アルノアンジュ ~天使と機械と竜の輪舞~   作:京橋

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 とりあえず時間が取れたので投稿。

 これ書く前にオルタの続きが気になると思う方がいるかもしれませんが、
 少々お待ちください……


 何だか一人称を書くのって難しい…と思う今日この頃……





EP-01 ノーマとロボット

 

 

 

 

 

 

 

 ザーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 【目の前が砂あらしで何も見えない……】

 

 10分経過………

 

 【イオンに電源を落とされてからずっとこの調子だ……】

 

 1時間経過…………

 

 【………………】

 

 さらに時間が経過………

 

 

 

 

 

 

 プツン………

 

 

 

 

 

まるでテレビの電源が切れたかのように砂嵐が消え、静寂が訪れる……

 

 

 

 

 

 

 

 

『サージュコンチェルト・ターミナル反応を確認……非常事態に付き、強制的に接続を開始します』

 

 暫くすると、聞き覚えのあるアナウンスと共に再び画面が表示され、画面内に様々な数列や情報が表示されていく。

 

 そして若干のノイズや映像の乱れがあるにしても、何処かの室内に自分がいることに気づいたアーシェスは、周囲の状況を確認しようとした。

 

「…これは、何故パラメイルがここに?それに通常のグレイブよりも一回り大きいみたいですが?」

 

「かなり古い機体のようだが、見た目はアレと違って何処も錆びたりしていないな…」

 

 アーシェスは聞こえてくる声の主を探そうと視界を動かしてみる。すると聞き慣れた機械音と共に視界が動き、首を左、右へと動かして声の主を探す。

 

 その時、映像の乱れが収まってしっかりとした映像になり、機械音を出しながらサージュコンチェルト・ターミナルで鎮座していた体が自動的に立ち上がり、視界が高くなった。

 

「ん?何だ、今の音は……」

 

「後ろの方から聞こえたようですが……」

 

 黒いパラメイルを眺めていたジルとエマはアーシェスが立ち上がった際の機械音に気づいたのか、パラメイルから視界を外し後ろに振り返った。二人の視界に入ったのは、彼女らを見下ろす一体の人型ロボット、アーシェスだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アーシェスSide

 

 

 体が自動的に立ち上がり、映像がクリアになった事で周囲の状況が鮮明に把握できたことで僕は自分の状態を確認するため自分の両手を眺めてみた。

 

 見た感じでは以前イオン(正確にはクラケット博士)が作成したES-45カソードタイプのボディではあるようだけど、左腕の所に小型コンソールのようなものが付いており、左端にPとSをくっ付けたようなマークの入った小さなスイッチが付いていた。

 

(なんだコレ?こんな装置、以前は付いていなかったのに……それに何だかボディも、よりスマートになってる?)

 

 左腕のコンソールを眺めながら自分の肩や両足も確認してみると、ソラでプリムに操られた衛星兵器のビーム攻撃で大破したES-45カソードタイプのボディより軽量化された仕様になっているようだ。

 

「なっ、何だ!このロボット、動くのか!?」

 

 女性の驚いたような声が聞こえ、声のあった方を見ると、そこには黒髪でポニーテールのロングヘアーの女性と、眼鏡を掛けた如何にも真面目そうな女性の二人が僕の方を見て驚いた表情をしていた。

 

【あの…あなた方は誰ですか?】

 

 僕はものを尋ねる仕草をしながらイオンやソレイルの人達と会話する要領で二人の女性に語り掛けてみた。

 

「えっ!?…今、頭の中に誰かの声が……」

 

「監察官も?…一体誰が…何処にいる!?」

 

 突然の声に驚いた二人は周囲を見渡して声の主を探しだした。

 

【僕ですよ。目の前のロボットです】

 

 どうやら気づいていない二人に、僕はもう一度同じ要領で想いを送ってみた。

 

「っ!?まさか…お前か?」

 

