勝ち組男の異世界迷宮で奴隷ハーレム   作:Lilyala

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美味を求めて

 

 

 午後の探索はこんなグロリアの言葉から始まった。

 

 

「主様。午前か午後のどちらかで上を目指しませんか?」

 

「どうした急に」

 

「私、気付いたんです。美味しい食事には酪が欠かせないという事に……!」

 

「…………」

 

 

 まぁ、バターを使う料理の大半は酪が無いと作れないわな。

 

 

「私もグロリアさんの意見に賛成です。今は御主人様が購入して下さってますが、私達の力なら自分で取れると思います。そうすれば奴隷や装備に使えるお金も増えるのでは無いでしょうか」

 

「確かに酪は安いもんじゃない。だからメローの意見も間違っちゃいない。……で、本音は?」

 

 

「「またクッキーが食べたいです……!」」

 

 

 だろうと思った。

 

 

「はぁ。サギニはどうだ?たぶんお前が一番命の危険に晒されると思うが」

 

「あ、足を引っ張らないか不安ですが……頑張りたいと思います」

 

 

 お前もスイーツの魔力にやられたか。

 

 

(……とはいえ断るほどでも無いんだよな)

 

 

 上に行けば行く程、貰える経験値は確実に増える。ドロップ品の売値も当然高くなるし、原作の様に一日金貨一枚稼ぐ事だって夢じゃない。

 

 何より十二から二十三層はドロップ品が美味しいのだ。

 

 豚バラ、白身、赤身、尾付きにトロ。

 

 (ハマグリ)に牡蠣にシェルパウダーに蜜蝋。

 

 頭打ちになりつつある俺のレパートリーに幅が出るし、グロリアのボレー代金も浮く。ひもろぎ装備が無い分だけ火力不足が懸念材料だが……よし。

 

 

「分かった。少し待っててくれ。調べてくる」

 

 

 ワープを開き、冒険者ギルドに飛ぶ。

 

 トロムソは皇帝直轄地というだけあり、ギルド同士の摩擦が少ない。そのお陰で迷宮の情報は冒険者ギルドでも探索者ギルドでも貼り出されているのだ。

 

 さて、トロムソの十二層以降はどうなっているのやら──っと。

 

 

12Fラブシュラブ13Fフライトラップ
14Fマーブリーム15Fグラスビー
16Fロートルトロール17Fビッチバタフライ
18Fケトルマーメイド19Fサラセニア
20Fクラムシェル21Fピッグホッグ
22FハットバットメモトロムソR2

 

 

 うん、マーブリームは良いとして豚とクラムシェルが遠すぎる。

 

 弱点は──火、火、土、風、火、風、土、火、水、水風土か。

 

 序盤と終盤は悪くないが、中盤が耐性バラバラで地獄だな。

 

 二度手間を省く為に二十三層以降も書き写す。

 

 

23Fブラックフロッグ24Fケープカープ
25Fドライブドラゴン26Fロックバード
27Fノンレムゴーレム28Fモロクタウルス
29Fシザーリザード30Fタルタートル
31Fグミスライム32Fサイクロプス
33FハーフハーブメモトロムソR3

 

 

 いや、ゴミじゃないか?この迷宮。俺達にとって一番大切なハーフハーブがよりにもよって最上層なんだが。

 

 弱点は──火、火、魔法×、無し、無し、水、土、土、火水風、風、火か。

 

 レベル上げには悪くないが、やっぱり微妙だ。

 

 

(……よし、飛ぶか)

 

 

 余りにも余りな結果だった為、セルディカまで見に行く。その結果がこちら。

 

12Fケトルマーメイド13Fラブシュラブ
14Fビッグホッグ15Fマーブリーム
16Fグラスビー17Fフライトラップ
18Fクラムシェル19Fビッチバタフライ
20Fロートルトロール21Fハットバット
22Fサラセニアメモセルディカ中央R2

 

23Fドライブドラゴン24Fロックバード
25Fノンレムゴーレム26Fハーフハーブ
27Fシザーリザード28Fケープカープ
29Fモロクタウルス30Fサイクロプス
31Fタルタートル32Fグミスライム
33Fブラックフロッグメモセルディカ中央R3

 

 

 ランク2の感想は普通の迷宮。だがランク3は違う。

 

 初っぱなからドライブドラゴンスタートで始まる地獄みたいな迷宮だという感想しか無い。

 

 弱点は魔法×、無し、無し、火、土、土、水、風、土、火、火。

 

 魔法使いが居ても地獄じゃねぇか。そら攻略されんわ。

 

 ちなみに新迷宮はランク三の情報が出てなかった。たぶん探索が追い付いてないのだろう。

 

