「のう、フェリ。学校では何もないか?」
「順調です。しかし、内容が簡単すぎておもしろくありませんね」
「まあ、そうじゃろうな。前にも言ったがお主の学力は大学生以上じゃからな。
ところで友達はできたか?」
「ええ、できましたよ。ですが親友と呼べるくらいの人はいませんね」
「そうか。ならばよい。明日から咲夜とともに特訓を始めるが何か問題はないか?」
「ありませんが、なぜですか?」
「フェリと咲夜の二人で連携をさせようと思ってな、そのための特訓をしようと思ったんじゃ」
「分かりました」
授業参観のことを聞きましょうか?でも内緒で行ってみるのもいいですね。
フェリはどんな顔をしますかね。ちょっと楽しみです。
でもそんなことをして、き、嫌われませんよね?これがきっかけで家庭崩壊!なんて
シャレになりませんよね。
でもただ行くだけなので大丈夫ですね。もし家庭崩壊するなら、巫女服を着て行った
場合でしょう。
「お母様?何ボーっとしているんですか?」
「い、いや、なんでもない」
危ない危ない。なにか感づかれたら怪しまれますからね。
行くときの服装はどうしましょう?やっぱりスーツですかね。私はあまり服のセンス
ありません。それに私が持っている服は子供用です。つまり封印解除状態の私の服は
一枚もありません。
なので、センスのない私には特にオシャレなどないスーツしかありません。
みんななんで服こんなに派手なのを着るんでしょう?シンプルでいいと思うんですがね。
服は明日買いましょう。特訓はフェリが帰ってきてからなので時間はあります。
ですが、封印解除状態、つまりお姉さん状態で行かなくてはいけません。
つまり、巫女服です。まあ、視線を気にしないので問題はありません。
次の日の朝になります。
私はフェリを見送ったあと咲夜とともに出かけます。
「そういえばそうでしたね!子供服しか買っていませんでしたね!でも、なんで
買うんですか?」
「ちょっとこの姿で行くことがあるからじゃ」
「いえ、そうではなく、母様の能力で作り出せばよかったんじゃないんですか?」
私の思考が停止します。
は、ははは、そ、そういえばそんな吸血鬼の能力がありましたね。
最近、滅多に使わなかったんで忘れていました。
「母様?まさか忘れていたんじゃ・・・・」
「さ、咲夜。な、何を言っておるんじゃ?わ、わわ、私がそんなへまをするわけないじゃろう。ただ、買い物がしたかったんじゃ」
「まあ、いいですけど!早く行きましょう!」
「そ、そうじゃな・・・・」
大人向けの店に入ります。
中にはいろんな服があります。オシャレ系が多いようです。
ですが私がほしい服はそちらじゃありません。仕事用です。
やっぱりよく選ばないので簡単でいいですね。
色は黒でいいいですね。下はスカートで。
「母様!それ以外にも買いましょう!私が選びますので母様は着せ替えにんgyじゃなくて着てください!」
「スーツでよかろう。オシャレなどせんでよい」
「いいえだめです!母様だって女性なんですよ!これくらいしなくては!」
「ならば早く持って来い。着てやるから」
「はい!分かってます!」
しばらく待つとフェリが服を隠しながらこっちに戻ってきます。
なぜ隠すんでしょうか?
