雪梛の一閃   作:雪梛

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月光にてらされて

「おはよう雪梛。貴方も食べる?」

雪梛(せつな)が起きると既に詩奈(しな)が起きていて朝食(カロリーメイト)を食べていた。

「じゃあせっかくだからもらおうかな。これからパン焼くけど欲しい?」

「欲しいわ。チーズも乗っけてほしいわ」

「わかってんじゃん」

二人は台所へと向かいパンの準備をした。

「一枚多くないかしら?もしかして雪梛が2枚食べるのかしら?」

今はパンを3枚分用意して焼いているようだ。

「違うよ。香澄(かすみ)は焼き上がる時に起きてくるから準備しとくの」

どうやら起床時間すらも把握しているらしい。

パンが焼き上がり取り出そうとすると香澄が本当に起きてきた。

「おはよう雪梛。あら、なんだか大きく見えるけど人違いよね」

「その通りよ。結構脳が回ってないけど朝はシャキッと起きられないのね」

「脳が回ったら大事故じゃない」

どうやら寝ぼけているようだ。

起床30秒程度でチーズたっぷりのパンを食べ始めた。

「やっぱりこれは美味しいわね。あら、詩奈じゃない。おはようさんね」

「さっきの記憶がなくなっているわよ」

詩奈は少し呆れながらのパンを食べ切って手を洗って支度をし始めた。

「そういえば初雪(はつゆき)は?みんなの寝起きなんて描写されないからわからないんだよね」

「初雪はまだ寝ているわよ。そもそもこんな朝3時起きしてくる人間は少ないわよ」

「寝てたら活動時間が減ってもったいないのにね。まあいいや。バトルには間に合うように手回ししとくから準備出来次第行くとしようか」

雪梛は打ち込みを終えて亜空間から桜吹雪を受け取って家を出た。

先日通りの開けた場所にゆき準備運動という名の魔物退治をした。

「さてそろそろ来るかな」

雪梛がそういうと気配が一つ発生した。

「なんて感をしているのですか貴方は。お久しぶりですね。極みの旅は順調ですか?」

初雪ではなく世無離(せなつ)が登場してきたようだ。

「あら久しぶりじゃない。地球割りにスライムの止められて貴方の鍛錬は進んでいるのかしら?」

香澄に痛いところをつかれたようだ。

「流石に力押しは予想外ですよ。密度は結構上がってきたのですがね」

そんな話をしているところに初雪が氷の線を滑りながら遅れてやってきた。

「なんて起床速度しているの本当に。まだ始まってなくてよかったよ」

少し息をきらしているようだ。

「さあ登場人物も揃ったことだし始めるとしようよ」

雪梛は結構楽しみそうににやけている。

「そうね。せっかく揃っているのだから面白いものを見せてあげるわ」

詩奈はそういうとポケットからいつ作ったのかわからないコインのようなスライムを出した。

「しっかり心臓を狙うんだよ」

「当たり前よ。貴方を殺して見せるわ」

詩奈はそういうと上空にコイントスをして指を銃の形に構えた。

雷のエフェクトが出そうだが流石に無理だったらしい。

コインが指先に触れると同時に詩奈は一点集中の突きを一発放った。

「ブレイキングショット」

雪梛は突きの瞬間に軌道把握を行いその直線上に腕を流体で動かしておいて待機した。

そして詩奈の放ったスライムと拳が当たる瞬間に流れを統一させた。

「衝撃透過」

今までの物理戦で幾度も活躍してきたこいつの限界を知りたいようだ。

衝撃透過で流したはずの腕にはかなりのダメージが入ったようだ。

「すごい威力だね。でもこれが限界なら少しだけ期待はずれかな」

「結構言うじゃない。でも確かにあの頃の私よりは確実に劣っているわね」

詩奈はそう入っているものの少し肩が震えているようだ。

「きなよ。限界っていうのはね肉体を破壊していけば越えられるんだよ」

雪梛はそういうとミカエルを発動した。

詩奈は雪梛からの攻撃がないと判断したため出し惜しみを無しにするためにグローブを外してスライム装備を外して投げた。

「私を本気にさせたわね。絶対に殺して見せるわ」

どうやら今までにない敗北感を先程もらったらしい。

詩奈は全力で地面を蹴って近づき殴りが効かなさそうなので一度地面を思いっきり蹴り地形を破壊した後に空裂弾を近距離で放った。

ミカエルは立体的視認と見切りと観察眼を発動させて攻撃の意図から次の動作に地面の崩れ方まで全てを把握してあえて空裂弾を食らってショートマイゾーンとシールドでダメージを最小限にしながら距離をとった。

詩奈は雪梛が離れた瞬間に四箇所で流体拳を発動可能にして先程と同じ動作で雪梛との距離を詰めた。

ミカエルは流石に距離が離れていたのか流体拳の発動を確認できず速度感をミスったが雪帰りによる圧倒的感覚強化によりスレっスレで回避をした。

そしてミカエルを解除し雪梛は抜刀して簡易呪文から炎熱魔法に脳内詠唱の雷呪文を発動させながらシールドで反射角度も計算しながら放った。

詩奈は炎熱魔法を左手で破壊して雷の反射をもう片足で速度を出して回避し後は体術回避をしている。

雪梛は一旦簡易呪文を終了させて試したいことをするようだ。

桜吹雪を詩奈に向けて詩奈に対して立体的視認を発動しながら潜在能力を解放した。

詩奈は最後の流体拳でダメージを与えるべく機械をうかがっている。

雪梛は目を閉じながらゆったりと詩奈に近づいていく。

詩奈は空裂弾を流体拳がない方の拳で放ってその瞬間に走り出した。

雪梛は二つの気配をしっかり感じ取りながら空裂弾を二重のシールドで相殺して迫り来る詩奈の拳に剣先を合わせた。

そして貫きを狙うべく目を開けて立体的視認を再度発動してそこから更に無駄をなくすためにコンセントレムを使って正確性を増してそのまま押した。

詩奈の目には雪梛が止まっているように見えた。

そして詩奈の片腕を完全に貫いた。

「地球割り」

詩奈は咄嗟に上空に飛び立ち服を破って止血をした。

雪梛は血を払って上空を見上げた。

「闇より黒くしかし明るい 月光に照らされて光る私の刀には 貴方の姿が映され見える この刀で触れたその時 貴方は 何を思うだろうか」

雪梛が詩を読み終えると刀身が黒く、しかしどこか明るいような不思議な刀に変化した。

そして刀を鞘に収めてから重心をいつもより低く構えて狙いを定め暗がりのフィールドを少し明るくする一閃をはしらせながら雪梛は動き始めた。

雪梛は詩奈が落下中に斬るようで少し上昇しながら滑らかに抜刀して洗練された美しい動きで詩奈を斬った。

「マイゾーン:月光」

詩奈は対応ができなかったのか何も動かずに斬られた。

雪梛は着地すると月に向かって刀を振って血払いをした。

そして鞘に収めて全員の元へと向かった。

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