型月世界はモブに厳しすぎる   作:音割れまーに

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すこしシリアス?サブタイの意味は察してください…(遠い目)


“幼馴染”

 

これは善が起きる少し前まで時は遡る____________

 

 窓から差し込んでくる柔らかな、それでいて薄い朝焼けの光で私は目が覚めた。

 結露で濡れている窓から顔を覗かせた空模様は、なんとも言い表せない美しさを感じる空色だった。

 ふと、温度計を見やると気温は3度前後を示しており一月らしい容赦のない寒さを感じさせていた。朝食時にはまだ早すぎる時間帯だった。

 

「眠いし、二度寝するか……」

 

 だけど二度寝をしようと布団を被り、瞼を今一度閉ざすも数分経っても眠りを再開できなかった私は諦めて起きる事にした。

 

 登校まではまだ随分と時間はある。偶にはそのままベットでダラダラ過ごすのも、それはそれで気持ちのいい朝なのかもしれないし、早朝に外で過ごす予定も事情なんて一切ない────

 

()()()()()()()

 

「…そうだった。あのバカ叩き起こしに行かなきゃ…今日確か日直でしょ…?」

 

 正直あと1時間くらいはベッドでだらだらして過ごしたかったのだけど、お隣のアイツ(バカ)は寝起きが頗る悪かった筈なのだ。

 

「…………仕方ない。」

 

朝食はアイツの家で食べるとして…朝の気分的にはトーストとサラダ、スクランブルエッグでいいか、なんて考えながら身支度を済ませて制服に着替えた私は玄関に向かった。

 

「寒ッ────」

 

 玄関に向かって冷えた廊下を歩く。正直寒さには慣れているつもりだったけど、やっぱり寒いものは寒い。

 

 玄関から外に出ると隣の家に向かって歩みを進める。

 

「もしかしたら起きてるかな」

 

______なんて私は多少の期待を持ちながら家の呼び鈴を押した。

 

…。

 

……。

 

………。

 

三度呼び鈴を押しても家からは誰も出てこない。四度目を押そうとした時私は思い出した。

 

「そういえばアイツのご両親、海外に行ってるんだったわ」

 

 鍵はかかってるかな…?と試しに玄関の扉のノブに手をかけて引いてみるとガチャリ…と、簡単に開いた。

 

「たくっ…不用心なんだから」

 

そのまま私は家に上がり込むとアイツの居る部屋の前まで向かった。

 

______

 

ダン!ダン!と部屋の扉をお構いなしにノックする奴。もしかしなくともアイツが部屋の前に来ている。

 

やばい…なんで部屋の前に…?あ、そういえば今日は日直だった。早く()()()()()()()()

 

 そして俺は布団を再度被り直した。

 

「ほら!起きなさい!アンタ日直でしょ!さっさと起きる!」

 

 凛とした、それでいて快活な声で扉を開いて中に入ってきたのは赤い悪魔と呼ばれる()()()その人だ。

 

「…へいへい」

 

俺はそんな軽口を叩いて生理現象たる背伸びをしながら布団から体を起こした。

 

「起こしに来てあげたんだから、朝ごはん。アンタん家で食べさせてもらうわよ、それじゃ時間もいい頃だし早速ご飯にしちゃいましょ?」

 

食事後______

 

 朝食をとった後、俺は凛と2人で通う高校に向かって通学路を歩いていた。

 

 説明が遅れたが、俺と彼女は所謂()()()という奴だ。

 

 話せば長くなるのだが、俺と彼女が知り合うに至った経緯は親同士が仲が良いという…そんなありふれている物だった。

 

 いや、俺だって正直なところ彼女と幼馴染になるとは思ってもいなかったし、なんなら世界線も月姫なのか魔法使いの夜なのか空の境界なのかも把握していなかった。

 

だが神の悪戯か、俺は原作ヒロインの1人である遠坂凛の幼馴染という美味しいポストにありつけたのはデカかった。

 

 今自分が存在している世界線を知った時、俺は齢5歳ほどしか経っていなかったが行動に移る事にした。時系列的には第四時聖杯戦争が始まるだいぶ前だった。

 

ん?なら急ぐ事は無いのでは?と言いたげだろうが、今後起きる事を対処する為にも直ぐに迅速かつ、速やかに行動に移す他ない。

 自慢じゃ無いがなんせ俺は死ぬほど弱い。

当時は魔術に対して右も左も分からない迷子状態だったからな…(遠い目)

