勝ち組男の異世界迷宮で奴隷ハーレム   作:Lilyala

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ゆっくり書くと文が伸びるなぁ。

時間がある時にでもゆっくりどうぞ。


装備更新

 

 

「って訳で、色々貰ってきたぞ」

 

 

 机の上に今回得た戦利品を置いていく。どれもこれも五スロの最高傑作であり、これにスキルを合成すれば俺達の戦力も飛躍的に上がる……筈。

 

 つまり、コボルトだ。迷宮討伐してもコボルトなのだ。千枚ぐらい欲しい。

 

 

「オリハルコンの剣が一本、聖剣が一本、聖槍が一本、それと綺麗な腕輪が二つですか。どれもこれもパラー以外では見ることすら困難な品ばかりですね」

 

 

 しげしげと装備を眺めながら感想を述べたのは、顔の傷が消えた結果、実は可愛らしい顔付きだった事が判明したグロリアだ。

 

 ただ竜人族の背の高さが凛々しさを強調するらしく、遠くから見ると背の高い美人、近くで見ると可愛い顔の女性といった印象を与えるので、治ったばかりの頃はメロー達すら困惑していたのは俺達だけの秘密だ。

 

 傷がある時の印象は女軍人です!と主張している美人だったからメロー達の気持ちも分からなくはないが。

 

 

「流石はパラー公爵からの報酬ですね。並大抵の貴族ではここまでの品を簡単には出せないでしょう」

 

「俺もそう思う」

 

 

 装備の価値としては白金貨五枚は堅い。オークションならそれ以上だろう。

 

 そんな報酬を気軽に出せるのだから、ドワーフの聖地に君臨するパラー公爵の恐ろしさが良く分かる。

 

 

「それで、この装備は誰が使うん?」

 

「聖剣と腕輪は俺、槍はイザベラ(お前)、オリハルコンの剣はグロリアに回すつもりなんだが……」

 

「なんだが?」

 

「コボルトが足りん」

 

 

 俺も今日まで呑気に過ごしていた訳じゃない。集まった冒険者達から色んなカードを売って貰ったし、コボルトのカードはかなりの量を割高で買い取って集めてきた。

 

 ただ、それでも不足するのがコボルトのカードだ。

 

 ある程度は形になるが、メローの金砕棒みたく全てを埋める事は不可能だろう。

 

 

「私達、いつもコボルトのカードに頭を悩ませてますね。いえ、効果を考えれば当然なのですが」

 

「まぁ、昔より集めるのは楽になったし、気長にやるさ」

 

 

 第四ランクの体感ドロップ率は三パーセント。そのボスなら五パーセントぐらいはあると思う。

 

 これより上はハイコボルトになってしまうので、しばらくは経験値稼ぎも兼ねて四十五層を狩り場にするつもりだ。

 

 イザベラの()()()もあと少しで終わるしな。

 

 

「そういえば防具の方も作り直すと仰っていましたが、何か問題でも起きたのですか?もしかして私が原因ですか?」

 

 

 不安そうに尋ねてきたメローに首を振る。

 

 

「いや、そっちは俺のミスだ。スキルの入れ方をもう少し考えるべきだった」

 

「スキルの入れ方……?」

 

 

 首を傾げるグロリア達の為に紙を取り出し、現在の構想を書き込んでいく。

 

 

武器 詠唱中断 防御貫通 HP吸収 or MP吸収  クリティカル率二倍 

 

頭 身代わり

 

胴 物理ダメージ削減 魔法ダメージ削減 毒耐性 石化耐性

 

手 火耐性 水耐性 風耐性 土耐性

 

足 移動力増強 回避二倍 麻痺耐性 睡眠耐性

 

アクセサリー 攻撃力二倍 or 知力二倍 消費MP軽減(後衛のみ) ダメージ逓増 体力二倍

 

 

「こんな風に変える予定だ」

 

 

 ぶっちゃけた話、原作の描写に引っ張られ過ぎた。

 

