水のヒーローアカデミア   作:ていも

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初日なんで複数話投稿です。


第一話

 

国立雄英高等学校。

 

ヒーローを目指している者であれば必ず一度は聞いたことのある、言わずと知れた超が付くほどの名門校。関西の方には士傑って言う西の名門と呼ばれる高校もあるけどまぁ今は関係ないから割愛する。

 

No. 1ヒーローであるオールマイトや、No.2ヒーローのエンデヴァーを輩出し、グレイトフルヒーローになるには雄英卒業が絶対条件とすら言われるほどである。

 

そんな雄英高校、ボーダーはもちろんやばい。ヒーロー科においての偏差値は、安いラノベでももうちょい現実感ある数字だろってレベルの79。正気の沙汰ではない。

 

上鳴に唆されたあの日から月日は流れた。

冬の終わりも近づき、徐々に過ごしやすい日も増えて来た2月の末日。今日はこの雄英高校の一般入学試験が行われる。

 

さてこの一般入試だが、倍率は驚異の300倍だ。合格予定者は36名。推薦組はもう少し余裕ある倍率での競争になるらしいが俺と上鳴がそんなものを頂けるハズもなく、当然のように一般入試での受験となった。

 

英雄の卵たち。その中でもとびきり優秀な、将来の我が国の平和を担う子供たちが集まる今日この日。時同じくして入試会場へと来た俺こと水無月 修と上鳴 電気ももちろん自分こそがヒーローになると言った気概を持ってこの場所へと足を運んでいる。

 

そんな俺の現在の体調はと言うと

 

 

 

 

 

 

「人多すぎる…吐きそう…」

 

「お前はちょっと真面目な語りをした後に雰囲気をぶち壊さないといられない病でも患ってるのかホント」

 

 

 

 

 

 

▼△▼

 

 

 

 

 

 

俺たちは入試会場までの道のりを歩きながら前方にそびえ立つ雄英校舎を眺めていた。ヒーローの頭文字であるHを象った校舎はなんとなく我々思春期男子は変な目で見てしまうよね。頭文字的に。

 

隣を歩く上鳴をチラリと見るとぱっと見は普段通り振る舞ってはいるが明らかに動きが固い。そりゃそうか緊張するよな。…ふむ

 

「はいここで上鳴くんに問題です。ヒーローのスペルはなんでしょう」

 

「は?なんだよ急に。HEROでヒーローだろ?」

 

「そう、HERO。ヒーローはHとERO(エロ)で出来てるんだよ。その前提で考えるとオールマイトとか事案でしかないよね。ガチムチマッチョのHとEROだよ。性欲すごそう」

 

「そんな見方でオールマイトを見てるのはお前だけだわ!なんだその気色悪い発想は!」

 

「エンデヴァーも凄まじいね。寡黙なナンバー2。むっつりってことなのかな。ヒーローチャートを見る目が変わりそうだよ」

 

「ヒーロー科の入試当日にそんなこと言ってるお前を見る目が変わるわ!」

 

「さっきからナイスツッコミ。どう?そろそろ緊張は解けた?」

 

茶化すように問いかけるとうぐっと呻きながら気恥ずかしそうにうるせえと言われた。解せぬ。

 

その時、ポケットに閉まっていたスマホが通知を知らせてきた。

 

「うげっ」

 

某有名チャットアプリの通知欄には俺が今最も見たくない名前が表示されていた。

 

「どったの?例の前の学校の友達?」

 

「そう。まぁ奴は普通科受けるみたいだし今日はいないよ。」

 

「んじゃなんでそんな嫌そうな顔してんだよ」

 

「なんかヒーロー科受けることに対する嫌味が死ぬほど書いてあるから」

 

「お前それ本当に友達か!?」

 

「残念ながらね。ほら行こ行こ」

 

若干戸惑う上鳴の背中を押しながら試験会場であるホールへと向かうことにした。というか漫才みたいなことやったせいで周囲からの視線が痛い。特にこっち見ながら苦笑いしてるあの耳たぶ長い女子。女子の苦笑いは心に刺さる。これ思春期の全男子共通だと思ってる。…そうだよね?

 

 

 

 

 

 

 

▼△▼

 

 

 

 

 

雄英高校の入試は午前中が筆記試験、午後が実技試験となる。本当にこれ中学レベルの問題ですか?って感じのテストとの壮絶な戦いを終えた俺たち受験生は午後の実技試験の説明を聞く為にこれまた規模が半端ないホールへと集められていた。

 

「リスナー諸君!今日は俺のライブへようこそ!エヴィバディセイ、HEY!!!」

 

うわあ。やべえ奴がやべえこと言いながら登場したんだけど何これ。

 

「ほら上鳴、ヘイって言わなきゃ。ほら、せーの」

 

と横に座る上鳴に小声で話しかけると言えるか!と返されてしまった。大丈夫お前に羞恥心とか無いから行ける。こないだも教室でバカでかい声で彼女欲しいって騒いでて女子に引かれてたじゃん。ほら、アーユーレディって言ってるぞ。yeahって言えよ。

 

その後もちょいちょいちょっかい出しながら話を聞いてるとどうやらこれから模擬市街地演習なるものをやるらしい。

 

早い話が10分間でどんだけロボットをぶっ壊せるかを競う競技らしい。あれ?これ勝ったんじゃね?何を隠そう俺の個性は水を操る。ロボットなんて水に沈めれば大抵壊れるだろ。

 

と思ったがヒーローあるまじき行為は妨害対象になるみたいだ。クソ、演習場ごと水に沈めてしまおう作戦はダメなのか。

 

「当たり前だろ。死人が出るわ」

 

ボソッと作戦を呟いたら呆れたように突っ込まれた。今日なんかその目を向けられる機会が多い気がする。解せない。

 

どうやら友達同士で協力させない為に同じ学校からの受験生は別会場になるようだ。まあ当然といえば当然。

 

その後なんかメガネくんが試験説明にこれが最高峰!?ちゃんちゃらおかしいですわ!と難癖付けたりもじゃ男くんにお前妨害厨か!?ああん!?と難癖付けたりとちょっとした事はあったが興味がなかったので割愛。縁があればまた会う機会もきっとあるはず。

 

気がつけば説明会は終わりに差し掛かっておりグラサンハイテンションラッパーから「よい受難を」と空気を引き締められた所で受験生は移動を始めていた。

 

「さーて、頑張ろう。不労所得への第一歩。こんなとこでつまづいてらんないからね」

 

「まだ言ってたのかよそれ…」

 

「何言ってんの。俺は初志貫徹タイプだからね。軸はブレないの。そっちも頑張れ」

 

そう言って差し出した拳に上鳴も任せとけと答えて拳を合わせてくる。

コツンと軽い音が鳴って俺たちはそれぞれの受験会場へと散って行った。

 

 

 

 

 

 

 

やべ、俺の受験会場どこだっけ。

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