勝ち組男の異世界迷宮で奴隷ハーレム   作:Lilyala

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鍛冶師

 

 

「ただいま」

 

『『おかえりなさいませ』』

 

 

 ワープを使って自宅に帰還すると、二人揃って出迎えてくれた。洗濯はすでに終え、居間で俺の事を待っていたらしい。

 

 

「二人で戸締まりした後、二階の倉庫に来てくれ。その時に装備を渡す」

 

「休憩せずとも宜しいのですか?見たところ少しお疲れですが」

 

「どうせ暫くはコボルトだ。俺は後ろで楽させてもらうさ」

 

 

 二階の倉庫部屋には何も置かれていない。いずれ棚でも買ってきて装備置き場にするつもりだが、暫くは現状維持だ。

 

 槍と剣、スタッフと棍棒。三割引を使っても金貨十五枚(150000ナール)がアイテムボックスから消えてしまった。

 

 後悔してないし、これから余裕で取り戻せるが、金貨二十枚は常に確保しておきたいからな。それまでは我慢だ。

 

 アイテムボックスから装備を取り出していると、戸締まりを終えた二人がやって来た。グロリアは何時もと変わらず、メローの方は少し緊張気味か。

 

 まぁ、鍛冶師になったら見てるだけだし、問題無いだろう。

 

 

「グロリアは竜革のグローブと靴に変更だ。メローはそこに置いてある硬革装備を着てくれ。武器は着替え終わったら渡す」

 

「「かしこまりました」」

 

 

 二人の着替えを眺めていると、明らかにブカブカだった硬革のジャケットがメローの体型に合わせて収縮する。

 

 迷宮で使われる装備には全てサイズ自動補正の魔法が掛かっている事は知っていたが、ここまで変化があっても大丈夫なのか。

 

 何というか凄く身近な場所でファンタジーを体験したな。

 

 

「えっと、似合いませんか?」

 

「いや、似合ってるぞ。サイズ補正の凄さに驚いてたんだ」

 

「なるほど。確かに先程の大きさからメローさんのサイズまで小さくなると、見応えがありそうです」

 

 

 グロリアと二人で視線を向けると、メローは恥ずかしそうに身を捩った。元が眼鏡の似合いそうな敏腕秘書をそのまま小さくした様な容姿なだけあって、可愛さの中に色気を感じる。

 

 俺がもう少し若ければ、この場で襲っていたかも知れないな。もう猿に成れる年齢じゃないのが残念だ。

 

 着替え終えた二人に武器を渡す。グロリアにはダマスカス鋼の剣とデュランダルを。メローには棍棒を持たせた。

 

 

「まず始めに二層へ行き、メローを鍛冶師にする。その後は何時ものコボルト狩りだ。質問はあるか?」

 

「ありません」

 

「あの、私は鍛冶師に成れなかったドワーフです。ですから──」

 

「メローさん。主様を信じれば大丈夫です」

 

「あ、はい」

 

 

 この有無を言わさぬ強さよ。助かるが。

 

 

「主様が他言無用を厳命する事には理由があります。貴女もすぐに分かると思いますよ」

 

「まぁ、そこらへんは夕飯の時にでも語ってくれ。取り敢えず迷宮に行くぞ」

 

 

 近くの壁にワープを開き、そのまま通り抜ける。今回来た迷宮は二層にコボルトが湧き、尚且つ人気のあまり無い迷宮だ。

 

 

「メローは二匹の魔物を纏めて殴ってくれ。グロリアは足止めを頼む」

 

「「畏まりました」」

 

 

 目的の群れはすぐに見付かった。まずはグロリアが駆け寄り、左側のコボルトを蹴り飛ばし、ついでに右側を鉄の剣で殴る。

 

 そのまま二匹がこちらに背を向ける様に抱えると、その背後からメローが横凪ぎに棍棒を振るった。

 

 後は壁に叩き付けられた二体に向けてファイアーストームを二連発。戦闘終了、お疲れ様でした。

 

 キャラクター再設定を行い、パーティー項目とパーティージョブ設定にチェックマークを入れてメローのジョブを開く。

 

