暗殺家系の不殺師   作:ナツユキ

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どうも!ナツユキです。なんとか早めに投稿できました。気づいたらお気に入り登録してくれてる方が増えていて驚きました!お気に入りに登録してくださった皆様ありがとうございます!
では、今回もよろしくお願いします!


入学編Ⅳ

姉貴との地獄の稽古の翌日、俺は姉貴から受けたダメージを抱えながらも授業を終え、風紀委員会本部へ足を運んでいた。

 

渡辺「諸君、今年もあの馬鹿騒ぎの一週間がやってきた」

 

渡辺先輩が机を叩きながら声を張り上げる。

 

渡辺「有力な部員の獲得は各部の勢力図に直接影響をもたらす重要課題であり、その争奪合戦は熾烈を極める。殴り合いや、魔法の撃ち合いになることも残念ながら珍しくない」

 

渡辺先輩は俺達の方を見ると話を続ける。

 

 

渡辺「今年は幸い卒業生分の補充が間に合った。紹介しよう、立て」

 

俺と隣に座る達也とその向かいに座る森崎が立ち上がる

 

渡辺「1-Aの森崎駿と、1-Eの司波達也と竜胆啓介だ。さっそくパトロールに加わってもらう」

 

すると席に座っていた一人の風紀委員の先輩が疑問の声をあげる。

 

「……役に立つんですか?」

 

それは俺と達也に向けて放たれた疑問だった。

 

渡辺「心配するな、三人とも使える奴だ。司馬と竜胆の腕前はこの目で見てるし、森崎のデバイス操作もなかなかのものだ。他に言いたいことのあるやつはいないか?」

 

『………』

 

渡辺「よろしいでは行動に移ってくれ、出動!」

 

その声と同時に風紀委員の先輩方は一斉に校内の巡回をしに出ていく

 

残された俺達に渡辺先輩が詳しい説明をする。

 

渡辺「まずはこれを渡しておく」

 

渡辺先輩が俺達の立っている机の前に二つの物を置く。

 

それは風紀の腕章と薄型のビデオレコーダであった。

 

渡辺「レコーダは胸ポケットに入れておけ。丁度レンズ部分が外に出る大きさになっている。スイッチは右側面のボタンだ。違反行為があれば録画しろ。ただし、意識する必要はない。風紀委員の証言は原則としてそのまま証拠に採用される。まあ、念のために存在してるものという認識だ。

それからCADだが、風紀委員はCADの学内携行が許可されている。使用に関しても誰かに許可を取る必要は無い。ただし不正使用が発覚した場合には一般学生よりも重い罰が科せられるから甘く考えないことだ」

 

説明が終わり、達也が挙手をする

 

達也「質問があります」

 

渡辺「許可する」

 

達也「CADは委員会の備品を使用してもよろしいでしょうか?」

 

渡辺「……構わないが、あれは旧式だぞ?」

 

達也「確かに旧式ではありますが、エキスパート仕様の高級品ですよ。あれは」

 

渡辺「そういうことなら好きに使ってくれ。どうせ今までホコリを被っていた代物だ」

 

達也「では、この二機をお借りします」

 

そう言って、棚に置いてあるブレスレット型のCADを手に取り、腕に装着する

 

渡辺「二機?本当に面白いな君は」

 

啓介「渡辺先輩、俺も質問していいですか?」

 

渡辺「なんだ?」

 

啓介「俺はCAD無しでお願いします。自前のCADでは巡回中に目立つので」

 

渡辺「君は…そうだったな、許可する。ただし、くれぐれも怪我に気をつけるように」

 

啓介「わかりました」

 

説明を終え、本部を後にし、巡回のために移動しようとした俺達に森崎が声をかける

 

森崎「おい」

 

その声に俺と達也は歩みを止め、振り返る

 

達也「なんだ?」

 

森崎「CADを二機同時に使って発動できるわけがない。ましてやCAD無しで一科生を相手になんて無理に決まってる。二科生如きが調子に乗るのもいい加減にしろ!」

 

そう吐き捨てるよう言うと森崎は俺達とは反対方向へ歩いて行った。

 

 

 

 

 

その後俺と達也は広場へ移動したのだが、勧誘する生徒達であふれていた。

 

啓介「すごい人の数だな」

 

達也「今日から部活勧誘が始まるからな。どの部活も新入生の確保に必死なのだろう」

 

啓介「確かにこれは揉め事が起こっても…おい達也」

 

