水のヒーローアカデミア 作:ていも
お気に入り100件超えててめっちゃ嬉しかったですありがとうございます。
俺たちの戦闘訓練が終わりクラスメイトたちの元へと戻るとオールマイトからの講評が行われた。先の爆豪や緑谷たちのようにダメ出しされることはなく概ね高評価だったのは素直に嬉しいところである。
水無月くんは褒められて伸びるタイプなんすよ。
その後は特に派手な破壊などの問題も起こらず戦闘訓練は進んで行った。昨日見られなかった分クラスメイトの個性をたくさん見ることができて普通に面白かった。
「なぁ轟、八百万ちゃんの個性あれ便利すぎね?やってることほぼドラえもんじゃん」
「…そうだな」
「うわ、耳郎ちゃんの耳ってあんなイヤホンジャックみたいに刺して使うんだね、入試の時では見られなかったんだよアレ」
「…そうか」
「上鳴のやつ相手が女子だからって露骨に手加減してやがるどう思いますか轟さん」
「…ああ」
おいこの紅白縁起物ヤロウ今度こそ低体温症にしてやろうか。
「反応悪すぎだろお前、ちょっとはコミュニケーションってやつをだな」
「…いや、お前が喋りすぎなだけだと思うぞ。むしろちょっと黙っててくれ」
こちらを一瞥すらせずにそう言い放った轟は話しかけんなオーラを全開にしてモニターに集中し出してしまった。
ちくしょう…和気藹々とするにはまだ友達ポイントが足りてなかったか…
▼△▼
教室に戻ると放課後だと言うのにみんな帰る準備もせずに先ほどの戦闘訓練の反省会が始まった。爆豪はさっさと帰ってしまったし緑谷は現在保健室で治療中のためいないが、その出席率は驚異の90%だ。要は2人以外みんないる。
チームを組んでいた者同士でアドバイスを送り合ったりと実に熱心で関心関心。あれ韻踏んでるなこれ。
そんなみんなを横目に俺は帰り支度を整える。
「なんだよシュウ帰んの?」
「授業は授業、放課後は放課後できっちり分けるタイプだから俺。残業はしません」
上鳴にそう告げてカバンを肩にかけようとした時に後ろからガバッと肩を組まれた。
「おいおいおい!そんなこと言うなよ!お前の話聞くの楽しみにしてたんだよ俺!」
振り返ると真っ赤なツンツンヘアーが特徴的な切島がニコニコしながら立っていた。
「私も私も!水無月対轟のバトル超見応えあったし話聞きたーい!」
「ケロ、時間が大丈夫なら私も聞きたいわ」
あれよあれよとクラスメイトたちが俺の周りに集まってきた。なんだか人気者になった気分だ。ちょっと嬉しい。
「時間は全然大丈夫だけど、そうは言っても何話せばいいん?みんなが見た通りの事しかないと思うけど…」
「お前の個性について教えてくれ」
切島が口を開こうとしたところを遮るように声が聞こえたので振り返ると轟が鋭い目つきでこちらを見ていた。
「あれー?リベンジする前に手の内を知ろうなんて随分甘えたことするじゃん」
「せっかくの機会なんだ。聞いておかないと損だろ?」
「…違いないね。まぁ隠すものでもないし教えてあげちゃおうじゃないか」
みんなの方に向き直りその話でいいかと確認すると問題なさそうだった。それじゃあ水無月くんの個性について話してあげようじゃないか。
「それじゃ、水無月くんの個性についての特別講義!はーじまーるよーー!」
「イェーイ!!」
ノリ良く芦戸ちゃんからレスポンスが返ってくる。ありがたい流石の陽キャっぷりだ。
「まずは俺の個性名!『水』で登録してるよ。みずでもウォーターでもアクアでも好きに呼んでね!」
「そこ割とどうでもいいだろ」
「うるさい。んで、次にできることだけど…」
そう言うとコポコポと音を立てて宙にいくつかの水の玉ができる。
「こんな感じで自分の周囲に水を出せる。出した水は自由に操作もできちゃう。ちなみに自分から湧き出すみたいに出すことも可能」
「それで凍った足を溶かしてたのか」
