今日も私は仕事をする
「約束の時間まであと30分を切った!猟犬ども今回は過去最大の兎狩りだ!」
もう何度聞いたかわからない総監の声がする
「兎のじゃれつきなんか恐れるに足らん!貴様らはただいつものように食って食って喰らいつくせ!」
そしてもう何度も聞いた仕事
「さぁもうすぐ兎どもが攻めてくるぞ!貴様らもよーく見ておけ!!」
するとそうとうは檻の中から反逆者たちへの人質を乱暴に引きずり出し前を向けさせる
いつの間に捕まえたのだろうか?
「さあ022、お前も存分に喰らいつくせ」
総監が私に近づき命令する
「わかりました」
もちろん私はいつもどおり仕事をするだけだ
私たちはいつも通りに兎たちを待つのであった
猟犬たちの眠りは近い
約束の時間まであと1分切った
現場もピリピリしている
さあどこから来るのか…
すると
足元が大爆発した
……ん
私は体を起こした
どうやら気絶していたらしい
体からは大量の血がでており腕も千切れている
右足もあり得ない方向に曲がりぼろぼろだ
さっきの大爆発が起きてから数分が経過していた
それに爆風で結構遠くに飛ばされたらしい
向かわなければ
とにかく現場に行かなければ
私は今まで感じたことのない痛みと傷を受けながら歩く
向かう
進む
足を引きずる
歩くたびに血が噴き出し意識が飛びかけるが歩くのをやめない
歩くたびに感覚が薄れる
熱いとも寒いとも感じなくなっている
周りには燃え滾る炎
瓦礫に潰された猟犬だったもの
遠くで戦っているのだろう銃声も聞こえる
なんでこんなことになっているのだろう
思えばこの3日間いろんなことが起き過ぎた
もし運命と言うものがあるのだとしたら何を急いでいるのだろう
どんなに急いだとしても4日間でこんなに変わるものじゃないはずだ
…まあそんなことはどうでもいい
仕事だ
仕事を果たさなければ
仕事を…
仕事…
仕…
……!だめだ
また意識が飛びかけた
どうやらもう私は限界の様だ…
しかし仕事を果たさなけれb「よう」
声がかかり振り返る
「昨日ぶりだな」
そこにはリーくんとよばれた青年がいた
「いやぁ最近の兵器はすげぇな。なにしろ探知機に引っかからずこんな大爆発を起こせるんだからな」
そういえば何日かまえに政府お抱えの研究所から兵器が盗まれたとニュースでやっていたな
「ゼロは正々堂々と戦いたいやつだが俺はあいにくとそんなやつじゃないからな。ゼロのあの宣戦布告は俺が考えたセリフだ。あいつは馬鹿だしなんかいろいろ言ったらこころよく言ってくれたよ」
「はぁ…はぁ…」
なるほど最初から仕組まれていたか
「本来ゼロならこんなことしようとしたら止めるんだがな。あいつは別の場所に言っているよ。本当馬鹿だよな」
…
「どうだ?散々狩ってきた兎が翼をもち空からいじめられる感覚は?」
…
「俺は気持ちいいぜ。なにしろ恩人を殺したお前の苦しい姿を見れるんだからな」
…
「…なんか言えよクソ犬」
…私は口を開く
「そうだな…いつもとは違い新鮮な物だな」
「…チッ!」
どうやら満足のいく答えではないらしい
「そういうところだよ。てめぇのその『自分はこの程度では動じませんよ』みてぇな態度が腹立つんだよ」
「そうか」
「…どこまでもむかつく野郎だぜ…」
そういうと彼は私の体に銃弾を6発撃ち込んだ
「ぐはっ!…」
私の体が崩れ倒れこむ
「これでてめぇはもう動けないな」
「…これで満足か?」
「…いいや。全然満足じゃないね」
そういい彼は私の胸を踏みつける
助骨が折れる音が響く
「まだまだッ!!」
そして彼は私の腹をける
「ぐほッ!!」
わたしは吐血と嘔吐をしてしまう
「てめぇらは!俺たちの仲間を!殺し!殺し!殺しまくった!!」
彼は蹴り続ける
「そして!そして!俺たちの恩人を!ぶっ殺した!!」
彼は蹴りを止める
「はぁ…はぁ…どうだ?すこしはその仏面も崩れたか?クソ犬」
「…わからないな」
「こいつッ!!」
そして私をまた蹴ろうとするが寸前で止まる
「?」
「…一つ聞かせてくれ」
「…なんだ?」
「なんでてめぇはレニーさんを殺したんだ?レニーさんが裏切ったとはいえ同僚だったんだろ?思い入れくらいあったはずだ」
「…仕事だからな」
「…はぁ…そういうと思ったよクソ犬」
思い入れか
確かに021には思い入れはあったな
だがそれはそれこれはこれだ
「まぁいい」
「私からも質問いいか?」
「…なんだ?」
「これからどうするつもりだ?」
「そんなのてめぇを殺して政府どもを殺してみんなを自由にするだけだ」
「…そうか」
「なんだよ。答えてやったってのに」
そうすると彼は銃を私に向け
「さて最後に言い残すことは?」
そう言い放った
最後の言葉か…
そうだな
「そうだな…中央部2丁目1番通り021-4664」
「?」
「私の家の住所だ…そこの021の遺灰がある。もし君たちの革命が成功したらいつかそれを緑豊かな場所に埋めてやってくれないか?」
「!?…わかった」
「そうか…感謝する。それとあと一つ」
「…」
「未来を変える勇気ある子供たちへ自身の飼い主に忠誠を誓い変わらない世界を生きた猟犬からの言葉だ。……君たちに変化の兆しがあらんことを」
『バァン』
彼の放った銃弾が私の頭を貫く
私は長い長い仕事から退職した
猟犬たちは眠った…永遠に
仕事は終わり、流れは断ち切れた
いつもの相手と同じところに向かう
繰り返しの虚しさも消えた
革命の翼がこの街を変化させた
ここまで見てくださった皆様、見ていただきありがとうございました!
これにて『政府の犬の仕事録』は完結とさせていただきます!
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ありがとうございました!