鍛冶師Lv1

効果 腕力中上昇 体力小上昇 器用小上昇

スキル アイテムボックス操作(10) 武器製造

    防具製造 モンスターカード融合

 

 目的の物は確かにあった。

 

 長かったな。漸く手に入った。これで俺達は上を目指せる。

 

 パパッとメローのジョブを変更し、ついでに俺のジョブを騎士に変えておく。わざわざ口頭で説明しなくても自分のインテリジェンスカードを見れば嫌でも理解出来るだろう。

 

 

「メロー。左手を貸してくれ」

 

「はい……?」

 

 

 差し出された左手を手に取り、無詠唱でインテリジェンスカード操作を発動。

 

 

「ほれ。自分の目で確認してみろ」

 

「……?……!?」

 

 

 驚きの余り言葉を失ったメローを余所に再びキャラクター再設定を弄る。メローの後ろではグロリアが誇らしげな表情で頷いていた。

 

 竜騎士になった時、全く同じ反応だったもんな。グロリアも竜騎士に成れなかった組だったし。

 

 

「え、えっと、あの……」

 

「メローさん。他言無用です」

 

「あ、はい……」

 

「まぁ、そういう事だ。それより棍棒くれ。代わりの武器はこれな」

 

「わ、分かりました」

 

 

 棍棒を受け取り、代わりにダマスカス鋼の槍を渡す。首に巻かれた首輪が無ければ、立派な探索者にしか見えないな。

 

 

「さて、それじゃ何時もの狩り場に向かうぞ。メローは暫く観戦だ」

 

「わ、私も戦えます!」

 

「転職すると能力が落ちるんだよ。それに七層ならグロリア一人で十分だ」

 

「今朝は情けない姿を見せましたから。迷惑掛けた分、慣れるまで後ろで見ていてください」

 

 

 

 

 午前の部はグロリアが無双して終った。竜人族の体格から繰り出される二本の両手剣は凄まじく、俺と共に後ろから眺めていたメローが言葉を失っていたぐらいだ。

 

 昼飯は適当に屋台で済ませ、食後休憩してから再び迷宮へ。

 

 未だ一枚しかカードをくれていない迷宮だが、レベルを上げるだけならここで良いんだよな。

 

 

「さて、午後からは少し狩り方を変える。もちろんメローにも頑張ってもらうからそのつもりで頼む」

 

「はい。お任せください」

 

 

 ちなみに俺達の今の状態はこんな感じだ。

 

 

赤城光 男 27歳

探索者Lv35 英雄Lv31 遊び人Lv30

魔法使いLv33 神官Lv30 薬草採取士Lv30

装備 スタッフ ダマスカス鋼の額金 絹のローブ ダマスカス鋼のガントレット ダマスカス鋼のデミグリーヴ 

 

グロリア ♀ 24歳

竜騎士Lv25

装備 ダマスカス鋼の剣 鉄の剣 硬革の帽子 硬革のジャケット 竜革のグローブ 竜革の靴

 

メロー ♀ 20歳

鍛冶師Lv13

装備 ダマスカス鋼の槍 硬革の帽子 硬革のジャケット 硬革のグローブ 硬革の靴

 

 

 ついに探索者はLv35になり、グロリアの竜騎士もLv25になった。着々と上の階層を目指す為の準備は出来ている。──だからこそ決断した。

 

 

(さらばデュランダル。MP回復の時にまた会おう)

 

 

 俺の精神安定剤だったデュランダルを手放す覚悟を決めた。それに伴い、キャラクター再設定も変える。

 

 

キャラクター再設定

探索者 Lv35

 

基礎BP133使用中BP133使用可能BP0

 

パラメーター設定

消費BP-

 

ボーナス装備設定

消費BP-

 

ボーナス呪文

消費BP2

 

ワープ 1 メテオクラッシュ 1

 

ボーナススキル設定

消費BP131

 

