【完結】転生おっさんin公爵令嬢は人型ロボを作って乗る   作:はるゆめ

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第十一話 大きく前進

 いらっしゃったのは森の奥に住む大魔導士ポーシェさま。

 

「ポーシェさま、ようこそお越しくださいました」

「いいよいいよ、堅苦しい挨拶は無しでね。レイテアちゃん」

 

 ポーシェさまが人払いをとおっしゃり、応接間にて二人きりとなりました。

 

「まず真っ先にレイテアちゃんに見てほしくてね」

「何でしょうか」

 

 懐から何かの塊を取り出し、それを床に放り投げ、それがみるみる形を変え始め……そこにもう一人ポーシェさまが現れました。

 

「えっ? ポーシェさまがお二人に?」

「そう。これは考えるスライムだよ」

 

 なんてことでしょう!

 滑らかなお肌の感じ、美しい金色の髪、形の良い唇、そしてお召しになっている服も全く同じで見分けがつきません。

 

 (わたくし)に微笑むスライムポーシェさま。

 

「レイテアちゃんに分けてもらった方にさ、精神感応であれこれ会話してね。本人曰く魔導を覚えてみたいって言うから、教えてみたら覚えも良くて。私も調子に乗って色々と仕込んじゃったのよねぇ」

 

 これは驚きです、考えるスライムはかなり高い知能を持つようです。

 

「スライムに知能があるとはまず思わない上に、このスライムも精神感応を使える魔導士も、どちらも滅多にいない。魔導なしでは意思疎通も出来ない。だから研究なんてされてないんだろうね」

 

 団長さんは大発見をされてたのですね。

 

『レイテアちゃん、これってさ筋肉だけじゃなく、感覚器官、つまり目や耳、神経組織まで模倣出来るって話だよ?』

(……人体をほぼ複製できるんですね)

『だったらさ、遠隔コントロールにしなくていいんだ』

 

現存する大型ゴーレムは全て遠隔による操作をしています。

 

『このゴーレムを使えば、人が中に乗り込んで意思疎通しながら動かすゴーレムが作れるってことだよ』

(人が中に……)

『そうするとさ、視点がゴーレムに同調するから、遠隔式と違って行動範囲に制限がなくなる』

 

遠隔操作だと操作担当の魔導士から離れることはほぼ不可能です。

 

「ポーシェさま! (わたくし)も何とかして精神感応を使えるようになりたいです!」

「レイテアちゃんにはわずかながら適性があるんだよ。家庭教師していた頃に気がついてね」

「え……そうなのですか」

「でもね、それが周囲に知られたら軍や情報部に飼い殺しにされるから。公爵夫妻と話し合ってそれは秘匿することにしたのよ」

「ポーシェさま……」

 

 (わたくし)はポーシェさまにも守られていたのですね。

 

「しばらくここに滞在してもいいかい?」

「もちろんです! 父に話をします」

 

『あとはちょっとやそっとじゃなく、大きく増やすための餌か……』

(団長さんによると生き物なら何でも取り込むってことでしたわ)

『よし本人に聞こう』

 

明確に言葉でやり取り出来るわけではないのですが、イメージは伝わります。そしてわかったのは、スライムさんが大きく増えるには、力のある生き物の肉が必要、だそうです。

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