 途中まで情報があったランク二ですら、残念ながらトロムソと大差無かったので途中で写す事を止めた。ここはランク三次第だ。

 

 獣人領側の迷宮はもっと酷い。ハーフハーブとモロクタウルスが三十階層に固まっていたので、写す事すらしていない。

 

 こうやって見ると、案外理想の迷宮は見付からないもんだな。

 

 羽根ペンとパピルスをリュックに入れ、最後に一番最初に世話になったダルに飛ぶ。理由は何となくだ。──そこで俺は運命と出会った。

 

 

23Fハーフハーブ24Fモロクタウルス
25Fブラックフロッグ26Fノンレムゴーレム
27Fドライブドラゴン28Fシザーリザード
29Fサイクロプス30Fグミスライム
31Fタルタートル32Fケープカープ
33FロックバードメモダルR3

 

 

 驚くべき事に、ダルの迷宮は最速でハーフハーブが出現する迷宮であり、モロクタウルスが次層で湧く迷宮だったのだ。

 

 そして、ダルの真価はそれだけじゃない。ランク2の並びが魔法使いの為の迷宮と言わんばかりの順番で、綺麗に弱点が揃っていた。

 

12Fピッグホッグ13Fクラムシェル
14Fマーブリーム15Fケトルマーメイド
16Fハットバット17Fグラスビー
18Fビッチバタフライ19Fロートルトロール
20Fラブシュラブ21Fフライトラップ
22FサラセニアメモダルR2

 

 弱点の並びは水、土、土、土、水風土、風、風、火、火、火、火。

 

 俺達の目的を考えれば、ここが一番目的と合致する。通うとしたらここに決まりだな。

 

 ちなみに魔法使いが居ない場合、ここはかなり戦いづらい迷宮だと思う。

 

 終盤に固まるよりはマシだが中盤に飛行系が固まっており、槍以外は攻撃が届きにくい。

 

 さらに最後の植物達は蔓やら枝やら消化液やら遠距離が豊富で、下手すれば近づく前に削られるパターンになるだろう。

 

 一層もニートアントだったし、何と言うか魔法使い以外お断りの迷宮過ぎる。

 

 

(おっと。時間が勿体無いし、さっさと動くか)

 

 

 ダルの入り口に居る探索者に銀貨十二枚を支払い、十二層に案内してもらう。

 

 これで準備完了。後は自宅に戻ってグロリア達を連れてくれば良いだけだ。

 

 

 

 

 久々に遊び人の魔法をウォーターストームに切り替え、二連続ウォーターストームでピッグホッグを水の渦に沈める。

 

 生き残ったランク1の魔物はグロリア達任せだ。MPの節約という面もあるが、上の階層で戦う為の経験を積ませたい。

 

 攻撃にしろ回避にしろ、いきなり出来るもんじゃないしな。

 

 

「……昔はもっと苦労した記憶があるのですが、意外と余裕ですね」

 

「グロリアさんもそう思いますか。私も十二層の魔物にはもっと苦労した記憶があるんですけど、意外とあっさり片付いて戸惑っています」

 

「サギニさんはどうですか?」

 

「えっ、わ、私ですか?」

 

「はい。出来れば意見を言って頂けると助かります」

 

「えっと、硬革装備を着させて頂いたのは初めてで、武器もレイピアと鉄の盾(こんな良い品)では無かったので……良い装備って凄いんだなーとしか……

 

「なるほど──」

 

「そこまでだ。お喋りするなら歩きながらにしてくれ」

 

 

『『『は、はいっ!すいません!』』』

 

 

 ボス部屋を求めてサギニが先導を再開する。その後ろを緊張した様子で二人が続いた。

 

 緊張しすぎは良くないが、緩くなりすぎるのも問題だ。楽する為に下調べを入念にやって来たが、まさかこんな形で問題になるとは。

 

 かと言ってドライブドラゴン辺りを経験させるとなると、どう考えてもグロリアの装備が弱すぎる。せめて鋼鉄一式、欲を言えばダマスカス鋼で固めたい。

 

 初見だろうが格上だろうが敵の攻撃を確実に避けるロクサーヌは居ないのだ。その分、盾役に掛かる負担は原作の比じゃない。

 

 装備、奴隷、モンスターカード。

 

 金勘定で頭が痛くなるぜ。

 

 それから暫く迷宮を徬徨い、アイテムボックスを埋めたところで本日の探索を終了。稼ぎは上々、所持金も二十万ナールに戻りそうだ。

 

 地図の出来は四割ぐらい。最速で明日、遅くとも明後日には十三層に辿り着けると良いな。

 

 

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