助けて、ホロメンが俺を離そうとしてこないんだけど…… 作:超気まぐれ星人
ついにホロライブへ復職し、休職直前に加入したのどかと再会した修一。
幼馴染であり退職した友人Aが残したメールに涙するも、その裏にはどこかどす黒い影が……?
どうも、えーちゃんに背中を押され再び前を向くことを決めた修一です。
常に俺の刺激となり、支えとなったえーちゃんとの別れは確かにとても辛い。
でもきっとえーちゃんは信じているんだと思う、俺なら自分がいなくても頑張れるって。
だから俺はえーちゃんの期待を裏切らないために、今自分にできることを全力でやろうと思った。
えーちゃんと共に切磋琢磨し、切り拓いてきたこの道を無駄にしないためにも……
そう気を引き締め、俺は再びパソコンへと向かう。
これから待つのは、過酷ながらも楽しい残業ライフ!
3年ぶりの現場復帰、思いっきり暴れてやるぞーー!!!
そんな俺の背中を、黒い目をして見守る人影が一つ……
はぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜♡♡♡修一先輩ったら私のこと覚えてくれてたなんて……♡♡♡
私を覚えててくれた嬉しさで暴走しちゃうところでしたよぉ〜〜〜♡♡♡
私が活動を開始したのが4月、修一先輩が休職したのが7月末……
3年前、しかも3ヶ月だけ後輩だった私を覚えてたとか、先輩ったら私のこと好きすぎ!!♡♡♡
やっぱり先輩は私のことが大好きなんですね♡♡♡
もう、先輩ったらいけない人なんだからぁ……♡♡♡
私が修一先輩に惚れているように、修一先輩も私にメロメロなんですね♡♡♡
安心して下さい、私以外の女の子に心惹かれる余裕なんて無くしちゃいますから♡♡♡
これからはずっとずぅぅっっっと一緒ですよ、せ・ん・ぱ・い♡♡♡
激重な感情を密かに抱く後輩など露知らず、俺は3年間のブランクを埋めるのに必死だった。
資料の置き場所や進化したシステムを前に、情報を手繰り寄せながら一つ一つクリアしていく。
だが、やはりブランクは重たく俺は苦戦を強いられることになった。
(ここが上手くいかないな……さっきから何度やっても上手くいかない……)
ここ15分ほど、俺は同じ箇所でやり直しをし続けていた。
(こういう時は席を離れてお茶でも飲んで落ち着くことにするか……あそこまだあるのかな……)
そう思った俺は席から立ち上がり、とある場所へと足を進める。
「あった……しかも何も変わってない……」
俺が向かったのは休憩スペース。
社員・タレント関係なしに皆が使う憩いの場で、ドリンクサーバーなども完備されている場所。
仕事で行き詰まった際は飲み物片手にくつろいだり、先客と話していたことが懐かしい。
そんな俺のお気に入りスペースは、3年経っても変わっていなかった。
(すごい懐かしいなここ……何も変わってない……)
そんな懐かしさに浸りつつ、俺はいつものお茶のボタンを押した。
お茶が注がれていく音が響き渡り、俺が本当にホロライブに戻ってきたことを実感させてくれる。
お茶が注ぎ終わり、俺はコップ片手にベッドタイプのソファに腰掛けた。
そばにある窓から外の景色を見つめ、リラックスするのが疲れた時の俺のルーティンだった。
そのほとんどの時間を、大抵はホロメンと過ごしていたのはここだけの話だが。
誰とも話さず、完全に1人で過ごすこの時間は逆に新鮮だった。
ここまで静かな空間は久しぶりかもしれない。
おかげでだいぶ落ち着けた俺は、少し伸びをしてから自分のデスクに戻ることにした。
そうして自分のデスクに戻り手続きを続けていると……
「……修一……」
「……うん?」
声が聞こえたので振り向くと、そこには多くの時間を共にしたすいせいこと星街すいせいがいた。
しかし悲しみと怒りが混じっていたその複雑な表情から明るい感情を読み取ることは難しかった。
「あ……」
「……久しぶり」
「……ああ」
俺にはすいせいの言いたいことが痛いほどわかる。
半年と言っておきながら3年もの間、何の連絡もなしに失踪していたことだろう。