「選びました!さあ、早速着てください!ちなみに文句は着てから言ってください!」
更衣室に入り服を見ます。
子供用とは違い、本当にいまどきの女性が着るような服です。
色やデザインからして似合うと思いますけど、巫女服を裏切るようで着たくても
着れません。
でも着ないといけませんので着ます。
「咲夜。着たぞ」
「うん!似合っています!母様きれいです!」
「そ、そうか?」
「はい!」
娘に言われると照れます。なんかこういう服を着るのもいいって感じます。
娘が詐欺師ならコロって引っかかりますよ。そんな自信があります。
「まだあります!今日はたくさん買いましょうね!」
「そうじゃな」
「あれ?こういう服は嫌いじゃなかったんですか?」
「いろいろあっての」
「そうですか!じゃあ遠慮はいりませんね」
それから数時間かけて服を何着も買いました。
こういう服は娘がいるときだけ着ましょう。他の人に見せるために着るわけじゃないですからね。
フェリが家に帰ってきました。買い物のことは言いません。
今度、フェリと出かけるまでの秘密です。いえ、出かけるときじゃありませんね。
その前に見せる場面があるんです。
さあ、フェリたちの特訓です。準備をしたら行きましょう。
「準備はできたか?」
「はい、できましたが、いつもと同じ巫女服ですがいいんですか?」
「私のもです!いつもの着物ですがいいですか?」
「問題ない。特訓用の服なんぞ意味はない。いつもこの服で戦っておったろ?」
さて、サーゼクスの用意した特訓場に行きましょう。
今回のは前のよりは丈夫です。
「改めて確認するが今日からの特訓はお主らの連携じゃ。まずは私とお主らで戦う。
どの程度か見極める」
「分かりました」
「母様!手加減はしません!」
「せんでよい。お主らでは勝てんからの」
今の状態は封印状態ですので格好良く封印を解きましょう。
こういうのってあこがれますね。魔法少女だって格好良く変身していましたからね。
私は札を取り出します。
「お母様?何を・・・」
私は札に霊力を込めます。これにより私の足元から火柱が立ち私を包みます。
この包まれている間に封印を解除します。解除したあとは腕を横に薙ぎます。
それにより火柱は消滅。
フェリたちの目から見れば少女が炎に包まれ炎から消滅すると女性が現れたように
見えます。どうです?この演出。格好いいでしょう。
顔はうっすら笑ってまさに悪役状態です。
悪魔になった私にはお似合いでしょう。
フェリたちを見ます。しかし・・・・
「お母様?いい年して何しているんですか?」
「母様、これはちょっと・・・・」
呆れています。あれ?私の予想じゃ、もっといい反応が来る予定だったんですが・・・。
ちょっと涙目になります。
「ゴホン。では始めるぞ」
私は空中に浮き上がり魔力弾を空中に数千発作り出します。威力は少し高いです。
私は地上にいるフェリたちに向け放ちます。
フェリたちは一気に加速し避けます。威力が高い魔力弾はフェリたちの近くで爆発すると
フェリたちを吹き飛ばします。
数分後にはいくつものクレータのような跡とボロボロになったフェリたちと空中で対峙
しています。う~ん評価はCです。逃げるのも手ですが、近くで爆発したものがありました。
目標は無傷です。アドバイスは終わってからにしましょう。
さて次です。今度は接近戦にしましょう。さっきのではほとんど協力せずに独断で逃げていました
からね。これなら協力しやすいでしょう。私は一気に近づきます。
フェリの腹を殴ります。フェリは避けますが、さらに距離を詰め横蹴りをします。
それによりフェリは吹き飛びます。咲夜は魔力の刃で斬りかかってきます。
ですが、遅いです!フェリがやられる前に動かないと。
私は9本の尻尾のうち1本に魔力を込め、刃を受け止めます。尻尾は刃に巻きついているので
離れません。さらにもう1本の尻尾で咲夜の体を吹き飛ばします。
フェリはすで私の後ろに回っていました。もちろん気づいていました。
私の尻尾3本がフェリに襲いかかります。フェリは避けながらどんどん近づきます。
ですが、私の尻尾は9本です。つまりまだ6本あります。
残りがすべてフェリに襲います。その間に咲夜が正面から攻めてきます。これは連携している
といえますね。二つの方向からの攻撃ですからね。普通の相手ならいい手でしょう。
ですが後ろからの攻撃にも対応できます。
尻尾があって言いと思うことのひとつです。
私も魔力の刃で対応します。前では咲夜。後ろではフェリ。同時ですが問題ないです。
フェリは9本の尻尾に対し魔力弾を放ちますが、私の尻尾はすべてを弾き他の尻尾で
フェリを締め上げます。
咲夜には一気に攻め咲夜の刃をすべて弾き「バインド」で手足を拘束し、手で首を掴みます。
正面では咲夜が首を掴まれ、後ろではフェリが尻尾で締め上げられています。
