【R18個性】も『クソナード』に掛かれば【強個性】 作:『代行さん』
緑谷引子
「い、い、い、出久」
緑谷出久
「どうしたの母さん!?」
秋が深まろうとする中ーそんな最中にそれはやって来た。机に向かう出久の部屋の扉が勢いよく開かれるや否や、倒れ込む様にして緑谷引子が三つの封筒を出久に差し出した。勢いよく開かれた扉に驚きつつー『黒の下地に金の縁取り封筒』『装飾が施された封筒』『白地のシンプルな封筒』が突き出されていた。
厚みからして内容物は様々なモノの共通して"手紙の様な物"が同封されていることがわかった。
緑谷出久
「景品か何か?」
緑谷引子
「3つとも出久宛てよ」
緑谷出久
「?」
出久は宛名を見るために封筒を受け取るとひっくり返した。引子に言われた通り出久宛ての封筒だった。勿論のこと、出久がその手の封筒を受け取るに至る応募や知り合いの思い当たる節がなく一瞬固まった。
緑谷出久
「同姓同名の可能性は」
緑谷引子
「住所に間違いはなかった」
緑谷出久
「そうだよね」
驚きのあまり"素っ頓狂"な考えに至るも引子によってツッコまれ冷静になった出久は母親に礼を言うと机に戻った。
『勉強がひと段落し』ー目を背けていた件の封筒に向き合う。"3つの封筒"に似通った中身、緑谷は『白地のシンプルな封筒』を手に取り、慎重に封を開けた。中に入っていたものは『首掛けIDカード』と『三つ折りにされている便箋』が入っていた。
その内のIDカードには見覚えがあった出久はそれを傍に置くと便箋に目を通した。
緑谷出久
「飯田君か、母さんが教えたのかな?」
『きっちりとした字で"時候の挨拶"から始まり書き連ねた文章の数々、アイ・エキスポでのことも言及されており、最後に飯田天哉と名前が書かれ"しめられていた"』ー彼の性格が出た文章のようだった
緑谷出久
「わざわざ、僕のために」
『アイ・アイランドのIDカード』ー入国券であり、身分証明書となるIDチップが入ったカード。それを首掛け紐で結えてあるモノ。手に入れるには様々な制約や条件が必要となる代物であり、挙げられる一般的に知られている条件として『ヒーロー』であることや、『出資者』であることが挙げられる。高価なもの以上に価値のある物。
出久は傍に置いていたIDカードを手に取ると愛おしそうに眺め、封筒と便箋と共に机に置いた。それと言うのも後"2通"同様なモノがあるとあって『察せる何かしらの予感が過った』のだった。
緑谷出久
「まさかね」
『過った予感』ーそれは期待を裏切らない物だった。言ってしまえば全てに『IDカード』が同封されており、それぞれ"三者三様"緑谷出久に対して『状態』として送りつけられた物だった。
そして、そのひとつが『無視のできない内容だった』
緑谷出久
「次はこれだけど」
緑谷出久が次に手にしたものは『黒の下地に金の縁取り封筒』だった。「まさかね」と思いつつ便箋を開くと『既視感』のある物が机の上に落ちた。『IDカード』だった。緑谷出久は固唾を飲み、目を泳がせながらも封筒の中に手を伸ばした。
『何も入っていなかった』
緑谷出久
「…」
『緑谷出久の不安』ー先に述べた通り、これは非常に価値のある『それ以上の』何かがあるものと言って差し支えない代物であり、それが何のメッセージもなく『2つ』も同封されていたとなると、個性を発動してもいないのに頭痛がしてきた為、緑谷出久は目頭を押さえた。
緑谷出久
「へぇ?」
『真偽』の程は定かではないーこれはあまりに荒唐無稽で理解の追いつかないことだった。飯田天哉は『手紙の内容』から察するに『前回楽しめなかった分も楽しもう』と言う趣旨のもと送ってきたことが明らかだった。安心した。しかし今回の2つは不鮮明ー『不気味なことこの上ない』
緑谷出久は素っ頓狂な顔と声を出しながら、その『3つ』を慎重に傍に寄せ頭を抱えた。もしかしたら送り間違えではなかろうかと『そう思った』がためだ。しかし、確認した通り宛名も住所も間違ってはいない。そんな嫌な予感を残しつつ
緑谷出久
「よ、よ〜し」
出久は気を取り直すと『装飾が施された封筒』を手に持った。これに関しては出久は諦めの境地に居た。それは『前回』届いたものと変わらない外見をしていた為、敢えて最後に取っておいたものであり、内容物の『一方』は予想がつくため『もう一方』が気になっていた。
三つ目ともなれば慣れたもので封筒を開けると『IDカード』が音を立てて机に落ちた。「知ってた」と言わんばかりに笑顔のまま便箋を取り出し固まった。
緑谷出久
「!?」
『個性増幅装置に関する』端的な内容が記述されており、その装置が未だ発見に至っていないため、話を聞きたいがために『IDカード』を送ったとのことだった。
緑谷出久
「まさか」
『封筒の内容物』ー3つ目には『IDカード』『便箋』そして『名刺』が入っていた。宛名を確認しようと出久が封筒を持ち上げた拍子にそれが偶然、宙を舞った為、無理な体勢でそれをキャッチーその内容に驚き椅子から転げ落ちた。
緑谷出久
「こ、こ、こ、これ!?」
『デヴィット・シールド』の名刺、これまた真偽の程は定かではないモノの、明らかに無視のできない物だった。