しかしすいせいは発言をためらっているのか、どこか口籠もっている。
すいせいは結構ストレートに物事を言う印象があったからこそ、どこか珍しく見えた。
「すいせい」
俺は耐えかねたことですいせいに向き合い、手を握った。
「すいせいが何を言いたいのかは勝手だけど、それを無理に言葉にするのは違うと思うんだ」
「……うん」
「だから、すいせいの言葉で言って欲しい。俺はそれをしっかり受け止めるから」
「……わかった」
そうしてすいせいは深呼吸をし、俺の目を見つめる。
「私は、私だけじゃなくてみんなもだけど……ずっと、ずーっと修一が戻ってくるのを待ってた。でも約束の半年が過ぎても、1年経っても修一は帰ってこなかった……」
「……」
「あの頃は修一のことを思い出すたびに何かあったんじゃないかって思って、配信も睡眠もままならなくなっちゃってた……でも思ったの、このままだったら修一が戻ってきた時に、合わせる顔がないって……」
「うん」
「だから、これまで以上に配信もお仕事も頑張って、憧れだった武道館に一人で立つこともできた……本当は修一を最前列に招待したかったけど……」
「……」
「修一がいなくてもこれだけ頑張れたから……いっぱい褒めて……?あ、あと……その……」
「もう、私を置いていかないで……?」
「!!」
正直驚いた。
これまでのすいせいもどこか距離感が近いとは感じていたが、まさかそこまで思われていたとは。
「私がホロライブに来ることができたこと、いろいろな経験をさせてくれたのは全部修一のおかげだから……もう、もう絶対にいなくならないで……?」
目に溜めた涙が溢れ、泣き出してしまうすいせいを俺は優しく抱き止める。
「本当に、ごめん……すいせい……」
「ばか……修一のばかぁ……修一だなんて大っ嫌いっ……」
グスグス泣き続けるすいせいを、俺はただ抱き止めることしかできなかった……。
「……落ち着いた?」
「うん……何とか、ね……」
あれから15分ほど、すいせいはずっと涙を流し続けていた。
これまで胸に秘めていた俺への思い全てを、曝け出すように。
「……ねえ修一」
「うん?」
ふと、泣き止みはしたものの以前目が赤いすいせいが顔を上げる。
「私ね、修一がいなくてずっと寂しかったの……でも、それは私だけじゃなかった……」
「……うん」
「……みんなも、ずっと修一のことを待ってたの……」
「……」
「だから……もういなくならないで欲しいの……もう1人にしないで……?」
「……わかった、約束するよ……」
「ほんとに……?約束破らない……?」
「ほ、本当だってば」
「……なら、もう1回ギュッとして……?」
「……いいよ」
ぎゅっ……
「えへへ……修一だー……」
先ほどの心配そうな表情から打って変わって俺の胸に顔を埋め、顔を擦り付けるすいせい。
そんなすいせいを俺はただただ優しく撫でてやるのだった。
こうして、3年という長い時を経て俺とすいせいは再会したのであった……。
しかし俺とすいせいのすぐ後ろで、ドス黒いオーラを放つホロメンがいた……
私は今、二重の意味で信じられない光景を目にしている……。
3年の時を経て帰ってきた愛しの修一さんに、すいちゃんが抱きついている。
修一さんが帰ってきたことは知らなかったし、しかもすいちゃんが抱きついている……。
悔しさ、妬み、怒り。
この3つの感情が私の心の中で蠢きあって、とても苦しい。
どうして、私よりすいちゃんが、先に修一さんとハグできたのか……。
どうして、私に見せない笑顔をすいちゃんには見せてるのか……。
どうして、こんな感情を抱いてしまっているのか……。
なぜ、なぜ……。
そんな思いが私の脳内を支配して、苦しくて仕方ない……。
すいちゃんより私の方が、
今回もありがとうございました。
書きたいものを詰めたら、いつの間にか3000文字を超えてました笑
最後の呟きはいったい誰なんでしょう?
考察等のご感想、お気に入りお待ちしてます!!
追伸:UA1万突破ありがとうございます!!!!!!
これからも頑張りますので是非応援よろしくお願いいたします!!!