」

 

再びの沈黙が続き『障害物競走』の種目説明が始まった。

 

緑谷出久

「なるほど」

 

サーナイトアイ

「随分と熱心に見られるんですね」

 

緑谷出久

「え?はい、僕は人一倍努力しないと、遅れてしまっているので」

 

サーナイトアイ

「…」

 

緑谷出久

「…」

 

『緑谷出久の困惑』ーサーナイトアイ、見た目に反してフレンドリーと言うか緑谷に対し、気さくな感じに話しかけては沈黙を噛み締めていた。緑谷は繰り返されるそんな行動に疑問符ばかりが頭の中で回っていた。

 

緑谷出久

「あ、通形先輩の番だ」

 

サーナイトアイ

「通形?」

 

緑谷出久

「はい、今から走る、全裸の…全裸!?」

 

サーナイトアイ

「!?」

 

『競技中』ー通形ミリオがスタート位置についた。特段なんの変哲もない場面だった。がしかし、次の瞬間『スタート』の合図と共に『通形ミリオは全裸になった』ースタートの合図が《パン》となった瞬間、体に纏っていたはずのジャージを含む布類が全て脱げていた。ズリ落ちた、脱ぎ去った訳ではなく《スルリ》と"あたかも"通形ミリオがそこに存在していなかったように

 

そんな様子に『会場が沸いた』ー放送事故ギリギリのエンターテイメント、なまじ真面目過ぎた空気が一瞬にして柔らかさを帯びた。

 

緑谷出久

「後でどんな個性か聞いてみるのも良いかも知れない」

 

サーナイトアイ

「通形ミリオか…」

 

◇◆◇◆◇

 

『緑谷出久の予測』ー通形ミリオは5着だった。落ちた衣服を着直す手間が他選手との差をつけてしまった。その後再び上半身のみが"落ちた"。しかし、その追い上げは凄まじく次々と他選手を抜き去った。

 

衣服が脱げつつも最下位から『怒涛の2着』まで追い上げを見せー1位は目前と言った所で急な失速『息も絶え絶えになっていた』

 

『その後、3人に抜かされ5着となった』

 

緑谷は彼の個性を『ワープ』や『透過』と予想を立てた。それも全身が一度に発動する物ではなく『部位指定による【ワープ】【透過】』だと。

 

理由として『一発芸』と『脱衣』にあった。

彼の『桃芸』は『尻のみ』に発動もしくは解除し、突き出すことで可能にしていたのではと予測できた。『脱衣』も同様に発動もしくは解除してしまったが為に衣服がそれについて来られなかったからだと予想した。

 

◇◆◇◆◇

 

緑谷出久

「通形先輩速かったな」

 

サーナイトアイ

「よく鍛えられていましたね」

 

緑谷出久

「そうだ、筋トレについてもアドバイスを貰おう」

 

サーナイトアイ

「…」

 

 

 

数時間後、競技が全て終わり2年生ステージは表彰式に移った。通形ミリオは惜しくも表彰台には届かなかったものの『かなりのインパクト』を会場に残した。

 

緑谷出久

「あ、先生の所に戻らないと」

 

サーナイトアイ

「私も事務所に戻ることにします」

 

緑谷出久

「今日はありがとうございました」

 

サーナイトアイ

「いえ、私も得るものがありましたので」

 

会場から人が続々と退けていく中、緑谷が深々と頭を下げるとサーナイトアイと別れた。しかし、徐々に遠退くそんな背中をサーナイトアイは再び呼び止めた。

 

サーナイトアイ

「緑谷さん!」

 

緑谷出久

「はい?」

 

凄まじい剣幕で《ズカズカ》と近寄ってくるサーナイトアイに対して『緊張のあまり固まった緑谷』ーサーナイトアイは緑谷の手の中にあるシャープペンを指して言った。

 

サーナイトアイ

「それはシルバーエイジ限定グッズですね」

 

緑谷出久

「!!」

 

緑谷の手の中にあるペン、これは家でも普段使いしている『オールマイトグッズ』であり、しかも『かなりマニアック』な『年代』ものであった。

 

『この瞬間、緑谷と"サーナイトアイ"こと"佐々木未来"は

 オールマイト好きの同士として繋がった(電話番号交換)

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