尾白から今日の一幕の話が出たのでそうそうと返事を返す。
「さて、それじゃあ次ね」
水の玉を芦戸ちゃん、切島の手元まで移動させる。
「触ってみ?」
「なんか宙に浮いてる水触るって不思議な感じ〜!冷たくてちょっと気持ちいい!」
「あっつ!?え?全然冷たくねえぞ熱くねえかこれ!」
2人から全然違う反応が返ってくる。
「こんな感じで個別の温度操作もできる。操作できる温度は水が水として留まれる範囲だね」
「なんでそんなややこしい言い方するんだ?」
「水が沸騰する温度って標高によって変わるじゃん?沸騰する一歩手前、凍る一歩手前までしか温度は操作できないのよ」
「なるほどな」
俺の言葉に納得したように轟が頷く。視線を全体に戻し切島と芦戸ちゃんにもう一度水の玉に手をつけるように頼む。
「今から目を瞑るから水の中の手の形変えてみてもらっていい?」
両手で目を覆い念の為後ろを向く。2人はちゃんと言われた通り手の形を変えてくれた。
「芦戸ちゃんの方がチョキで、切島はなんか変な形してるね。小指と薬指だけ立ってる」
「うお!?すげえなどーゆー仕組みだよ!」
「水が触れている部分は感覚的に視えるって感じ。うまく説明できないけどね。例えば俺の出した水の中にビー玉沢山ぶち込んだら何個あるのかとかすぐ数えられるよ。あんま役に立つことないんだけどね」
そう言うとみんなの反応がぴたりと止まってしまった。あれ、なんか変なこと言ったか…?
「水無月さん」
「あっハイ」
八百万ちゃんが凍りついた空気に耐えかねるようにため息をつきながら話しかけてきた。なんかビビって敬語になっちまった。
「役に立つことがない…?バカなことを言ってはいけません。感知機能がついているということは索敵にも使えると言うことですし、救助にも大いに役に立ちます。」
「はぁ…」
「極端な話水無月さんの操る水が付着した瞬間から位置を把握できると言うことでしょう?」
「まぁそうだね」
「例えば災害救助において倒壊した建物の下に逃げ遅れた人がいるのか水無月さんがいればすぐに分かります」
「おお…考えたことなかったな、確かにそうだわ」
「戦闘においてのアドバンテージは…もはや言うまでもないでしょう」
その言葉にクラスメイトたちは皆一様に頷いている。隠れてるやつ見つけるのに便利くらいにしか思ったことなかったけどこれはもっと使い道を模索した方がいいのかもしれない。
「もちろんどの程度の精度で探知できるのかによっても変わりますが素晴らしく強力な個性であることに間違いありませんわ」
凛とした雰囲気から誉め殺しに合いなんて答えていいかわからない。とりあえずありがとうと返しておく。
さて、だいたい俺の個性については話したな…あとなんか言ってないことは…
あった。1番大事なことを忘れてた。
「次が最後だね、俺の個性の最強ポイントと言っても過言ではない特徴…」
俺の雰囲気に教室内に少し緊張が走る。ゴクリと息を呑む音まで聞こえてきた。
「なんと俺が出した水は…飲めます!!」
「「「微妙!!」」」
クラス中の声がハモった瞬間だった。いやなんでだよ。めっちゃ便利だからな?ペットボトルの中にいつでもキンキンの水補充出来るんだぞ。
「そう聞くと確かにすげえけど…」
「なんかここまでの話聞いた後だとちょっと派手さがないよね…」
「ミネラルたっぷり激うま水なのに…!どうして…!」
俺が項垂れていると後ろからポンと肩に手を置かれた。振り返ると上鳴がニヤニヤと俺をみていた。
「言う順番、間違えたなシュウ」
その顔がめちゃくちゃ腹たったのでぶん殴っておいたけど俺は絶対に悪くないと思う。
その後も意見交換会は続き、たくさんのクラスメイトと交流が深まった。なんやかんやで疲れたけどこれからこのクラスで頑張っていこうと思えた1日だった。
水無月の個性説明会