勝ち組男の異世界迷宮で奴隷ハーレム   作:Lilyala

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二者択一

 

 

──春の季節 二十一日目

 

 

 

色魔Lv1

効果 精神中上昇 知力小上昇 MP小上昇

スキル 精力増強 禁欲攻撃

 

 

 魔法使いや僧侶に必要なステータスが軒並み上がる効果。性欲を貯めれば貯める程、強力な一撃を放てる禁欲攻撃。

 

 人間のみが獲得可能な種族専用職。それが──『色魔』だ。

 

 取得条件は()()()()()()()()()()()()()()。つまり、昨日は二人を美味しく頂いた。喘ぐ度に揺れる二人の双丘は視覚的にも触覚的にも凄かった。余は満足じゃ。

 

 

「お早うございます……?」

 

「おはよう。グロリアは朝に弱いから、顔洗ったらパンと卵の買い出しを頼む」

 

「ふぁい……分かりました」

 

 

 寝惚けてるメローは容姿と相まって幼く見えるな。そんなメローの頭を軽く撫で、ベッドから降りて温泉へ。

 

 そこで顔と歯を磨き、身支度を整える。その後は自室へ戻り、パピルスと羽根ペン片手に本日の予定決め。

 

 

(最優先は鍛冶師の取得)

 

 

 その為に棍棒を買う事は絶対。ついでにスタッフとダマスカス鋼の剣を探す。

 

 品揃えが良さそうなのは帝都だが、武器ならパラーも期待出来る。何せあそこは鍛冶師の聖地なのだ。レベル上げの過程で作る事もあるだろう。

 

 五日ごとに立つ市を調べ、地図に書き込む事も行いたい。全ての街が同じ日に行う可能性もあるが、ワープやフィールドウォークで移動出来るから近場に感じるだけであって、この世界はかなり広い。

 

 だから時差で市の立つ日がズレると考える方が自然だ。

 

 帝都やクーラタルが遠いこの場所だと、モンスターカードの入手手段はそれぐらいだしな。金があるなら奴隷を買い、帝都に張り付かせるんだが……現状だと厳しいと言わざるを得ない。

 

 

(スキル合成はメローのレベルを上げてから。三十まで上げれば十分だろう)

 

 

 それまではコボルトのカードを狙いつつ七層通いの予定だ。

 

 朝と夕方の一日二回、週に十二回通って一日休み。

 

 たぶんこんなサイクルになると思う。実際は食料の買い出しや装備更新の必要もあるので、決めた以上の休みも増える筈だ。

 

 

「……こんな所か」

 

 

 羽根ペンを置くと、丁度良く扉が叩かれた。向こう側に居るメローにすぐ向かうと伝え、軽く身体を伸ばす。

 

 さて、今日も一日頑張るとしますか。

 

 

 

 

 生まれたままの姿で慌てて降りてきたグロリアを浴室に叩き込み、ついでにメローも向かわせる。

 

 その間に朝食の支度だ。まずは昨日の残りのボルシチを火に掛け、その間にスクランブルエッグとハムを焼く。

 

 後は適当に洗って切った野菜を器に盛り付け、パンを人数分に切り分ければ朝食の完成。火の調整が面倒な事を除けば、地球と大差無い男飯だ。

 

 推定コンソメだと思われる竜皮が早く欲しい。それがあれば、もうちょい食卓がマシになるんだが。

 

 

「お、お待たせしました……」

 

「気にすんな。前にも言ったが、朝に弱い事を知っててお前を買ったんだ。今はメローも居るしな」

 

「種族的な欠点は仕方ないかと」

 

 

 顔を赤くしたまま落ち込むグロリアを二人で宥め、さっさと椅子に座らせて朝食を食べる。

 

 十一層以降は食材になる敵も多いんだよな。出来れば早めに行ける様になりたい。焦って二人を失うのは馬鹿らしいが。

 

 朝食を終えると、せめてこれぐらいは、と申し出たグロリアが御茶を入れてくれた。相変わらず香り付きの白湯の様な物だが、慣れると意外に癖になる。

 

 そんな異世界の御茶を片手に本日の予定を二人に伝える。

 

 

「この後、俺は一度パラーに行って買い物してくる。その間、二人は昨日の後始末を頼んだ」

 

 

 ()()の後に軽く身体を拭いたが、シーツ等はそのままだ。今日の夜を楽しむ為にも清掃は欠かせない。

 

 それにメローは契約によってパラーへ連れていけない。だから必然的に家に置いていく事になる。

 

 今更逃げ出すとは思っていないが、まだ二日目だしグロリアを置いていく方がメローも安心出来るだろう。

 

 

「かしこまりました」

 

 

 必要以上に聞かれないというのは楽で良い。いちいち説明する手間が省ける。

 

 

「その後は迷宮に潜る予定だ。メローの装備はその時に渡すから、手入れは自分で行ってくれ」

 

「畏まりました」

 

「それじゃ解散。また後でな」

 

 

 良い品が売ってると良いんだが。

 

 

 

 

 何時もの装備に着替え、迷宮を経由してパラーを目指す。途中途中で武具店を覗いてみたが、望みの品は無かった。

 

 あの時にダマスカス装備を買ったのは英断だった様だ。まさか四スロットどころか装備そのものが余り出回ってないとは。

 

 そんな事を考えていると、昨日も嗅いだばかりの熱した鉄の匂いが漂うパラーに着いた。何時も通りギルドの受付で武具屋の場所を聞けば、この街には武具屋が無数にあるので探した方が早いとの回答が。

