【R18個性】も『クソナード』に掛かれば【強個性】   作:『代行さん』

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ー『地雷原』

デヴィット・シールドはゆっくりと語り始めた。

 

『個性増幅装置』が個性因子の活性化と細胞の働きを促進させー従来のどの科学、発明よりも『頭二つ』飛び抜けた性能の発明だったことを容量良く説明した。

 

『裏を返せば』ーそれだけ開発には莫大な費用と時間が掛けられていたことは言うまでもなく、もしも奪われていたのなら『開発の再開は見込めないこと』『破壊されてしまうこと』を語った。

 

最後の方は嗚咽混じりに『半ば半狂乱となりながら』感情が涙となって流れ出る程に話した。最後、涙を拭ったデヴィットは酷なことを緑谷に言った。

 

デヴィット

「手紙に書くに当たって便宜上見つかっていないと言うことにしたが実のところ、盗まれたと言って良いだろう」

 

緑谷出久

「盗まれた?」

 

デヴィット

「単刀直入に聞くが緑谷出久君、君ではないかってね」

 

緑谷出久

「…ッ」

 

デヴィットの恨みがこもった視線が緑谷を刺した。新聞や雑誌、テレビで見る温和で温かみのある印象ではなく、仇を見る様な冷たく、暴力的な視線だった。緑谷はそんな気迫に片腕を少し片腕を握り込み、震える口でハッキリと言った。

 

緑谷出久

「決して僕ではありません」

 

デヴィット

「…そうか」

 

『デヴィットの物悲しい吐露』ー『目の前の安心感すら覚える少年』それは一途の希望だった。少年が出来心で盗んでいたのならどれほど良かったのだろうかと言うーそうして『魔が差した』

 

結果、数々の『研究データ、物、記録』を守ってくれた恩人にさえ、矛先が向いてしまったのだった。

 

デヴィットは堰を切ったように膝から体勢を崩した。緑谷とデヴィットは机を挟んで向かい合う様に座っていたのだが緑谷は机に身体をのせる様にして横倒しになるデヴィットの身体を支えた。接近した事でー"目の隈"を『ファンデーション』で隠していたのがこの時になって漸く分かった。相当な無理をしていたことが伺える。

 

緑谷出久

「そんなに大変な物だったのか」

 

『咄嗟の黒色化』ーデヴィットを安定した姿勢『ソファー』に寝かせると『鞄から栄養補助食品』『経口補水液』を取り出した。『黒色化のデメリットの回避方法』と言うより『回復方法』の準備をした。

 

先輩方との個性把握を行った時に見つけた最も手軽な方法がこの『補えば良いんだよね』だった。不思議なことに緑谷は吸収率が高くなっているのか、『食べるや飲む行為』が『短期間で』完了する。詰まるところ『食べれば即栄養になる』様な物だった。

 

それを利用して、個性発動後の不調『失調状態』を『補給』することで回避できる様にしたのだったー『軽い診断』ができる様になったのもこれのおかげである。

 

緑谷出久

「えっと、どうすれば」

 

黒色化が解けた後、補給を済ませた緑谷は慌てた。そんな中、研究室の方で『自動扉』が開く音がした。緑谷は『サム』が戻ってきたと思い、デヴィットのいる部屋から顔だけを覗かせる形を見せた。

 

緑谷出久

「サムさん!良いとこ、ろに」

 

金髪の女性

「え?あなた」

 

金髪の癖があるロングヘアーに青緑色の瞳の端正な顔立ちの女性がそこに居た。緑谷は少しの間驚きはしたもののデヴィットのこともあり"しどろもどろ"に話し始めた。

 

緑谷出久

「え、あ、いや、特に怪しい物ってわけじゃ」

 

金髪の女性

「え、えぇ首に掛けてるそれは身分証でもあるし」

 

緑谷出久

「あ、そっか」

 

金髪の女性

「ふふ」

 

『緑谷が慌てふためき当たり前のことを口にした』ーその様子から女性は緑谷が『危険な人物』ではないことを察した。それと言うのも『雰囲気』以前に『IDカード』や背格好を『どこかで』一度見たことがある為だった。

 

 

 

メリッサ・シールドがその後、サムを呼び出してくれたことで、事なきを得た。『緑谷の診断』通りー軽い栄養失調と睡眠不足などが祟って今回のことになったのだとか

 

そう話すメリッサもまた、あまり体調が良くないことは泣き腫らしていたであろう目の充血、髪がやや荒れていることから窺い知れた。デヴィット同様、長期的に元気がある、あった様には見えなかった。

 

メリッサ

「お父さん、研究がなくなってから塞ぎ込んじゃって」

 

緑谷出久

「そうなんですね」

 

メリッサ

「でも良かった。お父さんまでいなくなったら、私」

 

『メリッサの限界』ーデヴィット同様、緑谷と会話する内に涙が溢れ出し、話す言葉に嗚咽が混じり始め、最後には泣き崩れた。話を聞くに幼い頃に母親を失い、男でひとつで育ててくれたことー今回の研究には『過去見ないほど』心血を注いでいた程だった。

 

 

 

メリッサ

「ありがとう緑谷君」

 

緑谷出久

「いえ」

 

『小さな休憩スペース』ー自販機と椅子のある簡易スペースに緑谷とメリッサは腰を掛けていた。啜り泣きが尾を引く中、沈黙を持って寄り添う緑谷は何処か思うことがあり、メリッサに話しかけようとした時

 

緑谷出久

「あの、ご…」

 

メリッサ

「それにしても緑谷君って何か安心する、個性?」

 

緑谷出久

「え?あ、いえ、一応超再生なんです」

 

『メリッサの気遣い』ーアイ・エキスポに来たであろう緑谷にこれ以上家のことを聞かせても仕方がないと話題を強引に切り替えた。

 

メリッサ

「そうなんだ、良いな私、無個性だから」

 

緑谷出久

「無個性…なんですね」

 

メリッサ

「落ち込まないで、私は気にしてないから」

 

『緑谷の落ち込み』ー話題作りとして良さそうなものだったが地雷に着地する程の間が悪い内容に今度は緑谷が落ち込む様子を見せたのだった。

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