勝ち組男の異世界迷宮で奴隷ハーレム   作:Lilyala

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最上位や上位の魔物を独自設定で書けない一番の理由は、

・スカラップエキス

↑これなんですよね。

効果:火属性魔法のダメージ軽減。

魔法のアイテムなんすよ……。

下手に設定すると魔法使いが簡単には取れちゃうという。


迷宮討伐Ⅱ

 

 

 覚悟はしていたが、午前の探索だけではボス部屋まで辿り着く事は出来なかった。それどころか、たぶん一日では無理だ。

 

 敵が強い訳では無い。いや、今までと比べたら全然強いが、それ以上に一層が広すぎる。

 

 ぶっちゃけ戦闘するより歩いている時間の方が長い。別に敵を避けている訳でも無いのにな。

 

 

「って訳で、討伐まで一月かかるかも知れん」

 

 

 昼飯の支度をグロリア達に頼み、やって来たのはレーヌの冒険者ギルド。

 

 閑古鳥の鳴くギルドの受付に陣取り、ギルドマスターに換金を頼みつつ現状を報告する。

 

 

「こっちとしては討伐してくれるだけでも有難いから文句無いけど……そんな急いで大丈夫なのかい?」

 

「急いでるつもりは無いぞ?攻略自体は何時ものペースと何ら変わってないし」

 

 

 今まではすぐにボス部屋が見つかった場合を除き、一日で六割ぐらい探索出来ていた。それが四割に減り、確実に辿り着くまでの時間が二日から三日になっただけだ。

 

 正直、五十層近辺だと四日を覚悟しなきゃ駄目な気がする。魔物部屋の危険が無くなった代わりに広くなりすぎなんだよな、迷宮。

 

 

「普通はもっと探索に時間が掛かるもんなんだけどね。長年、冒険者を見てきたけどアンタぐらいの速度で潜れる奴は一握りだよ」

 

「そりゃ光栄だ。……とはいえ真面目な話、俺ら以外に探索出来る奴が居ると楽なんだけどな。現状だとしらみ潰しになるから、どうしても時間が掛かっちまうし」

 

「残念だけど、この町に三十六層を探索出来る奴は居ないよ」

 

「だよなぁ」

 

 

 居たら部外者の俺に討伐を頼みはしないだろう。この町に根を張る訳でも無い風来坊みたいなもんだし。

 

 

「アンタが討伐した後なら攻略狙いの冒険者を呼び寄せられるかも知れないけどね。流石に漁夫の利を持っていかれるのは嫌だろ?」

 

「いや?騎士団だろうが冒険者だろうが呼び寄せられるなら呼び寄せて欲しいぞ?イザベラの対価として攻略を引き受けたが、俺自身はこの町の迷宮に拘ってないし」

 

「……変わってるね、アンタ」

 

 

 地球にいる多くの人間が空想した迷宮ならともかく、この世界の迷宮は場所による違いがほぼ存在しない。

 

 経験値稼ぎをするにしろ、カードを狙いに行くにしろ。

 

 理想的な並びの方が都合が良く、わざわざ苦労したい質でも無いので、弱点がバラバラな迷宮は旨味が少ないのだ。

 

 豪運が無ければ回数こそ正義。天井は未実装だけどな。

 

 

「さて、換金も終わった事だし一度帰るわ」

 

「あいよ。アタシも一旦ギルド閉めて食堂に行くから、何か用事があるならそっちに来な」

 

「了解」

 

 

 長方形の薄い木製の皿に乗せられた金貨をボックスに投げ込み、壁を借りて帰宅。せっかくだし、手の込んだデザートでも作るかね?

 

 

 

 

 昼飯は豚肉と野菜炒めinパスタだった。魚醤のせいで焼きそばに近い印象を受けるが、何と言うかコレジャナイ感も凄い。

 

 なんだろうな、これ。海外の人が日本の動画を見て無理矢理作った焼きそばと言うか。

 

 不味くは無いんだが、何かが違う。そんな印象を受ける昼飯だった。

 

 

「さて、そろそろ良いか。グロリア。ちょっと手伝ってくれ」

 

「かしこまりました。……ところで何をするのですか?」

 

「魔道士だけが作る事を許された至高のデザートを作る」

 

「至高のデザート……!?」

 

 

 椅子を倒しながら立ち上がったサギニを手で制する。

 

 

「サギニ、落ち着け」

 

「す、すいません……」

 

 

 よほど恥ずかしかったのか、頬を真っ赤に染めたサギニが顔を伏せる。その姿を驚愕した表情で二度見するイザベラの動きが新鮮だ。

 

 俺達にとってはこの姿こそサギニなんだが。

 

 

「んじゃサギニが涎を垂らす前に行ってくる。行くぞ、グロリア」

 