 俺達はミサンガに拘る必要が全く無かった筈なのに、無駄に原作知識に拘った結果、改めて装備を作り直す必要が生まれてしまった。

 

 それに気付いたのがグロリアの装備を壊された後なのだから、自分の発想の貧弱さには呆れてしまう。

 

 

「えっと、御主人様。知ってると思いますが、身代わりのスキルは装備者への大ダメージを肩代わりするスキルです。なのでスキルが発動した場合、高価な頭装備が壊れてしまいますよ?それでもよろしいのですか?」

 

「俺もそう思っていたからお前らのアクセサリー枠を空けてたんだが……予想以上に竜革のカチューシャが簡単に作れたからなぁ……」

 

 

 竜革のカチューシャのレシピは竜革二枚だけだったりする*1。五十六層から六十層に湧くランドドラゴンなら乱獲出来るし、レアドロップだから運に左右されるとはいえ俺達が素材に困る事は無いだろう。

 

 これにダマスカス鋼を足せば額金も作れるし、メローが作れる事はすでに実験済み。つまり、幾らでも量産出来るのだ。

 

 それこそ、ミサンガの代わりに砕けても問題無いぐらいには。

 

 

「……なるほど。御主人様は防具枠よりアクセサリー枠に魅力を感じたのですね」

 

「レーヌの第一でグロリアの愛剣を壊されて苦労したってのもあるが、攻撃力二倍をアクセサリー枠に入れておけば装備を切り替えても問題無くなるからな。ダメージ逓増の効果も拾えるし、ボス戦が楽になる事を考えると、こっちの構成の方が俺達には合ってると思うんだ」

 

「言われてみれば確かにそうですね。装備を破壊するボスを相手にする時は量産しやすい鋼鉄の剣になるでしょうし、アクセサリー枠で攻撃力二倍を確保出来るなら私も活躍できると思います」

 

 

 どうやら迷宮踏破は知らぬ間にグロリアの自信に繋がっていたらしい。

 

 昔ならここまでハッキリ自分の意見は言えなかったし、その台詞を聞けただけでも迷宮討伐にさっさと挑んだ甲斐があったというものだ。

 

 

「ま、全てはレッジ達とのトレードが済んでから──っと、グロリア。頼む」

 

「かしこまりました」

 

 

 タイミング良くドアベルが鳴ったので玄関にグロリアを向かわせる。そして、連れて戻ってくる間に改めてメローのジョブを確認。

 

メロー ♀ 20歳 隻眼 奴隷

所有者 赤城光

 

 うん、ジョブは問題無いな。ちなみに気になる隻眼の能力はこんな感じだった。

 

隻眼Lv40

効果 腕力大上昇 体力中上昇 器用中上昇

スキル アイテムボックス操作(30) 武具製造 ハイモンスターカード融合 鍛冶師の勘

*2

 

 効果は全て一段階上昇、武器と防具に分かれていたスキルは武具製造に統合され、モンスターカード融合にはハイの文字が付いた。

 

 鍛冶師の勘は製造時にスロットがあるかどうかを()()()として教えてくれるスキルだ。

 

 軽く実験してみた結果、レベルかける一パーセントの発動率という事が判明しているので、今のメローならスロット付きが作れた時に四割は判別がつく感じだ。

 

 ただ鍛冶師の勘が発動しなくても普通にスロット付きは作れる事も確認したので、市場に最高傑作が完全に流れないという訳では無いらしい。実験結果が正しいならメローの爺さんでも六割しか分からんしな。

 

 

「おっす。今日も世話になるぜ」

 

「お邪魔しますね」

 

「いらっしゃい。ちょっと待ってくれ。すぐに椅子を用意させる」

 

 

 サギニに視線で指示を出すと、無言のまま部屋の隅に積んでおいた椅子をこちらへ持ってきた。その椅子に座る様に促し、俺はいつも通りメローの隣に移動する。

 

 

「前回の時にミツル達の休日を聞いておいて正解だったな。お陰ですんなり会えたぜ」

 

「前回はすれ違いまくったからなぁ」

 

 

