水のヒーローアカデミア   作:ていも

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ルビの振り方わかんなかった。
嘘と災害の事故ルームはルビでUSJって入ってるものとしてください。


第八話

第一回ヒーロー基礎学から数日。午前の授業を終え食堂で日替わり定食を平らげた俺は午後の授業の準備をしていた。

 

今日の日替わり定食はデザートに桃がついていた。学食の値段的にお高い桃ではないはずなのにめちゃくちゃに美味かった。やっぱりフルーツは水分含有量が多いものに限るよね。柿の美味さとかいまいちわかんねーもん。

 

今日はこれから第二回ヒーロー基礎学がある。何をするかは知らないけどきっと実習なんだろ。というかこの時間で体動かさないと頭爆発するんで座学でありませんようにお願いします。

 

「ふぅ…」

 

紙パックのバナナオレを飲みながらここ数日の出来事に思いを馳せる。

 

あの水無月個性披露会となった放課後から起きた出来事といえばクラス委員長が決まったことくらいだ。

 

普通委員長なんて押し付け合いで決まるもんなのに雄英はさすがと言うかなんと言うか、立候補者多数だったことには流石にビビった。上鳴もしっかり立候補してたし。お前が委員長になってクラス引っ張る未来とかカケラも想像できないけど。

 

厳正なる投票とその日起きた騒動での大立ち回りによって、うちのクラスの委員長は飯田となった。ちなみに副委員長は八百万ちゃんだ。

 

落ち着くべきところに落ち着いたと言うか、いざ決まってみると彼ら以外に適正な人材がいないとすら言えるほどだ。

 

実は俺がふざけて上鳴に投票したら八百万ちゃんと同票になって副委員長はジャンケンで決まった、なんて背景もあるんだけどそれは関係のないお話だ。

 

 

▼△▼

 

 

「災害水害なんでもござれ。レスキュー訓練を行ってもらう」

 

第二回ヒーロー基礎学が始まり相澤先生から授業の概要についての説明が行われた。要するに今から俺たちは演習場に行き非常時対応の訓練をするらしい。

 

「コスチュームの着用は各自に任せる。活動を限定するものもあるだろうからな」

 

演習場まではバスで移動となるから準備をして正門前に集合、とだけ言い残すとスタスタと教室から出ていった。

 

さすがは俺たちの相澤センセー今日も合理的の鑑!そこに痺れる憧れるゥ!!

 

残された俺たちは順々にコスチュームに着替えて正門前へ止まっていたバスへと乗り込んだ。到着までは15分ほどかかるらしい。

 

いや、雄英広すぎだろ車で15分の移動って尋常じゃないぞ。今更ながら思うけど我が校の面積バグってるだろどうやってこんなクソ広い土地用意してるんだよ。

 

ていうか一個あたりの演習場のクオリティもやばい。建物とか普通に内装までちゃんと作ってあるし。

 

そもそも入試のシステムからしておかしい。なんだよロボット壊した数に応じてポイントもらえるって。0ポイントはあのサイズからしてお高いのわかるけど、1〜3ポイントのロボだって1台何百万とするのだろう。下手すりゃもっとかかってるのかもしれない。

 

入試だけで一体いくらの損害が出ているんだろうか…

 

この学校の金銭面は卒業生からの寄付と根津校長が担っていると聞いたことがある。確かにプロヒーローは稼げるとは思うけど寄付で賄っている部分は少ないだろう。ってことは校長の力がすげーってことになるんだけど。

 

めっちゃ賢い根津校長ならお金なんて無限に稼げるってことなんだろうか?それとも裏で何かやばいことしてたり…

 

…これ以上はやめておこう。きっと世の中には知らなくていいこともある。

 

「やっぱ派手で強いって言ったら爆豪、轟、水無月だよなぁ」

 

くだらないこと考えていたせいでクラスメイトたちの会話に全く入れていなかったが、自分の名前を呼ぶ声に思わず反応してしまう。

 

「なになに褒めてくれてんの??」

 

「そりゃ、お前は前回のヒーロー基礎学で轟と並ぶ大活躍だったからな!」

 

「ケロッ、爆豪ちゃんは切れてばっかでダメそうだけど水無月ちゃんは人当たりもいいから人気でそう」

 

「んだとゴラァ!!俺が遅刻魔以下って言いてえのかてめぇは!」

 

「ほら」

 

