さて、迷宮に飛ぶ前に現状の確認と行こう。
所持職業 |
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村人Lv5 探索者Lv30 盗賊Lv3 薬草採取士Lv1
農夫Lv1 戦士Lv30 商人Lv1 僧侶Lv1
剣士Lv15 魔法使いLv30 錬金術師Lv1
神官Lv1 賞金稼ぎLv1 暗殺者Lv1
料理人Lv1 英雄Lv27
キャラクター再設定 | 探索者 Lv30 |
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| 基礎BP | 128 | 使用中BP | 123 | 使用可能BP | 5 |
パラメーター設定 | 消費BP- |
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ボーナス装備設定 | 消費BP63 |
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武器一 1 武器二 2 武器三 4
武器四 8 武器五 16 武器六 32
ボーナス呪文 | 消費BP1 |
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ワープ 1
ボーナススキル設定 | 消費BP59 |
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必要経験値減少 1 必要経験値二分の一 2
必要経験値三分の一 4 必要経験値五分の一 8
獲得経験値上昇 1 獲得経験値二倍 2
獲得経験値三倍 4 獲得経験値五倍 8
獲得経験値十倍 16
セカンドジョブ 1 サードジョブ 2
フォースジョブ 4 :鑑定1
ジョブ設定 1 詠唱短縮 1
詠唱省略 2 キャラクター再設定 1
努力が結果として見れる世界は素晴らしい。グロリアも手に入れたし、かなり頑張ったんじゃないか──
「騎士の条件を満たし忘れてるな……」
「……?何か言いましたか?」
「いや、何でもない」
騎士の条件は確か槍で倒す、だったか。迷宮へ行く前に買わないとな。
盗賊と賞金稼ぎのレベルを上げ、博徒を取る事も考えたが、どう考えても遊び人のレベルを上げた方が強くなる速度が早い。
それぐらいジョブとしてぶっ壊れてるんだよな、遊び人。複数のジョブを付けられる前提の話だが。
「あ、そういやグロリア」
「はい?」
「両手とも剣より、片方は盾の方が良いか?左目、見えないんだろ?」
「えっと。流石に失ってからの付き合いが長いので、今のままでも大丈夫です」
それに気配で分かりますし、とグロリアが言葉を区切る。
言われてみれば日常生活で困ってる所を見てないし、見えてる様に左側の物を取ってたな。
まさかグロリアはロクサーヌとは別枠のバグキャラだった……?
「あの、主様?」
「──ああ、悪い。少し考え事してた。それなら買い物をさっさと済ませて迷宮へ行くか」
「はい」
◇
BPを使って一層のニートアントのHPを調整。ギリギリ生き残った奴を槍で仕留め、無事に騎士のジョブを獲得。
全18種まで後少し。長い道のりだったが、頑張れば行けるもんだ。
予想外だったのはモンスターカードが落ちたのに、商人系──奴隷商人、武器商人、防具商人の三つが取れなかった事だ。Web版だと探索者30だけが条件だったんだけどな。
ついでに説明しておくが、遊び人はこんな感じの能力を持っている。
遊び人Lv1
効果 空き
スキル 空き
何の能力も無いじゃないか、と思うかも知れない。だがそれは大きな間違いだ。
遊び人は
遊び人Lv1
効果 知力上昇 中
スキル 初級火魔法
こういう無法が可能となる。英雄の知力上昇を二重取りして、さらに魔法使いの魔法を一種類とはいえ連続で使える様になる訳だ。
ちなみに効果は遊び人のレベル依存、スキルを連続で使用する時はファーストジョブ*1から順に発動する。
魔法使いの前に遊び人をセットしないと、初級火魔法を放った後に初級水魔法を放つ、みたいな動きが出来なくなる。原作の主人公も最初は引っ掛かっていた。
そして、もう一つ。
この動きは詠唱破棄が無いと不可能だったりする。
何でも詠唱が必要なスキルは複数人で同時に行う事が出来ないらしい。『詠唱共鳴』という現象だそうだ。
一般的な冒険者はスキルを使用する時、声を掛け合うと原作では語られていたな。まぁ、グロリアのジョブである竜騎士には詠唱が必要なスキルは無いんだが。
だってこれだぜ?