 共同作戦が終わり、お互い忙しい身となった関係で、少し前のようにいつでも会えるという事が無くなった。

 

 現代ならスマホで気軽に連絡を取り合えるが、ここは異世界。冒険者が手紙を運ぶか、ギルドに言伝を任せるぐらいしか連絡方法が無いのだ。

 

 まぁ、短い話し合いの末、お互いの休日を合わせる形で決着がついたんだが。

 

 レッジ達が俺達の休日に合わせる形になったのは鍛冶師を抱えているのが俺というのも理由の一つだが、単純にレッジの領地だと人の目があるからだ。

 

 流石に手広くやるつもりは無いからな。その意を酌んで貰った結果、町外れの我が家で行うようになった、という訳だ。

 

 

「さて、まずはお互いの()()の交換と行こうか」

 

「おう!ちゃんと取ってきたぜ?」

 

 

 お互いにボックスからカードを取り出し、机の上に置く。俺が一枚、レッジが二枚。レートが違うのは今回のスキル合成の依頼料も込みだから。

 

 

「……確かに。それじゃ、このまま合成するか?」

 

「おう!……今回は()()なんだが、何枚行けそうだ?」

 

「ふむ……」

 

 

聖杖 杖

スキル 空き 空き 空き 空き

 

 

「四つ……だと思う」

 

「……?いつもと違って随分曖昧だな?」

 

()()()()()がどれくらい埋めるか分かんないんだよ」

 

「……なるほど。確かにミツルの心配も尤もだ」

 

 

 今までとは違うからな。デュランダルのスキルを見る限りは大丈夫だと思うが……念のためってヤツだ。

 

 

「どうする?」

 

「もちろんやるさ。ビビってても仕方ないしな」

 

「あいよ。──メロー。頼んだ」

 

 

 コクリと頷いたメローが何時もとは違う呪文を詠唱する。そして最後のスキル名を口にした瞬間、スキル合成とは比べ物にならない光が部屋を覆った。

 

 

「す、スゲェ光だな……」

 

「目が痛ぇ……」

 

 

 軽く目頭を押さえ、閃光の残滓をリセット。再び目を開いた時には──先程までよりオーラを感じる聖杖が鎮座していた。

 

 

かみくらの聖杖 杖

スキル 知力五倍 空き 空き 空き

 

 

「どうだ……?」

 

「完成してるよ。かみくらの聖杖*3の完成だ」

 

 

「ッシャァ!!」

 

 

 立ち上がってガッツポーズを決めるレッジの声に驚き、サギニの尻尾の毛がぼわっ!と逆立つ。

 

 それをグロリアが手櫛で梳かす姿を尻目に、レッジに()をどうするか尋ねた。

 

 

「で、どうする?あと三つ入れられるぞ?」

 

「ミツルを信じてない訳じゃない。……訳じゃないが、流石に怖いから二つにしておく」

 

「チキンめ」

 

「うっせ!大体ミツルがオカシイんだよ!!普通は一個付けるだけでもギャンブルなんだぞ!?」

 

「しゃーないだろ?俺らにはお前らほどの才能が無いんだから。装備で補わなきゃとてもじゃないが高層は潜れん。弱体化した状況でも死にかけたしな」

 

 

 溜め息を吐き出しながら当時の苦い記憶を思い出していると、真剣な表情に戻ったレッジが恐る恐る尋ねてくる。

 

 

「……やっぱ、ヤギの最上位はヤバかったか?」

 

「弱体化してなかったら間違いなく死んでたぜ。中級属性魔法が詠唱短縮されて飛んでくる上に、強権に耐性があるのか時々無視して発動しやがる」

 

「うっへ。耐性装備は必須か」

 

「間違いなくな」

 

 

 迷宮の弱体化を利用してヤギとコボルトの最上位を狙う事はレッジと最初から企んでいたし、ある程度の苦戦は織り込み済みだった。

 

 腐っても敵は最上位種なのだ。レベルダウンしたとて強敵な事に変わりなく、それでもエリクシールを狙える今の俺達ならば大怪我程度で手に入るなら()()

