今日も私は仕事をする。
「022執行官、次の仕事です」
聞き慣れた電子音が携帯型端末から響く。
「今回の仕事は、市街地に出現したテロリストの排除です」
そして、また聞き慣れた仕事。
「ターゲットの情報を送信。端末で確認してください」
端末の画面に青白いデータが流れ込む。
ターゲットの顔写真が浮かぶ。年齢、性別、住所、家族構成。
使用武器、逃走ルートの予測、etc。
どれも淡々と並ぶだけの文字列。
そして最後の情報が表示される。
赤い文字がゆっくりと点滅する。
「確認した。仕事に移る」
いつものセリフをいつものように言い端末を閉じる
そしていつもの足取りで現場に向かう
猟犬の朝は早い
市街地の瓦礫の隙間から覗くのは、血に濡れた義手。破損した機械の目が、焦点の合わないままこちらを見つめている
「それでは処理班のみなさん。あとはよろしくお願いします」
処理班の皆さんがうなずきテロリストたちの死体を淡々と回収する
作業員は散らかった肉片と義手や義足をコンテナに詰め
血だまりを拭きとり
瓦礫の中から潰れて人の形を保てなくなった肉塊を引きずりだす
いつもの光景だ
「022さん」
後ろから声がかかり振り返る
「022さんお久しぶりです」
振り返った先には私の同僚がいた
「いやぁ022さんはすごいですねぇ。テロリストどもをすぐに鎮圧するんですから」
「何の用です?021執行官」
「そんな堅苦しいのは無しにしましょうよ~」
「質問に答えてください」
「へいへい」
「別に用なんかないですよ。ただ見かけただけで」
「…」
用がないなら仕事の邪魔をしないで欲しい
だがそんなこと言う間もなく
「そうだ。すぐそこにおいしいパンケーキがあるカフェがあるんですよ。」
「それがどうかしたんですか」
「いやぁそこで雑談なんかどうです?どうせこの死体処理を終わったら少し暇でしょ?」
「…」
「そんなに睨まないでくださいよ」
「……」
「いやほんと、そんな顔されたらこっちが泣いちゃいますって!ただでさえ022さんは目つきが怖いっていうのに」
「そうですね」
「そこは否定するところですよ!」
「…」
「まぁ、俺はそんなところ含めて気に入っているんだけどねぇ」
「…何を言っているんですか?」
「いや別に」
021執行官のことははっきり言って苦手だ
こうやって仕事を淡々とこなすといきなり出てきて関係ない話をしてくる
はっきり言って邪魔だ。あとすこし気色が悪い
だが私たちは無暗に暴力することを禁じられているため無理やり引き離すことは無理だ
『そんなんだったら、普通に断ればいいじゃいか』とおもう人もいるだろう
それができたら苦労はしない
この男は断ってもあきらめずに誘ってくるからすぐに終わりたいなら
「はぁ…ええかまいませんよ」
と言う必要がある
「やったね。では早速行きましょうか」
そして私たちはカフェに足を向ける
そしていつもの相手
いつもいつもいつもの繰り返し
ここまで読んでくださり、ありがとうございました!
初投稿なので、至らぬ点があればぜひ感想で教えてください。
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