必要経験値減少 1 必要経験値二分の一 2

必要経験値三分の一 4 必要経験値五分の一 8 必要経験値十分の一 16

獲得経験値上昇 1 獲得経験値二倍 2

獲得経験値三倍 4 獲得経験値五倍 8

獲得経験値十倍 16 獲得経験値二十倍 32

セカンドジョブ 1 サードジョブ 2

フォースジョブ 4 フィフスジョブ 8

シックスジョブ 16

鑑定 1 ジョブ設定1 詠唱短縮1

詠唱省略2 キャラクター再設定 1

 

 

 必要経験値二十分の一を諦め、代わりにシックスジョブまで取った。メテオクラッシュは余ったBPを適当に割り振っただけなんだが、実はこれには使い道があったりする。

 

 MPを気にしなければ、メテオクラッシュ→遊び人の魔法→魔法使いの魔法で合計三回魔法を放てる*1のだ。

 

 流石にMP切れが命に直結する俺だといざという時の切り札にしかならないが、それでも有るのと無いのとでは心の余裕が違う。

 

 本当に駄目そうなら覚悟を決めて放つとしよう。

 

 

「デュランダルを抜かない以上、戦闘が長くなる事は念頭に置いてくれ。それじゃ行くぞ」

 

「「《はい!!》」」

 

 

 グロリアを先頭に置き、その後ろをメローが歩く。俺が最後尾なのはバックアタック対策だ。何せ切り札を除いても殲滅力が違うからな。

 

 

「居ました」

 

 

 グロリアの発見報告と同時にファイアーストームを二発撃ち込む。

 

 オンラインゲームならキック*2される行為だが、ここは現実で迷宮だ。

 

 敵を前に躊躇う理由も無いし、何より──

 

 

「ま、こうなるか」

 

 

 MP消費を気にしなければ、コボルトは魔法二発でドロップアイテムに変わる。

 

 原作ではスタッフの一つ下の装備であるロッドを装備した状態で、十一層のニートアントに弱点の水魔法を三回使う必要があると描写されていた。

 

 それより下の階で、尚且つ俺は一つ上の杖を持っている。さらに魔法使いと遊び人で二回魔法を放てるんだ。全属性弱点のコボルトを瞬殺出来るのは当然の結末だ。

 

 

「今更なのですが、御主人様は魔法もお使いになられるのですね」

 

「他言無用な?」

 

「もう御主人様について誰かに聞かれても、何も答えられませんで済ませる事にします」

 

「それで良い。そっちの方が秘密が漏れるより数倍マシだ」

 

 

 大体この世界に縁の無い俺について聞いてくる奴なんて盗賊か貴族ぐらいだろう。

 

 前者は自分の事を棚に上げて逆ギレしてるだけだろうし、後者は将来的にどうなるか分からん同僚だ。

 

 それならいっそ、黙って反感を持ってくれた方が幾らかマシだと断言出来る。

 

 

「大丈夫ですよ、メローさん。他人に語ったとしても夢物語だと思われるだけですから」

 

「……それもそうですね。私も今日一日の出来事は全て夢だと言われたら、反論するより先に納得すると思います」

 

「残念ながら貴女は鍛冶師に成れましたし、私は竜騎士ですし、主様は魔法が使えます。その現実は寝ても覚めても変わりませんよ──敵です」

 

 

 反射的に魔法を二発放つ。すると唯一生き残ったスローラビットがこちらへ向かって来た。

 

 とはいえこの場に居るのは俺だけじゃないので、グロリアの剣とメローの槍が瀕死のウサギに止めを刺し、毛皮に変える。

 

 いい加減コボルトかウサギのカードが欲しい。そうすれば八層のエスケープゴート(ヤギ)を狙えるのに。

 

 それから二時間ほど粘ったが、本日もカードのドロップは無し。稼ぎは何時も通り。

 

 あまりにも出ない様ならオークションも視野に入れないと駄目だな、これ。

 

 

*1
原作では何故かやってなかった組み合わせ。メテオクラッシュの消費はそれだけ重いのかも?

*2
パーティーから除名する行動の事。基本的にパーティーリーダーしか出来ない。

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