勝ち組男の異世界迷宮で奴隷ハーレム   作:Lilyala

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追跡

 

 この世界の盗賊は基本的に逃亡奴隷が始まりだと思う。もちろん村や街の中で盗みを働いて盗賊になる奴が居ないという訳では無い。

 

 ただサンダルを履いた程度で盗賊にジョブ変更された原作の描写を見ると、たとえ前職が魔法使いだとしても、周囲の人間が取り押さえられる盗賊Lv1に変えられて捕まる方が早いと思うのだ。

 

 

 一応、抜け道は存在しているが。

 

 

 例えば深夜に誰かを殺して盗賊になったとする。その後、他の村人や町人が殺人に気付く前に運良く冒険者ギルドへ辿り着けば、たった銀貨数枚で高跳びする事が出来る。

 

 冒険者はインテリジェンスカードのチェックが出来ないので、盗賊である事がバレる心配はほぼ無いしな。

 

 但しこの場合、殺人が発覚した段階で間違いなく冒険者ギルドに捜査の手は伸び、そこから追っ手が飛んでくる可能性は高い。

 

 いや、文明レベル的に放置か?まぁ、その考察は後回しだ。

 

 さらにそこから逃げ続ける事も現金さえあれば出来るだろうが、突発的な殺人を犯した後にそこまで持ち出せるかと言うと……正直な話、厳しいと思う。

 

 たとえ前職がアイテムボックス持ちだったとしても、盗賊になった時点で開く事が出来なくなるからだ。

 

 

 話を戻そう。

 

 

 そんな訳で、盗賊は基本的に逃亡奴隷だと俺は考えている。農業奴隷かも知れないし、性奴隷かも知れない。

 

 大穴で戦闘奴隷の可能性もあるが、基本的に盗賊はブラヒム語を喋らないし、長年戦い続けた戦闘奴隷ならば、他の探索者に自身を売り付けた方が遥かに暮らしは楽になる。

 

 それを踏まえて考えを巡らせると、やはり盗賊は逃亡奴隷が狩られずに生き残るパターンの可能性が高いと思う。

 

 

「だからこんなパターンもあるんだよなぁ……」

 

 

 盗賊を十人ほど処理して換金したのだが、その命の値段(報酬)は金貨三枚と少しだった。

 

 レベル×銀貨十枚が盗賊の価格かね?悪名高ければ、そこに別の懸賞金が掛かるシステムな気がする。……いや、違うか。

 

 原作で最初に騎士団に盗賊のカードを提出した時、商人が渡したインテリジェンスカードには懸賞金が懸かってないと言っていた。つまり、盗賊自体には価値は無く、悪名を得る事で懸賞金が積まれる仕組みの様だ。

 

 そう考えると、低レベルの盗賊は見逃した方が後の金蔓になりそうだな。やらないが。

 

 とはいえ当てが外れた事には違いない。さて、どうするか。

 

 

(元々、日が落ちるまでは下見で済ますつもりだった。それに一日で稼げるとは最初から考えていない)

 

 

 予想外だったのは盗賊の値段だ。迷宮より稼げるが、目標である金貨六十枚まで盗賊の数が持つか怪しくなってきた。

 

 

(高Lvの盗賊が居るとしたら、農村地とクーラタルを繋ぐ街や街道だろう。もしくは帝都と港町を繋ぐ街道か)

 

 

 前者は帝国最大の迷宮がある街へ農作物を売る為に。後者は最も人の集まる地へ魚を運ぶ為に。

 

 ただ後者は騎士団が定期的に巡回してる可能性がある。となると──狙うは農村とクータラル間か。

 

 裏路地に入り、ワープで飛ぶ。パーティー編成のお陰でグロリアの居る位置を基点にした位置情報が手に入るのは助かる。

 

 お陰でこの国の地理が大体掴めた。

 

 飛んだ先の迷宮でMPを補充。そのまま外に出ると、これから潜るであろう探索者とすれ違った。

 

 何となく鑑定を使えば、そこには驚くべき表記が。

 

 

盗賊Lv22

盗賊Lv18

盗賊Lv30

盗賊Lv16

探索者Lv21

 

 

──そして最後の一人。

 

 

兇賊Lv12

 

 

 これは美味しい。絶対に狩りたい。

 

 

(寝床を突き止めてから殺るか、それとも迷宮内で狩るか)

 

 

 コイツらの狩り場はたぶん十一層か十二層辺りだろう。未だ辿り着けていない階層だが、侵入するだけなら簡単だ。入り口に居る探索者に銀貨を渡せば良い。

 

 問題なのは、流石の俺でもソロで行く事を躊躇する階層だという事だ。

 

 八層から十五層で出現する敵の最大編成は四匹。流石にその数に囲まれると、幾ら俺でも死ぬ可能性が普通にある。デュランダルで一撃じゃないしな。

 

 