 

 流石は鍛冶師の聖地。これは期待出来る。

 

 まず始めに向かったのは、冒険者ギルドから出てすぐに見えた看板の武器屋だ。商店の大きさは普通。品揃えは──お、普通にダマスカス装備が置いてある。

 

 

「いらっしゃいませ。何をお探しでしょうか?」

 

「聖剣やオリハルコンの武器──と言いたい所だが、残念ながら生活費が無くなるのでな。ダマスカス鋼の剣とスタッフを探しに来たんだ」

 

「なるほど。それでしたらこちらへどうぞ」

 

 

 案内されるがままに店員についていくと、そこには一面に置かれたダマスカス製の武具が。

 

 どうやらこの店は武器屋と防具屋が一体になっている店らしく、防具も展示されていた。

 

 

「スタッフは反対側に展示しております。見付からない場合は気軽にお声がけください」

 

「ありがとう。助かった」

 

 

 店員が消えたのを見計らって鑑定を使っていく。大半はスロット無しだが、ポツポツとスロット付きも見える。

 

 お、このダマスカス鋼の槍は三スロか。見てると欲しくなって困る。原作のペルマスクの鏡イベントの様な利幅の良い儲け話が俺にもあればなぁ。

 

 そんな事を考えながら暫く鑑定を続けると、最後の一本まで見終わってしまった。残念ながらこの店のダマスカス鋼の剣は二スロまでしか無いらしい。

 

 つぼ植とウサギを入れるだけなら二スロで十分なんだが……ダマスカス装備が四スロまで空く事を知る身としては、同じ値段の安物を買いたくない。

 

 鑑定持ちの業だな、これは。

 

 

(スタッフの方は一スロあれば十分だし、別の店に行くか)

 

 

 という訳で二軒目へ向かう。先程より小さな店は、武器のみを扱っている店だった。品揃えは駆け出しから中級者向けであり、ダマスカス鋼の装備は無いらしい。

 

 三軒目は片手剣専門店、四軒目は魔法使い向けの武具を扱う店だった。前者の店はエストック、後者の店はアルバやダルマティカまで販売されており、いずれ世話になる機会がありそうだったので、帰ったらパピルスに書き残しておこうと思う。

 

 

 そして──五軒目。

 

 

「どうだい?他の街じゃ見掛けない装備ばかりだろう?」

 

「確かに、初めて見た」

 

 

 店に入った直後に飛び込んできたのは、他の街では見た事すら無い大盾だ。他に取り扱っているのは両手剣だけであり、さらに竜人族用の衣服や肌着まで売っている。

 

 俺はどうやらこの街を侮っていたらしい。まさか()()()()()()まであるとは。

 

 

「高位の冒険者やお貴族様は竜人族を連れている者も多いからな。場所によっては竜人族がリーダーをしてる所もある。こんなんでもオレの店は人気店なんだぜ?」

 

「だろうな。じゃなきゃ()()()()()()()()をケースの中とはいえ店に置けないだろう」

 

 

 数は僅か三本しか無い。全てスロット無しなので、俺には価値の無い武器だ。だが店に置けるという事実が目の前の男の〝ツテ〟の強さを物語っている。

 

 

「それを作れるのが鍛冶師(うちの相棒)の自慢で、俺の自慢だ。で、どうする?買っていくか?」

 

「無茶言うな。ダマスカス鋼の剣が精一杯だ」

 

「残念。それならあっちにあるぞ」

 

 

 店主と思われる普人族の男が座ったまま指差した方へ視線を向ければ、そこにはズラリと並ぶダマスカス鋼の剣が。

 

 二十本以上か。四スロも期待出来そうだ。

 

 一つ一つ見ていくフリをしつつ鑑定を発動。視界内全ての詳細が表示される。

 

 視界を覆い尽くすのが面倒だが、一気に探すのに便利な機能だ。そのお陰で早々に三スロの鋼の剣が見付かったしな。

 

 そのままスロット無しの鑑定結果を消していると、ついに四スロの装備を見付けた。

 

 それを手に取り、再度鑑定。ダブルチェックは事故を防ぐための基本だ。

 

ダマスカス鋼の槍 槍

スキル 空き 空き 空き 空き

 

 これだけは言いたい。これだけ量があるのに()では無く、十本しか無い()の方が四スロなのは前世の行いが悪すぎたからか?

 

 

「どうした(ニイ)ちゃん。そんな槍をジッと見て。剣を探してたんじゃないのか?」

 

「この槍が素晴らしくてな。どうしようか迷ってるんだ」

 

「ハッハッハッ!そうだろう!?相棒の作る武具は最高だからなッ!」

 

 

 オリハルコンの剣を作れる以上、間違いなく高位の鍛冶師か隻眼だろうしな。腕が良い事に間違いは無いので、話を合わせて(おだ)てておく。

 

 そんな事を表側でしつつ内心で算盤を弾く。スタッフを諦め、ダマスカスの槍と剣を購入するか。

 

 それとも当初の予定通り、四スロのダマスカス鋼の剣とスタッフを探すか。悩ましい所だ。

 

 

(装備品は一期一会。再び来るまで売れ残っている保証は無い)

 

 

 たぶん、そう思った時点で俺の負けだったんだろうな。暫く贅沢はお預けになるが──覚悟を決めて、必要な物を全部買うとしよう。

 

 

 

 

 

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