「このロボット…もしかして自分の意志を持っている!?」

 

 ようやく自分自身に語り掛けている相手が僕で分かった様子で、二人は僕をマジマジと眺め始めた。

 

 そんなに僕のようなガーディアンロボットが珍しいのだろうか?……まあES-45カソードタイプのガーディアンは珍しいだろうけど、眺めている二人の女性は、まるで初めて見るかのような様子だった。

 

 そこで僕は二人にある事を尋ねた。

 

【ここはソレイルですか?】

 

「ソレイル?何だ、それは?」

 

【宇宙移民船の名前ですけど……】

 

「宇宙…移民船?というか、宇宙ってなんですか?」

 

 黒髪の女性に今いるこの場所が移民船ソレイル内の何処かの区画なのかを尋ねてみたが、彼女はソレイルという言葉を初めて聞いたかのような表情をし、隣にいた眼鏡の女性は宇宙なんて知らないと言い、逆にこちらに訪ねてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから幾つか彼女らに話を交わしたアーシェスは、今後のことについて話を持ち掛けてみたが、今日の所は一先ず戻るとジルが話し、エマもジルの提案に同意したことで二人は部屋から出て行った。

 

 ジルとエマが出て行ったことで一人になったアーシェスは、再びサージュコンチェルト・ターミナルに鎮座して動きを止めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから数時間後、再び再起動したアーシェスはサージュコンチェルト・ターミナルから立ち上がると、室内を歩き回ることにした。

 

 まずアーシェスが目にしたのは、戦闘機を思わせるような形状をした黒い機械がライトアップされていた。そしてその機械の上を見上げると幾つものアームらしき物体が何本も折り畳まれた状態で待機していた。

 

 まるでSF映画などに出てくる戦闘機のメンテナンスアームのように……

 

さらに室内奥の中央に設置されている中型の真空管が左右に付いた大型の真空管……青白く光る物体はどう見ても【アルノサージュ管】そのものだった。

 

 アルノサージュ管は移民船ソレイルの最上部に位置する【星詠台】と呼ばれる場所に設置されていた外世界…すなわち7次元を超えた場所から様々なエネルギーや想いを交換し合うことのできる驚くべき装置だった。

 

 そしてソレイルが半永久的に機能を維持していられた理由としては、アルノサージュ管の機能である“別次元からエネルギー供給”している点であろう。この機能のおかげでソレイルは宇宙移民船として動いていたのだ。

 

 だが、ここにあるアルノサージュ管はソレイルにあったアルノサージュ管とは若干形状が変わっているように見える。

 

さらに真空管の下の方を見てみると操作盤であろうコンソールと、何かのボックスのようなものが接続されているような感じで、ボックスと合わせて一つの装置として機能しているようだった。

 

 アーシェスは試しにボックスの開閉スイッチを押してみようとした時だった。背後にある出入り口の扉が開き、ジルとエマが姿を現した。

 

「おや、謎のロボット君は随分早起きじゃないか」

 

 ジルの言葉にアーシェスはスイッチを押そうとしていた手を止め、ジルとエマのいる方に振り返った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アーシェスSide

 

 

 

 

 

 

 数時間前に出会った女性二人が再び僕の前に現れた。

 

「そういえば自己紹介がまだだったな。私はジル、ここアルゼナルの総司令をしている。そしてこちらが……」

 

「アルゼナルの監視官、エマ・ブロンソンといいます」

 

 黒髪の女性ジルは割と普通な口調で……眼鏡を掛けた女性エマは警戒心を含んだ口調で僕に自己紹介をしてきた。

 

しかし“ジル”と言う名前に僕は若干身構えてしまった。何せソレイルで敵対し、【母胎想観】となって人々の魂を吸収し続け、自身を神だと名乗った【ジリリウム・リモナイト】と同じ呼び名だったのだ。

 

