ゲマトリア構成員“善性の塊”   作:風見海奈

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前話投稿から一ヶ月が過ぎていない、つまりセーフ
あとどうでもいいことですが新作仮面ライダー楽しみっす


Ep.8 もう一度、手に入れたもの

「……で、伝えるべきことって?」

 

 対面に立つベアトリーチェに対し、ヴェルチュは質問をなげかける。

 

「まず前提の話となりますが……儀式の時が近づいています」

 

「っ」

 

「ですので、ロイヤルブラッドの譲渡はもうすぐだということを念頭に置いてください。ああもちろん……抵抗すればどうなるか、わかっていますね?」

 

「…………わかってるさ」

 

「でしたらよかったです。その時をどうぞお楽しみに……」

 

 そう言い残し、ベアトリーチェは去っていくが、

 

「……最後に、いいかな」

 

 ヴェルチュはベアトリーチェのその足を止める。

 

「ええ、ですが手短にお願いしますね」

 

「もし……もしだ。貴方の儀式を阻止するような人がいたら……貴方は「全て始末します、私の儀式の邪魔をしようなど言語道断。阻止をする者も、それに加担する者も、全て」

 

「……そうか、いや。貴方はそういう人だったな。野暮なことを聞いて貴方の時間を奪ってしまい申し訳ない」

 

 

 

 

 

 

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 ベアトリーチェとの話を終え、ユメを空き部屋に案内したヴェルチュは、壁に背を預けて大きくため息を吐き、ドッと地面に座り込む。

 

「……はあ」

 

「マダムに何か言われたのですか?」

 

「まあね……知ってはいたけど、いざ現実として突きつけられるとどうもキツくて」

 

「ああ、その件ですか……貴方が愛情を込めて育てた子供達ですからね。それを失うというのは途轍もない程のストレスを負うかと」

 

「そういうこった!」

 

「だけどさ、マダムの『崇高に至った姿』ってのも見てみたいとは思わない?」

 

「……まあ、そうですね」

 

「だからどうすれば、と思って。父としての自分を優先すればいいのか、それともゲマトリアの研究者としての自分を優先すればいいのか」

 

 ゴルコンダに思いを打ち明けるヴェルチュ。本人がそのことについて長らく、そして重く考えているのは、彼の声色から簡単に察すことができるる。

 

「まあ、今決めたとて実際その時になったら変わるんだろうけどね」

 

 よっこいせ、とおじさん臭い言葉を言いながら、ヴェルチュは腰を上げる。

 

「とりあえず、梔子ユメをアビドスに送り返そう。その後の定期健診は任せたよ、ゴルコンダ、デカルコマニー」

 

「ええ、お任せください」

 

 ゴルコンダからそう返されたヴェルチュは、空き部屋に留めているユメを迎えに行くのであった。

 

 

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「ところで、なんで私の研究室にいたのか教えて欲しかったな」

 

「ひぃん……」

 

 アビドス砂漠、もといアビドス自治区へと向かう車の中で、ヴェルチュはユメに問い詰めていた。

 実を言うとユメはヴェルチュが案内した空き部屋におらず、なぜかヴェルチュの研究室にて机やら棚やらを物色していたのだ。

 

「君のことだ、何か盗んでやろうとかそういう思いがないことくらい私はわかってる。だから聞いてるんだよ」

 

「そ、その……なんで私が生き返ったのかなーと思って……手掛かりとか、ないかなと」

 

「残念ながら、それは私が信用している人以外には公言できない。そもそも私は、死者復活は否定派だ。死者は死者、それ以上でもそれ以下でもない。既に亡くなった者が生き返るなんて夢物語は存在しない。亡くなった者はその者と親しい仲であった者のなかで生き続ける、だからこそ復活する必要なんてない」

 

「……じゃあ、どうして私を復活させたんですか?」

 

 ユメの口から出たのは純粋な疑問、死者復活を否定するヴェルチュが自身(死者)を復活させた理由。それに対して、ヴェルチュはアビドス砂漠に突入した車を運転しながら答える。

 

「まず第一に、私の実験の仮説をウッ……立証したかったから。私は研究者だから、ね、気になったことはとこと……ん、調べたいのさ。それと、もう一つ、だけ、理由がある」

 

 ユメが息を呑むなか、早速酔い始めたヴェルチュはそのもう一つの理由を告げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

神が与えた信用を、無碍(むげ)にするわけにはいかないからさ

 

 

 

 

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「だ、大丈夫ですか?」

 

「少しはね……それより梔子ユメ。君の覚悟は決まったかい?」

 

「っ、はい!」

 

 アビドス砂漠を進み、ヴェルチュの酔いが限界に達したあたりで、彼らは目的の地に辿り着いた。ヴェルチュはユメに確認をとり、その意思がわかるとユメを連れてその建物の入り口へと向かう。

 

 

 

「じゃあ行こうか、アビドス高等学校に」

 

 

 

 

 

 

 アビドスの校舎を歩く。懐かしさをあまり感じないのは、私の体感として最後に登校したのが昨日か一昨日ほどだからだろうか。

 

 どこへ行けばいいか、なんて身体が覚えている。あの子がいつもいた場所、そこへ行けば出会えるはず。出会えたらまずは――

 

 

 

 ボスッと、柔らかいものが落ちる音が、廊下に響く。

 二人が音のする方向へと向くと、そこには。

 

 

 

「…………ユメ、せんぱい……?」

 

「ホシノちゃん……!」

 

 

 

 枕を落としたホシノが立っていた。

 




「一ヶ月空いたのに短くない?」って言葉は私の心をしっかり削るんでやめていただいて
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