いきなりアルノサージュのネタバレが・・・
「えっと…まだ、繋がっているよね?」
少女【イオナサル・ククルル・プリシェール】は目の前にいる白銀のロボット【アーシェス】に話しかける。
イオンとアーシェスの出会いは偶然とも言えるものだった。彼女が幽閉されていた世界の端末と偶然繋がり、そこでの生活を見守りながら彼女の破壊された記憶を修復しながら彼女の過去を知った。
そして全ての記憶を思い出したイオンは、自身の脳裏に浮かび開発したロボットに端末の機能を移動させる方法を模索した結果、見事端末の機能をロボットに移すことに成功し、幽閉されていた世界からの脱出に成功する。
その後、移民船ソレイル内のガーディアンロボットである【ES-45カソード】として起動し、再会したイオンにアーシェスという名を付けてもらい、共に行動を開始した。
一連の出来事を経て、アーシェスが大破してしまうこともあったが、イオンの仲間たちの協力によって新しいボディを得て復活し、再びイオンと共に戦い、仲間たちと彼女の惑星創造の詩魔法で新たな惑星【新生ラシェーラ】を生み出すことに成功した。
「あのね……サーリちゃんが、もうすぐ接続が切れると思うからって言ってたの。……でもね、急にあなたがいなくなったら私…耐えられないかもしれない……だから、ちゃんとお別れをして、私から電源を落とそうと思って……」
イオンの言葉にアーシェスは黙って聞いている。そもそもアーシェスはイオンのいる世界で言う“七次元先にいる意志”によって操作されるロボットであり、イオンが幽閉されていた精神世界で繋がった端末の相手も七次元先の存在であった。
「ずっと独りぼっちだったけど、あなたがいてくれたから寂しくなかったよ。今もあなたと話していると安心できるの……なんだか、このまま接続が切れちゃうなんて信じられないよ…」
【これからも見守っている】
「うん、ありがとう。そう言ってくれるだけで、私は一人じゃないんだって思える。きっとこの先、この世界でいろんなことが起こると思うけど、ずっとあなたが見守ってくれるんだね。うん!なんだか、凄くワクワクして来たよ!きっとこれから、楽しい事がいっぱいあるよね!」
もうすぐ接続が切れて別れが迫っているアーシェスに、イオンはこれからも見守るというアーシェスの言葉に笑顔でこれからの事を話す。
しかし……
「……ごめんなさい……」
その一言を皮切りにイオンの表情が徐々に曇っていき、彼女の瞳に涙が溢れ出してしまう。
「やっぱりダメ……電源を切るなんて、出来ない!」
両手で顔を隠し、泣きだしてしまうイオン。
「あなたと離れたくない!私、ひっく……あなたがいないと、また独りぼっちになっちゃうよ……」
【イオンは独りぼっちじゃない】
大粒の涙を流しながらアーシェスと離れたくないと訴えるイオンに、アーシェスはイオンに近づいて膝を折ると目線を合わせ、彼女の頭を撫でながら自身の意志を伝える。
「ごめんなさい……ずっとあなたと一緒にいたいのに……私、絶対にあなたの世界にいく!あなたに…会いに行くから!!だから、その日まで、さようなら……」
アーシェスの意志が伝わったイオンは啜り泣きながらも七次元先にいるアーシェスを操縦している存在に会いに行くと宣言すると、イオンは指で涙を拭いた。
「最後は…笑顔でお別れしよ?今まで、本当にありがとう!ずっとずっと、私を支えてくれたあなた……大好きだよ!!」
いくら拭いても止まらない涙で顔がぐしゃぐしゃにしつつも、イオンはアーシェスに向けて最高の笑顔を見せる。そしてアーシェスの頭部に手をかけると、そっと電源を落とした。
-WARNING--WARNING--WARNING--WARNING--WARNING--WARNING--WARNING--WARNING--WARNING--WARNING--WARNING--WARNING--WARNING--WARNING--WARNING--WARNING--WARNING--WARNING--WARNING--WARNING--WARNING-
電源を切られたことで画面が歪み、映像が切れた瞬間、突然警告音と共に-WARNING-という単語が現れ、画面いっぱいに赤く光り出す。
そして再び画面が歪み、映像が途切れた・・・・・・・・
広大に広がる海にポツンと存在する島がある。いや、島というより人工的に作られた施設のようにも見える。
そこの施設の地下へと続く階段をコツコツと二人分の足音が響き渡る。
「それでエマ監視官。この辺りか…施設の動力区画の近くで妙な扉があったっていうのは?」
「はい。調査した結果、過去にアルゼナルが建設される以前からあったモノだとローゼンブルム王家からも調査結果が出ています」
この島…ローゼンブルム王家と呼ばれる国の管轄であるここ【アルゼナル】と呼ばれる軍事施設の総司令官を務める【ジル】と、当施設の管理官を務める【エマ・ブロンソン】はアルゼナルが軍事基地になる以前から存在していたという扉の前に立っていた。
「それにしても、なんで今になってこの扉のコンソールが動き出したのか……」
「まあ、開けてみれば分かるんじゃないか?」
エマが目の前の扉について考えているのを他所に、ジルは扉の横にあるコンソールを操作して扉の開閉スイッチを押した。
開閉スイッチが押されたことで扉がゆっくりと音を立てながら開き始め、ジルとエマは扉の中へと入っていく。
室内へと入ると、中央の方に何やら塔のような物体が淡い光を放ちながら設置され、その物体の前にタッチ式のコンソールがあった。
ジルはそのコンソールの前に立つとコンソール画面に塔のような模様の下にOSという文字が表示されていることに気づき、試しにコンソール画面に触れてみる。すると何かの機動音と共に模様が左上に移動し、緑色の文字情報がどんどん表示されていく。
そして室内の電気が全て点いた時、ジルとエマは驚きの声を上げた。
「こっ、これは!?」
「黒い……パラメイル?それに……」
ジルとエマが目撃したのは、このアルゼナルで運用されている【パラメイル】と呼ばれる機械と酷似した黒い機体と、円状の土台の周囲に幾つもの板が付けられた装置に金色の人型ロボット【ES-45カソード】が鎮座していた。