ヒャッハー!新作だぜー!
ビーバップ八戒様の
『加賀道夫さんじゅうななさい』
三星織苑様の
『異世界迷宮へ行ったなら』
上記二つの作品を読んで妄想が止まらなくなったので初投稿です。
1話2000~4000文字予定。ある程度の構想はありますが、今回もノリと勢いで書きます。
成功者
生まれた時から俺は勝ち組だった。金に困った事は無い。勉強に苦労した覚えも無い。望めば何でも与えられ、対価に結果を望まれれば望む通りの物を出してきた。
両親の仲も良好。親戚の人達は良い人ばかり。友達も多いし、恋人どころか婚約者も居る。
──だから、だろうか。
俺は人生に飽きていた。高校の時に裸一貫で始めた会社は今や大企業の仲間入り。二足のわらじを履いて行った大学での研究は新たなエネルギー源として世界に受け入れられ、多くの国の生活を変えた。
卒業後は気紛れで中小企業に就職。社会人として過ごして五年経った。それだけの時間があれば、大きく変えるには十分。来月に発表する商品の売れ行き次第で、この会社も大企業の仲間入りだろう。
「前世は聖人か救世主だったのかね?」
努力を怠った事は一度も無い。だが
しかし、このまま一度も失敗もせずに天寿を全うしたら?成功の裏に必ず存在する、夥しい量の敗北者達はどれくらい増える?
一度でもそう考えてしまうと全てが嫌になった。元々人生に飽きていたという事もある。
だから──
──異世界迷宮で奴隷ハーレムを
小説家になろうで連載されていた異世界ハーレム物の物語で、書籍版では奴隷の二文字が削除されて構成が少し変わり、幾つかの加筆があった作品だ。
その物語の冒頭、主人公である『
俺がクリックした物と同じだ。
その先に書かれていた内容を簡単に纏めると、この世界で生きづらいなら異世界で生きれば良いじゃない、といった内容となっている。俺がクリックした先でも大体同じだ。
これが誰かの作り出した物ならば、俺も諦めてこの世界で必死に生きよう。だが万が一、億が一でも異世界転移出来るのならば──この世界に未練は無い。
小説の中の主人公と同じ、文化の数と国の数は多め、国家間は友好的な世界を選択。ダンジョン型かフィールド型の質問に対して両方を選び、使用する言語はブラヒム語のみを選ぶ。
その後も幾つかの項目があり、その内の一つを『原作』と変えておく。
俺は『
彼女達は彼が努力して手に入れた
そんな事を考えていると、序盤の盛り上がりポイントである『
もちろん狙うは限界数値の99だ。
最初の数字は1だった。もちろんやり直しを選択。
二回目は2、三回目は4、四回目は16。こんな時でも俺の努力は裏切られないらしい。
五回目は32、六回目は64。そして──七回目。
99
「ここまで来ると逆に感心するしか無いな」
いや、前向きに考えよう。世界は俺を疎んでいて、とっとと出て行って欲しいと望んでいる。そう考えるべきだ。
『ボーナスポイントの設定』の次は、原作通り『キャラクター設定』だった。
最優先でアクティベートするべきは『キャラクター再設定』一択。これさえやっておけば問題無い。
とはいえここでポイントを使わない理由も特に無いのでマウスを動かし、次々アクティベートしていく。
『キャラクター再設定』『鑑定』『ジョブ設定』『詠唱省略』の四つで6。四つで6になっている理由は『詠唱省略』の前に『詠唱短縮』というスキルがあり、それをアクティベートするのに1、『詠唱省略』を取る為に2使うからだ。
これで残るBPは93。続いて取るのは──もちろん原作最強武器の『デュランダル』一択。
必要なBPは貫禄の63。内訳は1→2→4→8→16→32の合計だ。これで残るBPは30まで減るが、デュランダルにはその価値がある。
続いて取るのは原作でも多用されていた『ワープ』だ。正直この魔法がBP1で取れるのは間違ってると思う。いや、BP使って取れる魔法全部に言える事なんだが。
とにかくこれで残るBPは29。ここから先はどうするべきか。
初陣で盗賊の一団相手に無双しないと取得不可能な『英雄』のジョブは、転移後の世界が
複数のジョブを設定可能になる『セカンドジョブ』系列は序盤だと余り意味が無い。経験値や売買関係も同じだ。
となると──やはり装備関連が正解か。
BPを使って取得可能な装備は武器、盾、頭、胴、腕、足、アクセサリーの七つ。この内、武器を除外すると六つとなる。
残るBP29の内4ずつ使えば三段階まで取れる計算か。原作ではアクセサリーの二段階目で『決意の指輪』が出ていたので、それ以上があるのは心強い。
これで残るBPは4。ステータスを上げても良いし、ジョブ系統を取っても良い。……ここはジョブ系統だな。
「これで準備完了。後は現実を去る準備だ」
警告文に対して『はい』を一度選択し、最終警告の画面で止める。
まずは会社に退職届を出しに行かないとな。俺の稼いだ資産の半分は両親に渡し、残りを婚約者に渡せば良いだろう。
彼女は誰かの嫁に収まる人間では無いしな。俺以上に優秀な彼女は資金さえあれば、人類の歴史を幾つか進める筈だ。
その礎になるならば、俺がこの世界で生きた意味もあるだろう。──たぶん、きっと。
2025/2/26日に出る漫画版11巻の発売日の為に新年からコツコツ書き留めしてた(笑)