(寝床を突き止めるか。周辺の地理的に外だろうし、人の痕跡を探れば行けるだろう)

 

 

 この迷宮の最寄りは辛うじて町と呼べる程度の小さな町だ。もちろんスラム街なんて場所(モノ)は存在せず、下手すれば娼館すら宿屋や酒場の女将か看板娘、もしくは買われた奴隷が兼任している可能性がある。

 

 一応、騎士の詰所はあったので、盗賊の住居が町にある可能性は低い筈だ。もし根城が町にあったなら、手引きしてる町人が確実に居る。

 

 何せサンダル履いただけで盗賊に変更される世界だ。盗賊から賄賂を受け取る騎士が、騎士の職業を維持できるとは到底考えられない。

 

 

(日が落ちるまで時間がある。盗賊達も入ってすぐ出てくる事は無いだろう)

 

 

 最寄りの村との間が最有力候補か。そうと決まれば動きますかね。

 

 

 

 

「×××××?」

 

「×××××」

 

『『『×××××!』』』

 

 

 痕跡自体はすぐに見付かった。森に入る手前に()()()()()()足跡を消した跡があったのだ。

 

 所詮は盗賊と言うべきか、()()()()()()()()()()()()()()のだから笑うしか無い。

 

 そんな道標を辿り、盗賊のアジトらしき場所に案内してもらった。印象としては破棄村といった所か。村のど真ん中に迷宮の入り口が見えるので、たぶんそれが原因だろう。

 

 本来なら管轄する貴族が攻略に乗り出す筈だが、それすら無いところを見るに、破棄村となったのはかなり昔の話なのかも知れない。

 

 下手すれば情報の引き継ぎがされず、未発見扱いになってる可能性すらある。

 

 小説版でも『タリカウ』という名の大きな街が滅びていたので、村程度ならさっさと捨てて新しい場所へ行くのがこの世界の常識なのかもな。

 

 

(楽しく談笑してる盗賊は五人。迷宮の中に入ってる奴も居ると想定すると、結構大所帯の可能性が高いか)

 

 

 転生初日を思い出す。あの時と違うのは今の俺には力があり、()()()()()()()()()()()()()()って事だ。

 

 ワープを使い、一旦帰宅。すると帰ってきた事に気付いたグロリアが下の階から上がってきた。

 

 

「おかえりなさいませ」

 

「ただいま」

 

 

 外套をグロリアに預け、装備をアイテムボックスに収納。デュランダルは収納するフリをしつつ消しておく。

 

 

「風呂入って一旦寝る。月が沈む少し前に起こしてくれ。たぶん起きると思うが」

 

 

 自慢じゃないが、狙った時間に起きる事は得意だ。社会人の必須技能だしな。

 

 

「御食事はどうなさいますか?」

 

「今すぐ食えそうな物はあるか?」

 

「野菜のスープなら準備出来ております」

 

「それじゃ食べてから風呂に入るわ」

 

「かしこまりました」

 

 

 二人で居間に向かい、鍋ごと机の上に置かれた野菜のスープを取り分ける。面倒だが奴隷の主の仕事らしい。原作でロクサーヌが言っていたのでやってるだけだが。

 

 ついでにパンと薫製肉を切り分け、サクサク食事を終わらせて風呂へ向かう。今日はグロリアの豊満な肉体を丹念に洗う事はせず、大人しく一人で入浴。

 

 お楽しみは盗賊狩りの後だ。気分が乗れば、だが。

 

 寝る前に設定を弄り、デュランダルとシックスジョブとワープの三つを解放。

 

 設定したジョブはコレだ。

 

 

赤城光 男 27歳

探索者Lv33 英雄Lv30 遊び人Lv16

魔法使いLv31 賞金稼ぎLv30 戦士30

 

 

 やはりキリの良い数字は美しい。早く他のジョブも30にしたいもんだ。

 

 ちなみに初出の賞金稼ぎの能力はこんな感じだ。

 

 

賞金稼ぎLv30

効果 器用小上昇 腕力微上昇 MP微上昇

スキル 生死不問

 

 

 効果は万能と言うべきか器用貧乏と言うべきか迷う効果がズラリと並ぶ。

 

 スキルの『生死不問』は所謂MPを消費して行う即死攻撃であり、成功すると一撃で敵を倒す事が出来る。が、その効果ゆえに成功率が物凄く低く、とてもじゃないが主力にする事が出来ない使いづらいスキルだったりする。

 

 正直、状態異常耐性を下げられる博徒引換券だと思う。それぐらい成功率が低いんだよな。

 

 付けた理由は何となく。盗賊に対して成功率が高い気がしたので付けてみたって程度でしか無い。

 

 実際の所どうなのかは知らん。原作者からの情報公開待ち(神のみぞ知る)って訳だ。

 

 

「よし、準備完了」

 

 

 それじゃ、夜に備えて寝るとするか。

 

 

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