【R18個性】も『クソナード』に掛かれば【強個性】   作:『代行さん』

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ー『怪現象』

緑谷出久

「ここは?」

 

白い天井と白いカーテン、緑谷出久は病院で目を覚ました。

 

◆◇◆◇◆

 

アナウンサー

「おはようございます。こちらは朝のニュースです」

 

緑谷出久は軽い検査の後、大事をとって昼まで病院にいる様に言われていた。何ともなしにテレビをつけるとニュースをやっていたので注意をそちらに向けていた。

 

アナウンサー

「今朝、8時頃、人通りの多い場所で発生した個性による『無差別催眠』についてお伝えします。警察の調べによりますと周辺への被害はなく数名の方が軽傷を負ったとのことです。現在、警察は犯人の行方を追っています」

 

緑谷出久は頭を押さえながらニュースに齧り付いた。

 

アナウンサー

「聞き込み調査によりますと、犯人は身長2メートル前後の非常に大柄な男性で、上半身は裸、ズボンのみを身に着けていたとのことです。周囲の安全を考慮し、警察やヒーローは付近の住民に注意を呼びかけております」

 

レポーター

「発生した場所は人々が多く集まる地域であり、多くの方が驚きと恐怖を感じています。警察は引き続き、状況を把握しー犯人の特定、逮捕に全力で取り組んでいるとのことです」

 

緑谷出久

「精神作用系の個性?嘘だろ」

 

緑谷出久は驚きを隠せずにテレビの前でへたり込んだ。

 

◆◇◆◇◆

 

緑谷出久

「本当に何ともない」

 

記憶を頼りに"佇む者"が居た付近に足を運び周辺にー被害の跡が"これっぽっち"も感じられず呆然としていた。本当に"幻覚"だったのかと緑谷出久は両手を見つめた。手や身体に受けた感覚は何もかも幻だったのかと。

 

目の玉

「…」

 

緑谷出久

「あ、おはよう」

 

手のひらに現れた目の玉が緑谷出久を見つめた後、周囲を見回しー不思議なことが起きた。普段であれば見回した後消える筈の目の玉は、視線を時計回りに小刻みに動き始めた。

 

緑谷出久

「どうしたんだ」

 

痙攣に似たその行動に緑谷出久が"右往左往"するのを他所に目の玉の視線は一周すると何事もなかった様に消えていた。

 

緑谷出久

「何だったんだ」

 

手を握り込んだり、開いたりを繰り返した。

 

 

 

緑谷出久

「ただいま」

 

緑谷出久の母

「あらお帰り出久、随分走ったのね」

 

緑谷出久

「え〜、あ、うん。ちょっと調子が良くてね」

 

帰宅した後、緑谷出久は母親に対して嘘をついた。これと言った被害はなく心配を掛けたくない一心で嘘をついた。

 

 

 

ニュースの流れるテレビの前、緑谷出久は後ろめたさから少し俯き考えていた。

 

緑谷出久の母

「個性犯罪だってね。物騒よね」

 

緑谷出久

「え?あぁ、うん」

 

テレビでは"あの事件"が取り上げられており、母親が心配そうに呟いた。緑谷出久は自分に背を向けキッチンに向かう母親を見送り、自室に向った。緑谷出久は昨日から放置していた『用紙』に『雄英高校』を書き込んだ。

 

緑谷出久

「ダメで元々だ」

 

『今、自分の身に起こっている状況を確認する』手のひらに現れた目の玉を見つめ返す緑谷出久には決意が見て取れた。

 

緑谷出久

「って言っても具体性はゼロなんだけどね」

 

目の玉

「…」

 

緑谷出久は目の玉に向けて呆れ混じりに笑った。目の玉は"二度"瞬きをした。

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