なかなかいい度胸してんな蛙吹ちゃん。あの爆豪に喧嘩ふっかけていくスタイルとは恐れ入った。

 

「テメェもニヤニヤしてんじゃねえぞ遅刻魔ァ!!」

 

おっと、俺にも飛び火してきたか。

 

「プロになってキャラグッズが出た時に売れ残ってたら級友のよしみで買い占めてあげるから勘弁してよ」

 

「なめんな!!増産体制が追いつかないくらいウリ散らかしてやるわ!!」

 

とりあえずひと煽りしたらしっかりキレてきた。こんなにずっとキレてて疲れないんだろうかこいつは。

 

「まぁまぁ!売り散らかしてやるだなんて野蛮ですこと!どう思いますか上鳴さん!」

 

「全く品性というものが感じられませんわね水無月さん!耳郎さんもそう思うのではなくて!?」

 

間髪入れずに乗ってきたなこいつ。人いじってる時異様に目が輝いてるのがキモい。

 

「え、ウチに振るのかよ。…人気を出すためには知性品性が大切ですわよ爆豪さん」

 

ニヤリと笑って隣に座る爆豪の肩をポンポンと叩く耳郎ちゃん。

 

「なんでポニテと同じ喋り方してやがんだてめぇら!!打ち合わせでもしてやがったのかァ!!」

 

「かっちゃんがイジられてる…信じられない光景だ…」

 

「…低俗な会話ですこと」

 

本家お嬢様からは評判が良くなかったようだ。

 

「…どうでもいいがそろそろ到着する。いい加減にしておけお前ら」

 

ギロリと相澤センセーからのお叱りが入りながらも演習場へのバスは道中楽しく進んでいった。

 

 

 

 

▼△▼

 

 

 

「あらゆる事故や災害を想定し、僕が作った演習場…その名も『嘘と災害の事故ルーム』」

 

演習場に着くと早速担当教諭である13号センセーからの説明が始まった。

 

それにしてもすげえ名前だな。なんかの権利で訴えられたら普通に負けそう。いや、営利目的じゃないから訴えられないんだっけ?

 

USJの名を語るなら是非ともホラーナイトも実装してほしい。あらゆる事故想定してるんでしょ?世の中でバイオハザードが起きた時の想定もやろうよ。

 

絶対面白いと思うんだ。ゾンビだらけの街から要救助者救い出す演習とか。ハロウィン特別実習とかないのかな。

 

「始める前にお小言を一つ二つ、三つ…」

 

「まだ何もしてないのにこのお小言の数は授業終わりの講評で泣いちゃうやつやん」

 

「私語は慎むんだ水無月くん」

 

「すまんね委員長。ついつい…」

 

そんなおれの不安をよそに13号センセーから話されたのは至ってまともで極めて正しい個性を扱うものとしての心構えだった。

 

まぁ確かにそうだよね。なんとなくヒーローってヴィランぶっ倒すお仕事感あるけど一歩間違ったら一般の方巻き添えで死人出すのとか造作もない個性持ってるやついっぱいいるし。

 

なんなら上鳴の全力放電とかその辺の街中で使わせたら多分100人単位で死ぬだろう。

 

そういう意味では『ブラックホール』なんて言う殺傷能力マシマシみたいな個性を救助メインで使ってる13号センセーはかなり器用だと思う。

 

間違えてる要救助者ブラックホールのチリにする可能性もあるだろうに…。

 

「以上、ご清聴ありがとうございました。」

 

そんなことを考えていたら13号センセーのお小言は終わっていた。いや、お小言じゃなかったな結構ありがたいお話だった。

 

相澤センセーが俺たちに指示出しをしようと話し出す。

 

その時だった。

 

俺たちの前方に突如として黒い穴が空いた。紙の上に垂らした墨汁のように空間にじわじわと黒が広がっていく。

 

「なんだぁ?」

 

状況がいまいち飲み込めてないクラスメイト達から疑問の声が沸く。

 

「全員!!ひとかたまりになって動くな!!」

 

広がっていく黒の中からワラワラと出てくる異形の者たち。

 

「13号!生徒を守れ!!」

 

相澤センセーの怒号がなくとも前方の奴らが身に纏う空気感を見れば嫌でも分かる。

 

「あれは…ヴィランだ!!」

 

こうして、俺たちの第二回ヒーロー基礎学は始まっていく。雛鳥達には早すぎる、明確な悪意に対する『本番』という形で。




やっと次回からバトル
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