完全なる圧勝です。
「どうしたお主ら?私はまだ本気ではないぞ」
「うぅ・・・。か、母さ、ま・・」
「まだ、で、す。おか・・・あ・・さ、ま・・・・」
ものすごく心が痛いです。苦しむ姿は見たくありません。私の手や尻尾が緩みます。
その瞬間を見逃さずフェリと咲夜が抜け出します。咲夜のバインドはフェリの魔力によって
破壊されます。
私はしばらく罪悪感などの感情のせいで思考が停止しています。
「母様!覚悟!」
「お母様、すみません」
咲夜の両手の魔力の刃での突き、フェリの魔力の込めた手での突き。
それらが私の体に突き刺さります。
ぐふっ
私の口から血が溢れ出ます。その痛みに思考が動き出します。
いつの間に私に攻撃を?どうやら思考が停止していたときにやられたようですね。
早く動かないと。でも体が動きません。娘たちの攻撃をしたくないという感情が私の動きを
止めたようです。
咲夜は魔力の刃を私に残したまま後ろへ。フェリも後ろに下がります。
フェリは魔力の槍をいくつか作り、昨夜は手にいくつもの魔力の刃を作り出します。
咲夜たちはそれらを放ちます。それらはすべて私の体に刺さります。
ああ、これはやばいです。動けない上に色々と精神的にダメージがきています。
精神的ダメージせいで気が遠くなっていきます。あとでさっきのことを謝らないといけませんね・・・・・。
フェリside
私はなぜか緩んだ尻尾の拘束から抜けだし、その隙を見逃さず拳に魔力を込めお母様の
体を貫きます。貫いた後は後ろに下がります。咲夜も魔力の刃を突き刺し魔力の刃だけを残し後ろ下がります。
私は魔力の槍を作り、放ちます。咲夜も魔力の刃を作り出し投げます。
すべてがお母様の体に突き刺さります。
ですがおかしいです。いつものお母様なら無傷ですべての攻撃を防いだはずです。
お母様は何もせず落下しています。
なにか嫌な予感がします。
「お母様!!」
私は追いかけます。地面に激突する前に追いつかないと!
咲夜も追いかけてきています。ですが、気づくのが遅すぎました。
ゴシャ!
そんな音がお母様の落ちた地点からします。
私たちは地上に降りてその場で膝を地面につきます。咲夜の顔は真っ青です。
おそらく私の顔も同じです。
ですがお母様は私たちと同じように再生能力があるはずです。何の問題もないはずです。
さあ、お母様。早く起き上がってください。いつまでそうしているんですか?
私たちに心配をかけないでください。
私たちはお母様のすぐ傍までいきます。
そして呼吸があるのを確かめます。やっぱり生きています。傷も再生しているようですね。
「・・・・・姉さま。どうして母様は起きないの?」
「分かりません。とにかく今日は中止です。早く家に帰ってお母様を布団に寝かしましょう」
「・・・はい」
急いで家に帰り布団に寝かします。明日の朝には目覚めるでしょう。
ですがお母様の体に何か違和感を感じます。ですが分かりません。
次の日になります。今日は学校を休みます。
理由はお母様がまだ目覚めないからです。咲夜もずっとお母様の傍にいます。
体にも異常はありません。
早く起きてください。そしていつものようにしてください。
咲夜もさびしいそうにしています。
「ねえ、姉さま。母様はいつ起きるんでしょうか?」
「分かりません。ですがすぐに起きます」
「ひっぐ・・・うう・・・・もし、かして・・昨日の攻撃のせいなんじゃ・・・。
もし・・・そうな、ら・・・私は・・・うわああぁぁぁぁん!」
「大丈夫です。お母様はそんなに弱くありませんよ」
泣く咲夜を慰めます。私も泣きたいです。またいなくなるのはいやです。
あんな思いはもう嫌です。絶えられません。
昼になります。ずっと傍にいました。そろそろ昼食の準備をしましょう。
看病していて私たちが寝込んだらお母さんに怒られますからね。
「姉さま!母様が!」
「どうしたのですか?」
「とにかく早く!」
咲夜が慌てます。お母様になにがあったんでしょう。急いでいかなくては。
部屋に行くとお母様の体が光っていました。
なんでしょう?この光には逆らうことができません。まるで高位の存在のようです。
お母様からよく聞いていませんがお母様が私よりも高位だということは分かっています。
ですが今のお母様はいつもより高位です。それもはるか高い存在です。
「咲夜。警戒してください」
「分かっています!」
お母様の
違和感の正体が分かりました。封印状態ではないのに体が小さいんです。
ですが今はそんなことより浮かんでいるお母様です。
ピカッ!
激しい光とともにお母様の9本の尻尾が扇状に開きます。光がおさまっても体から光が発せられています。
さっきよりも眩しくはありません。そしてその目がゆっくりと開きます。
そしてその口から――――
「君たちは誰かな?」
いつもより幼げな声が発せられます。