勝ち組男の異世界迷宮で奴隷ハーレム   作:Lilyala

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主人さま特権

 

 

 夕食はホワイトシチューを作った。ウサギ肉の牛乳煮込みっぽくなったのは誤算だったが、それなりに美味しく頂けた。

 

 予想外だったのは、竜皮がコンソメではなく鶏ガラからダシを取ったみたいな味だった事か。竜肉はビーフジャーキーっぽかったんだけどな。

 

 どうやら俺はまだファンタジー食材を甘く見ていたらしい。反省しなければ。

 

 そんな想定外こそあったものの、和やかな雰囲気のまま食後の食休みに入る。温泉での()()()()の為に用事を先に済ませておかないとな。

 

 

「さて、イザベラ。グロリア達から何処まで聞いた?」

 

「主人さまには他言無用の秘密が多う、聞かれる事を好まんと聞きました」

 

「それだけ分かってるなら問題ないな」

 

 

 説明する手間が省けて良かったぜ。

 

 

「一応言っておくが、お前から漏れたら俺はレーヌの探索をやめるつもりだ。それだけは覚えておいてくれ」

 

「はい」

 

「よし。それじゃ明日からの予定について話すぞ」

 

 

 机の上に手帳を置き、書き写してきたレーヌの迷宮のページを開く。

 

 

「前任が優秀だったお陰で迷宮に現れる魔物は全て把握済みだ。ただ、迷宮を攻略する為の地力が俺達には足りてない。そこで()()で経験を積もうと思ってる」

 

 

 指差したのは──()()()()()()()()。そこの三十六層だ。

 

 最も古い第一では無く、最も新しい第三、第四でも無い。レーヌに住まう人達にとっては影の薄い迷宮だろう。

 

 その俺の予想を補強する様に、ほぼ現地民であるイザベラが疑問の声をあげる。

 

 

「第二迷宮……ですか。同じ三十六層なら第三のほうがよあらせんか?」

 

「普通はそう思うよな。でも俺達にとっては()()()の方が良いんだ」

 

「……なるほど。確かに私達にとっては第二迷宮の方が良いですね」

 

「メローさん?」

 

「イザベラさんもすぐに実感すると思いますが、御主人様はスキル付きの装備を用意するのが得意なんです。だから第二の方が()()なんですよ」

 

「……コボルトですか」

 

 

 自身に問い掛ける様に呟いたイザベラに軽く頷く。

 

 レーヌ第二迷宮に出現する魔物は以下の通りだ。

 

1Fニートアント2Fコラーゲンコーラル
3Fコボルト4Fチープシープ
5Fグリーンキャタピラー6Fミノ
7Fナイーブオリーブ8Fスパイスパイダー
9Fスローラビット10Fニードルウッド
11Fエスケープゴートメモレーヌ第二迷宮

 

 これは一層から十一層の情報だが、これを()()()()()に直すとこうなる。

 

34Fハントアント35Fコラージュコーラル
36Fコボルトケンプファー37Fビープシープ
38Fホワイトキャタピラー39Fハチノス
40Fパームパウム41Fスパイパイダー
42Fラピッドラビット43Fウドウッド
44Fパーンメモレーヌ第二迷宮

 

 水弱点のアリとコボルトを狙える上にサンゴのカードまで欲張れるのだ。俺からしてみれば狙わない理由が無いわな。

 

 

「連携の確認も含めて十日ぐらいここで粘った後、第四迷宮の攻略を始める予定だ。ここまでで何か質問は?」

 

 

 そう尋ねるとグロリアが軽く手を挙げた。

 

 

「主様。イザベラ様のジョブはもうお決めになっているのですか?」

 

「わっちのジョブ……?」

 

 

 百聞は一見に如かず。イザベラのジョブを騎士に戻し、無詠唱でインテリジェンスカードを出してやる。

 

 

「他言無用だぞ」

 

「……動くエレーヌ神殿みたいなものやあらせんか」

 

「その認識で間違っちゃいないが、俺はそれだけじゃない。だからこそ全部を説明しない訳だ」

 

「なるほど。心の底から理解しましたわ」

 

 

 賢い様で何よりだ。

 

 

「さて、納得して貰ったところで話を戻すが、イザベラにはサギニと同じ暗殺者になってもらうつもりだ。最終的には違うジョブに付けるつもりだが、暫く変更する事は無いだろう」

 

 

