勝ち組男の異世界迷宮で奴隷ハーレム   作:Lilyala

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プッタネスカ

 

 

 ダンジョンウォークで迷宮から離脱し、姿を監督役に見せてから自宅へ帰還。温泉で汗を流した後、グロリア達を連れて服屋へ飛ぶ。

 

 仮縫いの為にグロリア達を預けたら、その隙間時間を使って昼食の買い出しへ。今日のご飯はなんだろな~っと。

 

 

「…………ふむ」

 

 

 在庫処分の為なのか、マカロニ*1が安売りされている。

 

 プッタネスカでも作るか。色々代用品になるが。

 

 まずは野菜の酢漬けを売っている店に突撃してケッパー?*2を購入。味は確かめたが、地球と同じ物かは知らん。

 

 次に塩漬けした魚が売られている店を聞き出し、アンチョビ?*3らしき塩蔵された魚を購入。オレガノ?はミント並に繁殖するので、鉢植えで育てている物が実験室にある。

 

 迷宮がオリーブオイルを無限に吐き出すので少し心配だったが、ブラックオリーブは普通に売られていた。迷わず購入したのは言うまでもない。

 

 これで準備完了。後はグロリア達を回収して昼食作りだな。

 

 

「お待たせしました」

 

「おう。それじゃ帰ろうか」

 

 

 ワープで帰宅して、手を洗ったら料理開始。

 

 まずは火起こしからだ。これを忘れるとマカロニは茹でられないし、何も炒められない。現代とは何もかもが違うのだよ!

 

 パスタを茹でるのはサギニに任せ、火の管理はグロリアに頼む。レシピを書くのはメローの仕事だ。

 

 

「まずはブラックオリーブを薄切りにする」

 

 

 一人前は三つと覚えておくと楽だぞ。俺は一人二つで作るが。

 

 

「次にアンチョビ?とにんにくをみじん切りにして、ケッパー?を粗めに刻む。オレガノは香りが強いからほんの少しで良い。食べ過ぎると体に毒だから気を付けろ」

 

 

 一人前の分量は確かアンチョビは一本と半分、にんにくは一かけ、ケッパーは5gだった筈だ。

 

 もちろんそんな少量で売ってる訳も無く、作るなら素材が余る事を覚悟した方が良い。予め別のレシピを調べておくか、諦めて大量に作るかの二択以外に選択肢は無いが。

 

 

織火(弱火)になってる事を確かめた後、フライパンにオリーブオイルを垂らして唐辛子?を投入する。油に香りが移ったらブラックオリーブも入れる」

 

 

 ここらへんは特に説明する事は無いな。強いて言うなら面倒でも強火は駄目という事ぐらいか?

 

 

「後は薪を追加して中火に変え、火が落ち着いた頃にトマトを潰しながら煮込めば完成だ」

 

「思ったより簡単ですね」

 

「この料理の別名は娼婦風パスタって言ってな?空腹の男を誘う為に作られたのが始まりとも、忙しい娼婦が保存食を使ってパパッと作ったのが始まりとも言われている歴史ある料理なんだ」

 

 

 つまり、早く作れるのに男が満足できる味という事が歴史に保証されており、脈々と受け継がれてきた由緒正しい料理、という訳だ。

 

 

「娼婦の稼ぎだと材料を購入する事は厳しいのでは?」

 

「魚を塩漬けにする事は海に近い村や町なら当然だし、ケッパー?も同じ理由で自作されていても可笑しくないだろ。何せ保存食だからな」

 

 

 日本でも漬物を自作する家は普通にある。保存食の発祥は基本的に飢餓に対する抵抗なのだ。それが存在しない世界なんて有り得ない。

 

 

「ま、話はこれぐらいにして温かいうちに食べるとしよう。そろそろグロリア達が限界だ」

 

「……そうですね。これ以上待たせるのは可哀想です」

 

 

 メローと共にグロリア達に視線を向けると、そこにはお腹を押さえて空腹を訴える二人の姿があった。

 

 まるで『待て』を命じられた犬の様だ。特にサギニ。

 

 皿に適当に茹でたマカロニを乗せ、その上からソースを掛ける。マカロニは多めに茹でたが、たぶん残らないだろう。まぁ、何時もの事だ。

 

 

「それじゃ食べようか。──頂きます」

 

『『『頂きます!』』』

 

 

 まずは一口。……うん、世界が違っても美味いもんは美味い。

 

 

「塩漬けされた魚の味をにんにくと唐辛子が引き立て、その全てをトマトが優しく包み込んでいます……!」

 

「……むぅ。娼婦風という名で嫌悪感を抱いた私が浅はかでした。これは美味しいですね……!」

 

「…………!?…………♪」

 

 

 中央に盛ったお代わり用のマカロニがモリモリ減っていく。俺も一度だけお代わりしたが、それ以上に三人の進みが凄い。

 

 パンを買っておいて良かった。余ったソースを掛けても美味いんだよな。プッタネスカ。

 

 

 

 

 昼食後は何時もの食休み。この時間を使って滋養剤の分配と午後の狩り場について説明する。

 

 

「俺が十、メローが十、グロリアとサギニは五で良いか?」

 

「問題無いと思います。現状、使う機会は殆どありませんから」

 

「HP吸収のお陰ですね。噂では聞いていましたが、ここまで凄いとは思いもよりませんでした」

 

 

 グロリアとメローの二人が言った通り、武器に付けた吸収効果だけで雑魚戦の回復は間に合っている。サギニはダメージを食らうこと自体が少なく、食らったとしても全体回復一回で抑えられる範囲でしか無い。

 

 

「よし、それじゃ各自滋養剤と入れ換えてくれ。回収した滋養丸は後で売ってくる」

 

「勿体無くないですか?」

 

「使わない物でボックスを埋めたくないんだよ」

 

 

 下手すりゃ一生寝かせる事になるし。

 

 薬の入れ換えを終えたのを確認した後、今度は手作り手帳を机の上に広げる。書いてあるのは迷宮の地図と魔物の種類だ。

 

 

「十三層に湧く魔物はクラムシェル。すでに戦闘経験あるから詳しい説明はいらんな?」

 

「大丈夫です。得意ですから」

 

 

 誇らしげにそう語るグロリアに思わず頬が緩む。──っと、忘れてた。

 

 

「前回とは違い、今回は敵の弱点が揃ってないから戦闘時間が少しだけ延びると思う。それだけは頭の片隅にでも入れておいてくれ」

 

「分かりました」

 

「後は──特に無いな。それじゃ午後も頑張ろうか」

 

 

『『『はい!』』』

 

 

 揃って返事をした三人に軽く頷き、探索準備に移る。

 

 いい加減、カードのドロップが見たいもんだ。

 

 

*1
漫画版十巻に登場していた。なんでパスタは無いんだ……!

*2
地中海沿岸に自生するフクチョウボク科の木のつぼみを酢漬けにした物。ピクルス。

*3
オイルサーディンとの違いは調味料として使われるかどうか。

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