勝ち組男の異世界迷宮で奴隷ハーレム   作:Lilyala

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光明

 

 

──春の季節 二十日目

 

 

 昨日は紹介状の効果を確かめる為に幾つかの街を回り、見事に空振りしたので大人しくトロムソの自宅へ帰った。

 

 ほぼ休日だったグロリアはともかく、深夜に盗賊のアジトへ強襲しに行った俺の方が限界だった為、グロリアの身体を堪能する事なく就寝。今朝に至る。

 

 二人で焼きたてのパンを買いに行き、二人で朝食を作り、二人で食事を終えて迷宮へ。午前だけだが身体を鈍らせる訳にもいかないしな。

 

 

「じゃ、頼むわ」

 

「はい」

 

 

 グロリアにデュランダルを渡し、迷宮を徬徨う。もう少しでグロリアの竜騎士が30になるし、次の迷宮を探すべきかね。

 

 個人的な理想を語るなら、十一層にコボルト、十層にスケープゴート、九層にスローラビットが出る迷宮に行きたい。

 

 この並びならモンスターカードが美味しいのだ。あくまでも楽にレベル上げする事がメインだが、手に入る機会があるなら使えるカードが欲しい。

 

 ちなみに十一層は原作主人公がLv36まで上げた階層だ。だから俺やグロリアも間違いなくそこまで上がる。

 

 経験値二十倍ボーナスが無い分は足で稼ぐしか無いだろう。索敵役(ロクサーヌ)の分の差もあるし、暫くは停滞だろうな。

 

 

「グロリア。交代だ」

 

「私はまだ大丈夫ですが」

 

「俺の腕が鈍るんだよ」

 

 

 デュランダルと魔結晶を受け取り、今度は俺が剣を振るう。魔法を二発放ち、デュランダルで使った分を回収。もはや作業だが、ドワーフが手に入るまではこの繰り返しでジョブLvを揃える方に注力する。

 

 いざとなったら男の奴隷も視野に入れるべきかね?性欲の管理が面倒だから出来れば女奴隷で揃えたいんだが。

 

 そんな事を考えていると、一息ついた時に空腹を感じた。アイテムボックスを開けば、そこには銀貨二十五枚分のドロップが。

 

 この量なら現在時刻は昼前後だと思う。迷宮は時間経過を教えてくれる物に乏しいので、こんな方法でしか時間を把握する事が出来ない。

 

 時計係(ロクサーヌ)が優秀過ぎる。腹時計で正確な時間を把握出来るとかチートだろう。

 

 

 

 

 冒険者ギルドでドロップ品を換金し、自宅へ帰還。銅貨は全てグロリアの持つ財布に流し込み、銀貨はアイテムボックスに入れる。

 

 適当に買い食いした後、午後から再びドワーフ探しの旅に出発。東側は駄目だったので、今度は西側から捜索だ。

 

 原作でもあまり話題になってない地域なので与える影響は最小だと思う。出来ればここで見付かってほしいな。

 

 

「女のドワーフ……ですか」

 

 

 ワープで飛んだ先の奴隷商を訪ねると、少し困った表情をされた。どういう反応だ?これ。

 

 

「やはり居ないか?」

 

「申し訳ありません。居るには居るのですが……」

 

「多少の怪我なら目を瞑るぞ?見ての通り傷物でも気にしないしな」

 

 

 いずれエリクシールを手に入れる事は確定しているし、片足が不自由な程度なら気にならない。

 

 そういうつもりでグロリアに軽く視線を向けたが、奴隷商の表情は変わらない。

 

 

「いえ。五体満足ですし、見目も美しい子なのです。ですが……」

 

「ですが?」

 

「十五歳になっていないので、お売りする事が出来ないのです」

 

「あー……」

 

 

 そりゃ無理だ。奴隷として販売出来るのは十五歳からと定められてるっぽいしな、この世界。

 

 

「お力になれず申し訳ありません」

 

「いやいや、こちらこそ無理を言った」

 

 

 お互いに頭を下げ、取り敢えず一段落。とことん巡り合わせが悪いな。グロリアを拾えた事が奇跡な気がしてきた。

 

 

「一応、自信を持ってお勧め出来る奴隷は当店にも居りますが……」

 

「これでも本気で貴族になるつもりなんだ。三人目以降を求めてまた来るかも知れないが、今はちょっと余裕がな?」

 

「さようでございますか」

 

 

 奴隷資金を稼ぐという意味でも鍛冶師の加入は絶対だ。盗賊狩りも嫌いじゃないが、コツコツ情報集めて空振りだったり、金貨十枚に満たない時のやるせなさと言ったら言葉に出来ない。

 

 

「……そうですね。断言は出来ませんが、もしかしたらドワーフの奴隷が居るかも知れない場所をお教えしましょう」

 

「良いのか?本当にまた来るか分からないぞ?」

 

「はい。そのお年で竜人族を連れ歩く御客様なら軽々しく吹聴しないでしょうし、縁を結んでおくという意味では私の方にも利点がありますから」

 

「そうか。恩に着る」

 

「いえいえ。少しお待ち下さい」

 

 

 断りを入れて席を立った奴隷商が机の上のパピルスに羽根ペンを走らせ、書いた手紙を封筒に入れて机に置いた。

 

 

「ここから西へ三つばかり町を経由するとドワーフ族が領主を務める『パラー』という名の大きな街があります。そこに住むドワーフ達は鍛冶師にならずはドワーフにあらず、と断言する気風なのですが、もしかしたら奴隷落ちした鍛冶師のドワーフが居るかも知れません。こちらはその街の奴隷商への紹介状になります」

 

「ありがとう」

 

 

 御礼と共に銀貨を五枚机に乗せ、代わりに手紙を貰う。

 

 紹介状があれば少なくとも購入する時に問題は起きないだろう。それに良い事も聞けた。

 

 鍛冶師にあらずはドワーフにあらず。

 

 この言葉が本当なら──()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 原作のセリーも最初は鍛冶師では無かったのだ。キャラクター再設定を使える俺にとって鍛冶師に成れなかった事はデメリットでは無く、価格を下げてくれるメリットに過ぎない。

 

 漸く運が向いてきたな。だらだらしてる間に買い逃すのは御免だし、さっさと行くとしよう。

 

 

 

 

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