──春の季節 五十九日目 ー 七十日目
五十八日目に獲得したモンスターカードはイザベラの石化添加とメローの攻撃力二倍に変わった。
金砕棒はこれで四スロ埋めた事になる。次にスキル合成するのはオリハルコン製の武器を手に入れてからになるだろう。
ちなみに四スロ目の合成という事に気付かず、ハイテンションのままスキル合成を行ったメローは翌日に自分の行いに気付いて気絶しそうになっていた。皆で笑ったのは言うまでも無い。
五十九日目は話のネタになるような事は何も無かった。普通に金貨二枚稼いで終了。夏休みの日記だったら特に何も無かったと書かれるだけの一日だった。
六十日目はいつも通りオークションに参加。そのついでにイザベラを服屋に預け、ランジェリーの予約や侍女服、日常で使う衣類を色々購入。
新品の服は初めてだったらしく、その日の夜の
ちなみにオークションで落札出来たカードは、牛人、蝶、コボルトの三枚。もちろんコボルトは即座に使い、グロリアのダマスカスメイルを頑強のダマスカスメイルに進化させた。
うーん、これは強い。五十層以降も安心だ。
翌日から再びレベル上げを再開。
六十一日目から六十五日目は特に語る事も無く、面白味の無い日々だった。朝起きて飯食って探索して、昼飯食って探索して寝る毎日というか。
強いて言うならアリのカードが二枚落ちたぐらいだ。コボルト無いから使えんが。
あ、そういえば六十三日目にイザベラの下着が宅配されてきたな。イザベラがいたく感動していたのは記憶に新しい。
戦闘中に胸が揺れて困るのは分かるが、男として一つだけ言っておく。揺れる胸は良いものだ。
記憶に残るぐらいインパクトがあったのは、六十五日目だった。いつもの様に帝都のオークションに参加したのだが、なんとこの日はカト侯爵という強大なライバルが居たのだ。
嫌な予感をヒシヒシ感じてるうちにオークションが開始。出品されたのはオリーブ、蜘蛛、コボルトの三枚。
その中で俺が落札出来たカードはゼロだった。
全部六千まで張ったが、カト侯爵が金貨をチラ見せしてきたので諦めた。
最初はブラフかと思ったが、あれはどちらに転んでも良いという貴族スタイルだったな。競り合って次回の値段を上げるのも馬鹿らしいし、大人しく諦めるしか俺に選択肢は無かった。ちくしょう。
グロリア達と共に消沈気味に迎えた六十六日目は、ある意味ではずっと待ち望んでいた物に手が届いた。
冒険者Lv1
効果 体力中上昇 精神小上昇 器用微上昇
スキル アイテムボックス操作 パーティー編成 フィールドウォーク
漸く探索者が50になり、冒険者のジョブが手に入ったのだ。これでインテリジェンスカードのチェックも怖くない!別に怖がった記憶も無いが。
その翌日、六十七日目。ついに魔法使いが50に到達した。ずっと待ち望んでいた魔道士の能力はこれだ。
魔道士Lv1
効果 知力中上昇 MP小上昇
精神微上昇 体力微上昇
スキル 中級火魔法 中級水魔法 中級風魔法 中級土魔法 下級氷魔法 下級雷魔法
うーん、いつ見ても謎の体力上昇に笑う。WEB版で初めて見た時はコピペミスかと思っていたのは秘密だ。結局、更新が止まるまで修正されなかったが。
六十八、九日目は特に無し。戦ってる階層が階層なので、冒険者と魔道士のレベルがサクサク上がったぐらいだ。
レッジ達の時にも感じていたが、三十までは結構アッサリ上がる。それこそ経験値二十倍を付けなくても三、四年で行けると思う。
ただ、そこから先は急激に鈍化する。一番奴隷のグロリアですら四十五で止まってるぐらいだし、俺も必要経験値二十分の一が無ければ十日では足りなかった。
迷宮討伐を何度も果たしているっぽいゴスラーですらLv61なのだ。忙しくて鍛練の時間を取れていないならまだ良いが、
ちなみにゴスラー配下の僧侶のレベルは90だったりする。数値だけ見れば凄いが、ドープ薬がある事を考えると素直に数字を受け取れないのが悩ましい。
鍛練最終日の七十日目は少しだけ長く迷宮に潜った。そのお陰で薬草採取士と神官のレベルが50になり、無事に中級職を獲得。
後はハートハーブの上位種をぶちのめして威霊仙を奪えばいい。そうすれば、グロリアの目と身体の傷は治せる。
「……やっと、ここまで来れたな」
日記代わりに使っている手帳を机に仕舞う。
明日からレーヌの第四迷宮に潜り、本気で迷宮討伐を目指す。その為の準備は整った。整えた。
「迷宮討伐は通過点に過ぎない。だから──」
俺の目的の為に消えてくれ。
◇