 俺の()()が正しければ、最終的には全く違う動きをしてもらう事になるが、騎士としての動きが出来るなら問題ない筈だ。……たぶん。

 

 

「という事は私と同じように毒からですか?」

 

 

 問い掛けてきたサギニに首を振る。

 

 

「いや、イザベラはすでに暗殺者だ。──ほら」

 

 

 無詠唱でイザベラの左手からインテリジェンスカードを生やす。

 

イザベラ ♀ 25歳 暗殺者 奴隷

所有者 赤城光

 

 

「話を聞いた感じ、先代は魔法使いのいないパーティーだったみたいだからな。ボスに毒針を投げていたんじゃないか?」

 

「そうやね。ボスに毒針を投げるのはわっちの仕事でした」

 

「成る程。正規の取得方法で獲得していましたか」

 

 

 納得した様にメローが頷いたところで締めに入る。

 

 

「ま、そういう訳で明日からしばらく稼ぎに入るつもりだ。各自そのつもりで準備を頼む」

 

 

『『『かしこまりました』』』

 

 

 目指せ十日以内に中級職!……間に合うと良いんだが。

 

 

 

 

 正規に購入した訳でもなく、サギニの様に拾ってきた訳でもない。

 

 そんな曖昧な奴隷だからこそ、夜のお勤めはイザベラの自由意思に任せるつもりだった。

 

 それに対し、イザベラは呆れ気味にこう言った。

 

 

「主人さんの種族に引き渡された時点で覚悟するに決まっとるやあらせんか」

 

 

 この世界の普人族に対する認識は『色魔』らしい。名誉毀損で訴えてぇ。……ハーレム抱えてるし、流石に無理か。

 

 何となく納得のいかないモヤモヤした気持ちをイザベラの髪の毛に八つ当たり。長年海風に晒されてきた髪はかなり痛んでおり、初日では『コンディション:最低』を『コンディション:かなり悪い』にするのが精一杯だった。

 

 

「わ、わっちの髪がこんなにサラサラに……!?」

 

「サギニさんの時より汚れはありませんが、髪質に問題ありですね」

 

「海風は頭髪にダメージを与えるという話でしたが、こうやって比べてみると良く分かります」

 

 

 感動するイザベラを冷静に眺め、コメントするグロリアとメロー。サギニは念入りに尻尾の手入れを行っている。

 

 何気に身体の手入れを真剣に行うのはサギニだったりする。グロリアは()()()だから諦め気味に、メローは若さがあるので、そこそこ止まり。

 

 それでも貴族にすら負けない肌を維持出来るのだから現代知識チートは最高だぜ。

 

 

「い、いよいよ体ですか……」

 

「身体を強張らせていると()()()()()()()()ので、最初から脱力した方が楽ですよ?」

 

「それは助言ですか……?」

 

「実体験です」

 

 

 恐る恐る尋ねたイザベラに断言で返すメロー。そういやメローの時は入念にやったんだったか。

 

 という訳でイザベラの身体を洗う。グロリアやメローの大山脈を封印出来る装備(ジャケット)だから余り気にしていなかったが、冷静に考えるとかなりおかしいメロー以下、サギニ以上の山脈を揉んで、揉んで、揉みほぐす。

 

 これぞ主人さん特権というヤツだ。やはり奴隷ハーレムは最高だな!

 

 とはいえ石鹸の泡が消える程度には身体も汚れていたので、泣く泣く全身を泡まみれに変えていく。

 

 褐色の肌に映える白い泡。胸の谷間を滑り落ちていく泡を人差し指で掬う──なんて楽しい遊びが出来る頃には俺の息子も大人しくなってしまった。

 

 なにせ三回洗うまで汚れが落ちなかったからな。前半はまだしも後半は捨て猫を洗ってる気分だったぜ。

 

 くすぐったいのか、イザベラがクネクネ動きまくるから余計にそう思った。

 

 

「うう……もうお嫁にいけん……」

 

「主様の用意してくださる生活に慣れると他に行く気すら起きなくなりますよ?」

 

「私はご主人様以上の暮らしをさせてくれる人は居ないと思います」

 

「私達は奴隷ですからね。望み薄でしょう」

 

「先輩方が冷たい……」

 

 

 自分達で身体を洗い、すでに温泉を楽しんでいる三人からの容赦ない言葉にイザベラがガックリ肩を落とす。

 

 新たな奴隷が来る度に三人の別の一面が見えている気がするな。俺としては好ましいが。

 

 

 

 

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