 まあソレイルで戦ったジルと、目の前にいるジルと名乗る女性とは明らかに違うと分かっているが、少し違和感を覚えてしまう。でもすぐにそんな先入観を捨てて僕も自己紹介する。

 

【アーシェスといいます。よろしく】

 

 僕はすぐに頭を切り変え、自己紹介してくれたジルさんとエマさんに頭を下げて自己紹介で返す。しかし相変わらずエマさんは直接心に語り掛けられる感覚に慣れないのか、未だに少しびっくりした表情になる。

 

でも、ジルさんはエマさんとは違い、全くと言っていいほど普通の表情をしていた。順応力が高いのかな?

 

「アーシェス?それがお前の名前か……まあいい。あの後、監察官と話し合ったのだが、お前をアルゼナルに案内することに決めた」

 

「私としては不本意ですが……このような奇妙なロボットを置くのは…」

 

「いずれにしても、ここに放置しておいてもコイツが起動した以上、勝手に外に出ていく可能性もある。そうなって騒ぎになるよりかはマシだろう?」

 

「それは…そうですが……」

 

 ジルさんから今後の僕の処遇の事を伝えられ、エマさんは不満そうな表情をしている。まあ、確かにこのまま放置なんてことになったら我慢しきれず状況確認のためにコッソリ外に出ていくかもしれない。

 

「そういう訳だ、ついてこい」

 

 僕は心の中でそう思いつつ、ジルさんとエマさんが部屋から出ていくのを追いかけるように外へと向かった。

 

 僕が扉の外へと出ると扉が音を立てて閉まり始めると同時に室内の灯が消えていき、最後にはアルノサージュ管のみが淡い光を放っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それからアーシェスはジルとエマの後を付いて行きながら長い階段を上がっていく。随分と長い階段を上ってきたと感じたアーシェスは自分がいた場所が地下の方だったのかと思った。

 

 暫く階段を上がっていくと徐々に灯の見える扉が見え始め、ジルとエマが階段を上りきり、アーシェスも階段を上りきると……

 

そこにはヘルメットを被り、忙しく動き回る人々と、先程自分がいた部屋と似たような機械が何機もリフトに乗せられた……如何にも格納庫と呼べる場所だった。その光景にアーシェスは暫し唖然としていると、目の前にジルが現れた。

 

「ようこそ、ここがアルゼナル……我々ノーマの軍事基地であり、収監所だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アーシェスSide

 

 

 

 

 

 ジルさんの言葉に僕は思わずジルさんを見た。

 

……軍事施設?

 

……収監所?

 

それにノーマだって?

 

 今まで聞いたことのないワードに、僕はジルさんに色々と尋ねることにした。

 

「ん?何か聞きたそうだな?」

 

 僕は軍事施設や収監所以外に聞き慣れない言葉である“ノーマ”というのが何なのか尋ねることにした。

 

【ノーマというのは?】

 

「ノーマとはマナの使えない人間の事だ……といっても、人間として認識されていない“野蛮なモノ”…だがな」

 

 ノーマが野蛮?…それに人間として認識されていない?一体どういうことなのか……さらに僕は質問を続けた。

 

【マナとは?】

 

「マナと言うのは、どんなことも出来る魔法のようなモノ…そしてこの世界における人間として生きる為の絶対条件さ。そこにいる監察官もマナが使える」

 

 マナが使えることが人間としての絶対条件?ますます訳が分からず、話を振られたエマさんはスッと右手を前に出した。

 

「マナの光よ」

 

 エマさんの言葉に反応するかのように彼女の身体が翠色の光を放ち始め、それに反応してか近くに置かれていたスパナやドライバーなどの工具の一部が同じ翠色の光を放ち、フワリと浮かび上がった。

 

「これが【マナ】だ。そしてこのマナを……」

 

 ジルさんは浮かび上がる工具を一度下ろすようにエマさんにサインを送り、次にエマさんはジルさんに向かって手をかざした。するとジルさんは四面の三角形のような形をした結界に閉じ込められてしまった。