 

そんな俺が最初にとった行動は幼少期の遠坂姉妹と仲良くなる、というタスクをこなす事だ。

 まあこれに関しては意外や意外、思いの外うまく行った。

 

うまくいった具体的な理由は、親がお互いの子供の初顔合わせ……が表向きな理由。

 …表があるということは当然裏もあるわけでその実、《子供自慢大会》という魔術師らしいというかなんというか…自分の子供どちらが魔術師として秀でているかの親のプライドと魔術師のプライドを賭けた代理戦争が勃発していた。

 

 親父、俺クソ雑魚ぞ?

 

こんな息子に期待している所悪い、俺クソ雑魚ぞ??(大事な事なので2回言いました)うちの親はどんだけ親バカなのか…それとも親父の目はガラス玉で曇っているのか…

 

 親同士のプライドを賭けたなんちゃって代理戦争に興味はなかったのだが、正直今後1、モブである俺が聖杯戦争やそれに伴って偶発的に起きるイベントから生き残る確率を上げる為に頑張ることを決意した。

 

 だが、現実は無慈悲で残酷だ。

 

模擬戦による魔術くらべの勝負は当然の如く完敗。さらに体術ではこちらが触れる前にボッコボコにやられた。やられ姿はサ◯バイマンに自爆されたヤム◯ャのように倒れ伏していた。

 

 そんな無様極まるやられっぷりにお前の息子はその程度かと優雅たれおじさんには鼻で笑われるわ、見かねた桜ちゃんに弱い物いじめはダメ…!と庇われてしまうわで…男の尊厳は破壊され尽くした。

 

俺のライフはもうゼロよ!!!

 

 おっと、ならなんでうまく行ったんだ?と聞きたそうだね?その理由はこうだ。

 

 

 

なぜか遠坂姉妹に気に入られた。↑???????????????

 

 

 

 いや、本ッッッ当にこれに関してはわからんとしか言いようがない。もしかしてあれか?戦ってる最中に遠坂姉妹の琴線に触れる物でもあったのか…?などと柄にもなく当時の俺はそう考察をしていた。

 

まぁ…気に入られたのならそれはそれとして良しとして、ボッコボコにされた日の次からという物、あれから毎日のように遠坂姉妹がうちに遊びにくるわ、山や川とか商店街とか…どっかあちこちに連れまわされるわで、波瀾万丈の毎日を過ごしていった。

 

だが、その日(イベント)はついぞやってきた。

 

 そう、第四時聖杯戦争や、それに連なるイベントだ。

 

 挙げればキリが無いのだが、アサシンによる遠坂邸襲撃事件や、優雅たれおじさんが歴史通り麻婆神父にアゾられたりとか…葬式は俺も勿論参列した。

何はともあれ色々と良くしていただいた恩もあったからだ。

 

 だけど、個人的に1番回避させたかったイベント。桜ちゃんが間桐家に売られるというイベントは俺の裏工作や時臣おじさんに直接の直談判なども虚しく、桜ちゃんは歴史通り間桐家に売られてしまった。

 

気色の悪いアノ蟲蔵で、毎日の様に執り行われる()()という名の拷問の実態を原作で知っておきながらも……

 

 

………悔しい事に俺はそのイベントを回避する事はできなかった。

 

 

 

 

 今でも夢に見るのだ。売られる当日の桜ちゃんのあの瞳を____________今でも俺は忘れられないでいた。

 

 

 

 

 

冷たく絶望に染まった______こちらを見遣る暗い水底のようなあの瞳が______

 

 

 

 

 

____________俺は何も出来なかったのだ。

 

 

 

 

 

 

これから起きるイベントを知っていたにも関わらず……出来の悪い俺を、まるで兄の様に慕ってくれたそんな桜ちゃんが____________ただ連れて行かれるサマを俺は唯、指を咥えて見ている事だけしか出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 俺は自分の無力さを______非力さを____________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__________________ひたすらに呪った。

 

 

 

 

 

 

 

______

 

 

 

Q.こんな感じのシリアスでいいかい?

  • A.人の心とか無いんか?
  • A.いいぞもっとやれ(愉悦部)
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