竜騎士Lv12
効果 体力上昇中 体力上昇小
体力上昇微
スキル 二刀流 クリティカル発生
ダメージ軽減
見よ、この体力があれば死なないと言わんばかりの体力上昇効果と、戦闘に必要なスキルを集めました!を体現しているスキル群を。
ちなみに体力は最大HPと物理防御力に関係しており、二刀流は両手武器を片手で持てる効果、クリティカル発生は時々ダメージが大きくなると主人公は考察していた。
ダメージ軽減は物理、魔法両方に効果がある。どれくらいかは分からん。ゲームじゃないからカット率が見える訳でも無いしな。
「よし、準備完了。それじゃ七層に行くか」
「はい」
ワープで七層に飛び、本日二回目のコボルト狩りを始める。余ってるBPは結晶に振り分けた。探索者のレベルが33になったらフィフスジョブを取る予定だ。
拠点にしている宿から出立するまでの間に、何とか博徒含む村人以外のジョブを30まで上げたい。数字が揃ってないと気持ち悪いしな。
「……主様の魔物を狩る姿を見ていると、勘違いしそうになりますね」
サクサク敵を一撃で沈めていると、グロリアがドロップ品を拾いつつ何とも言えない表情でポツリと呟く。
「自分の実力を誤認しそうか?」
「正直に申せば。前の御主人様の時は毎回命懸けでしたから」
「まぁ、竜人族の体格なら前に置くわな」
現状だとトリオ編成以外の時、グロリアはアイテム回収装置となっている。もし湧いたとしてもファイヤーストームとオーバーホエルミングを使うので、戦闘自体は一分前後で終わる。
だから前に立たれる方が迷惑なんだよな。デュランダルを振り抜けないし。
「前に立つのも、主様の盾となるのも構いません。奴隷とはそういう扱いを受ける立場ですし、買われた時から覚悟しています。ですが、せっかく主様のお力で竜騎士になったというのに、アイテム拾いぐらいしか役立てないとは……」
「今はまだお互いに準備期間だと思え。上に行くに連れ、一回で出現する敵の数は増えていく。流石の俺も五匹や六匹湧く場所でこんな戦い方は出来ないから、その時は素直に頼らせてもらうさ」
一つ上の八層から四匹、十六層から五匹、三十二層から六匹編成の魔物が湧くようになる。
流石にそこまでの数を相手取るのは厳しいし、前に立つ奴隷の数を増やして、俺は後衛から魔法を連打するスタイルになると思う。
その為にも金策を頑張らないと駄目なんだが。
「なるほど。上に行く為の準備ですか。やはり貴族になろうというお方は考え方から違うのですね」
「そうか?普通だと思うが」
遠くに見えるコボルト二匹とニードルウッドの編成にファイアストームを叩き込み、そのまま前に居たコボルトを切り捨てる。
「おっと」
しなる鞭の様なニードルウッドの枝を頭を下げて躱す。その時にチラリともう一匹のコボルトへ視線を向けると、グロリアが二本の鉄の剣を叩き付けていた。
(あっちは大丈夫そうだな)
グロリアのモデルの様な長い手足はそのままコボルトとのリーチ差に変わる。そこへ鉄の剣の
距離を詰める前に距離を取られ、射程外からひたすら殴られるコボルトには、可哀想という感情を通り越して哀れみすら感じる。
視線を再びニードルウッドに戻し、デュランダルを叩き付ける。この階層はまだ一撃で仕留められる以上、苦戦する要素は無いわな。
後は背後からコボルトを切り捨て、戦闘終了。モンスターカードは……無いか。
「怪我は無いか?」
「所詮コボルトですから」
「ま、そうだよな」
小さく、遅いコボルトは、数の暴力が機能しなければ雑魚としか言えない存在だ。
他の種族ならまだしも、身長2mを超える竜人族にとっては一対一で負ける方が難しいだろう。
いや、人間でも槍を使えば同じ状況が生まれるか。やっぱり雑魚だな。
「ま、怪我したら躊躇わず薬を使ってくれ。いつかエリクシールを手に入れる予定とはいえ、わざと傷を増やす必要も無い」
「かしこまりました。……もしエリクシールを手に入れたとしても、私では無く主様の為に取っておくべきかと」
「ん?別に無限に回収出来るんだから、わざわざとっておく必要も無いだろ?」
「えっ?」
「えっ?」
……ははーん。
「貴族を目指す以上、いずれ俺達は上の階で戦う事になる。それこそエリクシールの素材を落とすボスともな。最初から高値で売れると分かってるんだから金策で周回するだろうし、そのついでに飲む機会なんて幾らでもあるだろ?」
「な、なるほど……やはり上を目指す方は考え方が違いますね。私にはその発想がありませんでした」
尊敬の目を向けてくるグロリアの視線が少し痛い。メタルスライム然り、はぐれメタル然り。
少しでもゲームに触れた事のある奴なら効率の良い狩り場の周回は当然やるだろう。俺はその程度の軽い気持ちで話題に出しただけなんだが……。
それから夕飯までの間、何処と無く座り心地の悪いまま狩りをする羽目になった。
見事に価値観の相違を見誤ったな。俺にとってはエクスポーションを使うかどうかの話だったんだが。