 

 そう判断したからこそ狙いに行ったのだが……まさか、その上を行かれるとは。

 

 迷宮討伐したせいで気が大きくなっていたのかね?猛省せねば。

 

 

「コボルトの方は別にそんな事なかったんだけどなぁ。正直、道中のランドドラゴンのボスの方が強かったぜ?」

 

「そうですね。コボルトの最上位も確かに速くて硬くて強かったですが、所詮はコボルトですので。魔法の通りが良いので苦戦した記憶は無いです」

 

「たぶん、その慢心を次の層のボスが命で支払わせるんだろう。俺もコボルトの最上位とは道中で戦ったが、それ以降の最上位は別物だったぞ」

 

「マジかぁ〜……やっぱ俺達も暫く鍛錬と装備集めしないと駄目かねぇ……」

 

「一人の友人としてはそちらを勧める。選ぶのはお前だけどな」

 

 

 ガックリと項垂れるレッジには悪いが、それが素直な感想だ。

 

 アリは猛毒、羊は催眠、木の再生に珊瑚の石化。嘘か本当かファンタジーらしい鬼畜能力しか聞かないからな。今の俺達じゃ無駄死にするだけだろう。

 

 せめて同レベルにならないと、とてもじゃないが戦う気になれない。欲しいカードは一杯なんだが。

 

 

「あの、御主人様。時間は大丈夫ですか?」

 

 

 話に夢中になっている俺達を見て、メローがおずおずと口を挟む。普通の奴隷なら越権行為だが、俺達にとっては大切な隻眼様。特に異論無く受け入れ、本題に戻る。

 

 

「おっと、悪い。それでレッジ、残り二つは何のカードを入れるつもりだ?」

 

「蜂と鯉を頼む。ミツル達と探した資料を見て、全員に蜂を入れる方向に決まったんだわ」

 

「やっぱり逓増はデカいよな。俺も入れるつもりだ」

 

 

 俺は最初から価値を知っていたが、解放会で資料を探し出し、レッジに見せられたのは僥倖だった。

 

 単純に俺から進めても良かったが、流石に説得力が無さすぎたからな。やっぱり先輩の軌跡は使い倒すに限る。

 

 

「さて、それじゃメロー。頼むわ」

 

「かしこまりました」

 

 

 先程より輝きが足りない光を放った後、全く変化の無い聖杖を鑑定。

 

 

かみくらの聖杖 杖

スキル 知力五倍 MP消費軽減 ダメージ逓増 空き

 

 

「うん、完成してるぞ」

 

「シャァ!これで姫様の魔法がさらに頼りになったぜ!」

 

「流石にこれほどの品は恐れ多いですが……その分は働きで返してみせましょう」

 

「おう!頼りにしてるぜ!」

 

 

 机の上の聖杖を手に取り、姫様に渡す。それを仰々しく受け取った姫様の顔には緊張と高揚感が見える。

 

 

「夕飯を誘おうと思ったが、姫様が早く試したそうだしな。今日はここで解散にしておくか」

 

「いえ、私は──」

 

「悪いな!俺も今の愛剣が出来た時、姫様と同じ気持ちだったし、このままアイツら連れて潜ってくるぜ!」

 

「無理はするなよ?」

 

「おう!それじゃまたな!」

 

「あの、レッジさん、ちょっと待っ──」

 

 

 待ち切れないと言わんばかりに姫様の手を引き、レッジ達が玄関へ向かう。それを見送り、居間に戻れば、今度は俺達の番だ。

 

 

「それじゃメロー。辛いと思うが頼むぞ」

 

「……が、頑張ります」

 

 

 強壮錠の在庫は十分。酷使の対価を考えておかないとな。

 

 

 

 

*1
独自設定。

*2
独自設定

*3
独自設定。




次の作品はウマ娘もいいなと思ったけど、FFTも書きたい欲がムクムク生えてたりする。

でも夏の暑さは本当に執筆意欲を削るんだよなぁ。
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