「はい」

 

 

 グロリアを連れて温泉に向かい、アイスウォールを発動。それを出したばかりの綺麗なデュランダルでキューブ状にカット。最後に乱雑に砕いて大きめのボウルに入れていく。

 

 

「不要な氷はおがくずを敷き詰めた木箱に流し込んで──これでよし。グロリア。これを実験室に頼む。ついでに足の早い野菜を入れておいてくれ」

 

「かしこまりました」

 

 

 今は野菜を入れるぐらいしか使い道が無いのが残念だ。落ち着いたら冷蔵庫を作らねば。

 

 グロリアと別れ、氷の入ったボウルを持って居間に戻る。そして材料を用意した段階で、ふと思い付いた。

 

 

「イザベラ。指示を出すから調理は任せた」

 

「えっ!?わっちがですか!?」

 

「まぁ、子供でも出来るから大丈夫だ」

 

「は、はい……」

 

 

 恐る恐るやって来たイザベラに小さいボウルを渡す。俺の予想が正しければ、これは調理では無く()()()()扱いになる筈だ。

 

 その予想が正しいかどうかを確認する為にも、イザベラには頑張って貰わねば。

 

 

「まず卵黄、コボルトスクロースをボウルにぶちこみ、砂糖のざらつきが無くなるまでかき混ぜてくれ」

 

「はい」

 

 

 二人前なら卵黄は卵一個分、グラニュー糖は30gだ。俺達は五人なので二.五倍にすれば良い。

 

 コボルトスクロースがグラニュー糖かどうかは知らん。原作で作れてるからいけると思うが。

 

 

「白っぽくなったら次の工程に移るぞ。まぁ、酪を少しづつ注ぎながら混ぜるだけだが」

 

 

 地球で作るなら牛乳を大さじ三杯、生クリームを100mlだ。

 

 

「次に大きめなボウルに氷をぶちこみ、塩を加える」

 

 

 目安は氷3に対して塩1。氷に塩をかける事によって起こる溶解熱と凝固点降下を利用し、冷凍庫を使わずにアイスクリームを作ろうという訳だ。

 

 

「後は小さいボウルを大きなボウルの上に乗せてかき混ぜるだけだ」

 

「何か注意点はありますん?」

 

「最初は泡立て器で底から返すようにゆっくり混ぜる。重くなってきたら木ベラに持ち替え、ボウルに張り付いたアイスを剥がす様に混ぜていく。これぐらいだな」

 

 

 それから五分ほどで見事なバニラアイスが完成。ついでにもう一つ。

 

 

イザベラ所持職業

 

村人Lv5 探索者Lv22 薬草採取士Lv1

農夫Lv1 戦士Lv30 商人Lv1 剣士Lv1

暗殺者Lv40 騎士Lv27 錬金術師Lv1

森林保護官Lv1

 

 やっぱりアイス作りは科学実験扱いだったらしく、イザベラのジョブ欄に錬金術師が増えていた。

 

 こういう不思議を突き詰めるのが科学者だし、何も間違っちゃいないんだが……なんかもにょる。

 

 

「あの、ご主人様……」

 

「おっと、悪い。すぐ配る」

 

 

 我慢限界です!と目の輝きで訴えるサギニに苦笑いを返し、大きめなスプーンで小皿に取り分けていく。

 

 野菜の運搬を終えたグロリアが席に着いたら──いざ、実食。

 

 

「口に入れた瞬間に程よく溶けて、砂糖と卵黄と酪の甘さが幸せとなって襲ってきます……!これは危険です!幾らでも食べられちゃいます……!」

 

 

 帰ってこい、グロリア。午後も探索するんだから。

 

 

「……くっ。これは認めねばなりませんね。貴族ですら食べたことの無い全く新しいデザートだと……!」

 

 

 いや、残念だがメロー。たぶん皇帝や上位貴族は食べたことあると思うぞ。氷室があれば作れるし。

 

 

「…………!…………♪♪」

 

 

 うん、サギニはこうじゃなきゃな。ただ、その蕩けた顔は午後の探索までに引き締めておけよ?

 

 

「ま、前の主との幸せな記憶が上書きされてまうっ……!」

 

 

 イザベラ。俺に寝取り趣味は無いからちゃんと覚えておけ。

 

 一応、前の主のフォローをしておくと、ここまでの贅沢を探索者に求めるのは酷だ。冬場の冷気か魔道士の力が必要なデザートだしな。

 

 そんな事をぼんやり考えつつ、四人の蕩けた顔を眺めながら自分のアイスにブランデーを垂らし、軽く掬って口に運ぶ。

 

……うん、美味い。アイスの味は地球より美味いかも知れん。

 

 

 

 

 

 

 

 

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