 

 そしてジルさんは何事もないように結界の壁に向かって一歩前に歩き出し……彼女が壁に触れた瞬間、結界は粉々に砕けた。

 

「このようにマナの干渉を受けない…或いは使えないモノが【ノーマ】と呼ばれる存在だ」

 

 粉々に砕けたマナの結界はその場で消滅し、ジルさんは懐から煙草を取り出し、火をつけて一息ついた。

 

 その時、僕はある事に気づいた。ジルさんが煙草を持っている右腕が人の腕ではない、鉄の腕だったことに……

 

【あの…ジルさん、その腕は?】

 

「ん?ああ、コレか…戦いの中で失った傷痕さ…」

 

 先程まで上着で隠れて見えなかったけど、ジルさんの右腕が義手であり、戦いの中で失ったと話す。ということは、この世界でも“何か”と戦っているのだろうかと考えた時だった。

 

「ジル司令!」

 

 何処からか少女の声が聞こえ、僕は声のあった方を向くと、一人の女の子がジルさんに向かって駆け寄ってきた。

 

「メイか、丁度良かった。コイツが昨日話した例の掘り出しものだ」

 

「これが?うわぁぁぁ…ホントにロボットだ!ねねっ!何かしゃべってよ!!」

 

 ジルさんにメイと呼ばれた少女は僕を見上げながら一周し、目をキラキラさせながら話しかけてきた。

 

【どうも、アーシェスです】

 

「わわっ!?ホントに心の中に声が聞こえた!!あっ、私はメイ。第一中隊の整備班長をやってるんだ。よろしく!」

 

(ええっ!?この子が整備班長!?)

 

 膝を折って彼女、メイと視線を合わせて挨拶した僕に、やたら興奮気味にメイは自己紹介しながら右手を差し出して握手を求めてきた。そんなメイに僕も握手で返しながら、どう見ても幼すぎる容姿のメイが整備班長をやっていることに内心驚いた。

 

 いや…見た目で判断するのは失礼だろう。現にソレイルで出会った【サーリ・ブランク】は、見た目は10歳くらいの少女だが、過去にヒトガタと呼ばれる人工的なジェノムになった事で成長が遅くなり、実年齢は20前後だったのだ。

 

 恐らく彼女もそういった見た目が“発育の悪い子”の運命を背負ってしまった者の一人なのだと理解した。

 

 

 

 

 そんな何気ない会話をしている時だった……あの警報が鳴り響くまでは………

 

 

 

 

 

 

 






 ここで簡単にこの小説版アーシェスの簡単な設定を……



 ES45カソード(アーシェス)

 本作の主人公。かつてソレイルと呼ばれる宇宙移民船での戦いを経て、新生ラシェーラが誕生し、全ての役目を終えた後、パートナーであるイオン(イオナサル・ククルル・プリシェール)の手で電源を落とされ機能を停止した人型兵器。
 機能停止し、もう目覚める事はないはずだったが、次に再起動した時には何故か大破したはずのES-45カソードの姿で、世界の辺境に位置するローゼンブルム王家管轄の対ドラゴン用軍事基地【アルゼナル】の地下施設の封印された区画内の【小型サージュコンチェルト・ターミナル】で目覚めた。
 だが、ソレイルで作られたES-45カソードとは装甲や背部に何かに接続するような複数のプラグ端子、左腕にコンソールユニットが付いているなど一部仕様が変わっており、よりスマートなフォルムに変更されていた。 
 しかし以前のようにずっと動き続ける事が何故かできず、一定期間にサージュコンチェルト・ターミナルでメンテナンスを行う必要がある。メンテナンス警告は左腕の小型端末から発せられる。

簡単に言うと本来のアーシェスの装甲がガンダム種に出てきたプロトアストレイのように前面に装甲が集中している感じ?




 
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