ハイスクールD×F×C   作:謎の旅人

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第0+話 私の転生後の蛇足的な話

 少女が転生をしたのを見届けた神様は早速、準備に取り掛かった。

 神様は自分の目の前になにやらモニターを出して、それを指で操作する。

 モニターには少女についてや少女の前世についてのことが全て書かれていた。少女についての情報は性格、スリーサイズなど個人に関わることは全てだ。そして少女の前世については秒単位で少女の行動が書かれていた。

 神様はそれらを一瞬で理解することができる。

 神様はそれを見た後、少女の特典などを設定し始めた。

 まず少女が転生した直後の設定からだ。

 

「ふむ。やはり赤ん坊からじゃのう」

 

 別に少女の姿で転生させてもいいのだが、神様は彼女の前世に書かれていたあることを考えて赤ん坊からにした。

 それは彼女に両親がいないということだ。彼女は孤児院育ちだったのだ。

 故に彼女は親の愛というのを全く知らなかった。

 だから彼女は狂ってしまった。狂って幸せを追い求めて。

 神様が幸せになれと言ったのもこれがあったからだ。幸せになってもらうために転生させたという理由もあった。

 こうなると少女だけが特別かと思われるが、少女は転生する権利を有するほどの事情があるのだ。

 

「さて、次は能力じゃな」

 

 次に神様は少女の能力を設定する。モニターに能力の一覧が表示された。

 その一覧にはあらゆる能力が設定されており、少女の二つの能力もそこにあった。

 

「確かこれとこれ……へっくし!」

 

 神様がくしゃみをした。

 その際モニターを色々と押してしまった。

 神様は鼻を啜っていてそれに気づかなかった。

 

「ふう、誰かワシの噂でもしておるのかのう」

 

 神様なので毎日というか毎時間毎分毎秒で噂になっている。神様がくしゃみをしたのは噂ではない。風邪にかかるのか知らないがくしゃみの原因はそちらだろう。

 神様は間違って押したことを気が付かず別の設定の作業に取り掛かってしまった。

 これにより少女の転生先の運命は大きく変わってしまった。

 神様が誤って押して選択された能力は戦闘に関してチートな能力であった。つまり彼女は気分次第でいつでも破壊や征服をできる最強の存在へとなって転生したのだ。

 その特典が彼女を幸せにするのか不幸せにするのかはまだ分からない。

 

「よし! 全て終わった! あとはこれを押すだけじゃな」

 

 それを押した瞬間、完全に少女は最強の存在となる。

 だが、神様は気づかない。無意識でやってしまったからだ。

 そして、神様は少女の設定を確定してしまった。これで完全に最強の存在となった。

 

「ふう、頑張った頑張った!」

 

 神様は椅子を出してそこへ腰を下ろし、伸びをした。

 それはもうだらしない姿で、神様を信じる者が見たらその光景を受け止めることができずに、狂ってしまうものだ。

 これが神様なのかと思うが、これが現実なのだ。神様も人間とあまり変わらない。 

 神様はリラックスしながら先ほどの少女のことを思い浮かべる。

 

「あの子が世界を戦争へと導いた魔女と呼ばれた少女か……」

 

 少女がまだ幼いときの世界の技術力は二足歩行ロボットをどうにかする程度であった。まあ、別に技術力が低いわけではないが、それから十年後の技術と比べると技術力は低いと言ってしまえるくらいだ。

 全ての始まりは少女が社会に出たときからだ。

 少女は天才と呼ばれる人種であった。そんな少女は研究所に所属した。その研究所は主にロボットの研究をしているところであった。

 だが、少女が研究所に入ったのは世界にとって間違いだったと言える。

 彼女の知識がロボットに加わったことでロボットは人間とほぼ変わらない動きを再現することができ、さらには人工頭脳が完成しロボットは人間のような動きと頭脳を手に入れたのだった。

 それは少女が研究所に入ってわずか二年のことだった。

 それからは世界が少女に注目し、彼女の力を利用した。

 その結果、世界はあっという間に発展した。

 自動車は宙に浮き、空を移動するのが当たり前になった。

 ロボットも都市の街中ではよく見かけるようになる。

 さらには人類は宇宙旅行するようにまでなった。

 全ては少女が作り出したものであった。もはや世界中で少女の名を知らない者はいないほどの知名度だ。僅か十年で数世紀先の技術をもたらした天才科学者として。

 世の中はそれはもう便利な世界となった。だが、僅か十年での発展はまだ早かったと言える。

 人間の中には悪いことを考える者たちが多くいる。その者たちが悪用したのだ。

 一部の地域で紛争が起きた。ただの地域での紛争かと思われたそれは、大国が対応しなければならないほどのものとなった。

 その理由としては国際条約で締結されたロボットの軍事運用がされ、その紛争で使われたからだ。軍事ロボットの出所(でどころ)は不明だった。だが、軍事用ロボットなんて物を開発できる国は限られている。限られているのだが、どこの国が作ったのかは分からないままであった。

 それは当たり前であった。

 なぜなら国ではなく個人で紛争地帯へ売ったのだから。

 その個人とはあの少女である。彼女はもう狂っていた。愛を求めて狂って壊れていた。

 なぜ少女は狂ったのか。それはただの愛を求める純粋な思いからきていた。

 思いは純粋すぎると狂気へと変わるのだ。少女も同じ状態である。

 それからは世界が争うこととなった。

 世界はロボットやパワーアーマーなどを使っての戦闘となった。武器の威力ももちろん上がっており、その戦闘は激しさを増す一方である。

 世界が戦争を何年もしているとき、彼女は他の国、いや世界が持つ技術力以上で世界の国々の前に立った。

 少女は世界を壊すために立った。自分の望みを叶えるための一歩として。

 結果、少女と世界の戦争は数十年続き、世界はやっとのことで勝ち少女は死んだ。

 少女が世界へ与えたものは大きかった。

 世界の人口や建物に大きな打撃を与えた。人口はこの戦争で半分以下となった。建物は完全に無事な建物はなく、廃墟のようなボロボロな有様となっていた。

 しかし、彼女が与えたものは悪いものばかりではない。そんな風になっていても皮肉にも戦争になった原因となった彼女がもたらした技術のおかげで復興は順調だったし、この一件により世界はまとまったのだった。

 それから彼女のことを世界は『天才科学者』から『天災科学者』『災厄の魔女』と呼ぶようになった。

 世界の誰もがなぜ彼女が戦争を起こしたのかは知らない。

 このようになってしまった世界。全ては少女がこの世界に生れ落ちたことが間違っていたのだろうか。

 

「やはり記憶を失っているせいか、普通の子じゃな」

 

 神様は白い髭を撫でながらつぶやいた。

 

「もし()()()()()()()()()()()()どうなっていたか。考えたくないものじゃ」

 

 少女が記憶を失っていたのは全て神様の仕業であった。

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