雪梛の一閃   作:雪梛

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質問会と一閃

「やっぱりここはいいね」

すでに全員着席していて頼んだ飲み物を飲んでいるようだ。

ここに来る最中にどうやら今まで書き記してきた事前知識は全員の脳内に強制的に把握させてきたようだ。

「いろいろと世界回ってきてるけどどこが一番印象的だったの?」

最初に聞いてきたのは言映のようだ。

「私は原初よ。どんな物事であれ基礎というものは一番大切で忘れられないものだもの。あとこの子と長く活動していたのもあるもの」

「そうだね。私ももちろん原初だよ。出発地点は見失うとおしまいだからね」

これを聞いて言映は再度質問をした。

「原初以外だとどこが一番印象的だったの?」

それを聞いて香澄は少々考え始めたが雪梛は即答した。

「私は特殊部隊の世界だね。あの世界はいかれていたけどだからこそたくさんのものが得られたからね」

「私は魔法使い編の世界かしら。あの世界で闇魔法や属性を乗せない魔力など面白いものがいっぱいあったからね」

言映は満足したのか飲み物をのんで背もたれに体重を預けた。

「そしたら今度は私が質問させてもらうよー。一番お気に入りの技をマイゾーンとミカエル以外で教えてー」

今回は最初から制限をかけてきたようだ。

「そうだね。私は観察眼かな。これほど素晴らしい相手を把握する手段はなかなかないからね」

りえはしまったというような顔をしていた。

「私はそうね…立体的視認よ。あれをもとに計算していけば基本的には対処できるもの」

どうやら攻撃系の技は出なかったらしい。

「じゃあ今度は私が。これまでで一番強かった相手は誰?」

この質問に二人は即答してきた。

「甘いね霊斬。そう聞かれたら亜空間の自分って答えるに決まっているじゃん」

「私はもちろんこの子よ。相棒のことが強いと思うのは当たり前じゃない」

次は隠れ強者の朝月の番だ。

「最後はあたしね。あなたたち以外で誰が一番ポテンシャルが高いと思うかしら?」

これにはさすがの二人も少し考え始めた。

「そうだね…私はてんちょうかな。人格形成から私の人格すらも耐えられる耐久性の高さに技の再現度の高さ、あとはダメージの肩代わりだね。変な話私の人格をいっぱい用意してしまえばそこそこの強さになるからね」

「私は静樹かしら。具体的な説明はできないのだけれども絶対何か持っているわよあれ。ちなみに次点で朝月だと思っているわ。ことごとくいろいろな世界に出てくるし観察眼は欺かれるからよくわからないのよね」

案外初期のほうのキャラクターたちに目をつけているらしい。

まあこれまでの行動を考えれば当然ではあるのだが。

「あらもうこんな時間ね。申し訳ないのだけれどもあたし予定があるからここでお暇させてもらいわね」

朝月はそういうとさっさと店を後にした。

そしてその背中を雪梛が観察眼で一瞬のみ見た。

「どうだったかしら?」

「あれは朝月じゃないね。厳密にいえば原初の朝月ではないということなのだけれども」

「そういえばさっきから何で観察眼をかけているの?」

気になった言映が聞いてきた。

「いや、別時間軸の気がしたからちょっと観てみたんだよ。そしたら案の定その通りだったってわけ。そして別時間軸の自分を召喚してまでやりたいことといえば一つは思いつくんだよね」

「さっきちらっとできた世界のことよね。長いからロマンに訳すわね。要はそのロマンの世界にちょっかいをかけるためにこんな面倒なことをしてきたということかしら?」

雪梛は亜空間を生成して中から桜吹雪と紅葉を取り出して腰に拵えた。

「じゃあそういうことだから私たちはここでいったん殲滅編にかえるね。また戻ってきたらその時に話をしようね」

「久しぶりに話せて楽しかったわ。また次回会うとしましょうね」

雪梛と香澄はそういうとさっさと入っていってしまった。

「あれ、私たちの出番、これだけ…」

そんなセリフは雪梛の耳には届かなかった。

 

 

 

「…まあ答え合わせはせんでもええよな」

聞き覚えしかない独特の喋り方をする少女の3m程背後に雪梛たちは出てきた。

「人様の物語に干渉しまくって覚悟はできているのかしら?ロックはしておいたから覚悟なさい」

香澄がそういい終えると二人は重心を低く構えた。

「暗きフィールドに二つの光 青と赤の対エネルギーは 混ざりあいて白となる この一閃を見た後に 貴方は 何を感じるかな」

詩を読み終えた瞬間に二人はシンクロした動きで動作を開始した。

体重の移動の仕方から握る位置、力の入れ方などすべてを同じ動作でこなしててんちょうに接近していく。

鞘から流れるかの如く出てきた刀身は月の光で美しく光る。

そしてそのまままるで障害がないかのように刀を振り切って鞘に納めた。

「「マイゾーン:一閃」」

てんちょうははねられた首から血が出る前に消滅したようだ。

「血の描写が面倒だからって変なことするわね。もしかして余裕なのかしら」

香澄は二人の存在に気付いた。

「これは、うちのあほが大変ご迷惑をおかけしたわね。私は雪梛の相棒の香澄よ。また会ったときはよろしく頼むわ」

「ごめんね変なのが迷惑かけて。じゃあまたね」

そんな感じでてんちょうのぼこしパートは毎度おなじみのスピード展開で終わったようだ。

まあまだまだ死んどらへんのやがな

 

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