俺達の前方が騒がしいことに気づく。

 

達也「なんだ?」

 

啓介「あれエリカじゃない?」

 

よく見るとエリカが女子生徒達に揉みくちゃにされていた。

 

エリカは二科生とはいえ、美少女の類いに入る。

 

 

エリカ「あの……もう離してください!チョッ、どこ触ってるのっ?やっ、やめ……!」

 

啓介「流石に止めないとな!」

 

達也「ああ」

 

そう言って俺と達也が同時に走り出す。

 

啓介「達也!アシストよろしく!」

 

そう言って俺は詠唱し、拳に風を纏わせて前方の立つ女子生徒達めがけて正拳突きを放つ。魔神拳の応用だ。

 

放たれた風の球は真っ直ぐに飛び、女子生徒達に当て、突風に変化させる。

風を受けた女子生徒達は砂が目に入り、目を開けられない人が続出した。その隙に減速することなく走る達也がエリカの手を掴むと

 

達也「走れ」

 

エリカ「ちょ、ちょっと!」

 

俺も二人の後を追うように走り、校舎裏に避難する。

 

達也「ここまでくればもう安心だろう」

 

啓介「ああ、大丈夫かエリ…カ…」

 

安否を確認するために振り向いた俺と達也は言葉を失った

 

エリカ「え?」

 

そこには制服がはだけ、ネクタイが緩んで胸元がはっきりと見えるエリカがいた。

 

エリカ「み、見るな!」

 

咄嗟に俺達は後ろを向く

 

エリカ「見た?」

 

エリカが制服を整え、俺達に質問する。

 

その質問に俺達は答えられなかった。

 

エリカ「見た!?」

 

更に怒気を強めてエリカがさっきと同じ質問をする

 

啓介「すみませんでした!」

 

俺は達也が答えるよりも早く頭を下げる

 

エリカ「悪いと思うなら二人ともこの時付き合いなさいよ」

 

 

俺達はエリカに連れられて第2小体育館にやってきた。そこではそこでは今の時間は剣道部の演武が行われていたのだが、エリカはつまらなさそうに見ていた。

 

達也「お気に召さなかったようだな」

 

エリカ「……だって、つまらないじゃない。見栄えを意識した立ち回りで予定通りの一本なんて。試合じゃなくて殺陣たてだよ、これじゃ」

 

達也「宣伝の為の演武だ、それで当然じゃないか?他人に見せられるものじゃないだろ?武術の真剣勝負は、要するに殺し合いなんだから」

 

エリカ「……クールなのね」

 

達也「思い入れの違いじゃないか?」

 

啓介「まあ、これは新入生へのデモンストレーションみたいなもんなんだから仕方ねえよ」

 

「うわっ!」

 

突然に大声がし、声の方を見ると体育館の方で部活星同士が揉めていた

 

達也「いくぞ啓介」

 

達也は俺に声をかけ、急いで階段を降りていくそれに続いて俺も急いで階段を降り、一階は急ぐ

 

エリカ「ちょっ!達也君、啓介君!?

 

そんな俺達の様子を見たエリカも俺達の後を追って下に降りてくる

 

???「剣術部の順番まで、まだ一時間以上あるわよ、桐原君!どうしてそれまで待てないのっ?」

 

 

???「心外だな、壬生。あんな未熟者相手じゃ、実力が披露できないだろうから、協力してやろうって言ってんだぜ?」

 

 

???「無理矢理勝負を吹っ掛けておいて!協力が聞いて呆れるわ!!」

 

???「先に手を出してきたのはそっちじゃないか」

 

???「桐原君が挑発したからじゃない!」

 

どうやら剣術部の男子生徒と剣道部の女子生徒が揉めてるようだ。

 

エリカ「面白いことになってきたね」

 

啓介「あの二人を知ってるのか?」

 

エリカ「直接的な面識はないけどね。女子の方は壬生紗耶香 一昨年の中等部剣道大会女子部の全国二位よ。男の方が桐原武明 こっちは一昨年の関東剣術大会中等部のチャンピオンよ。おっとそろそろ始まるみたいよ」

 

視線を戻すと二人が互いに竹刀を構えていた。

 

俺と達也は胸ポケットに入れたビデオレコーダーのスイッチを入れておく

 

桐原「心配するなよ、壬生。剣道のデモだ。魔法は使わないでおいてやるよ」

 

 

壬生「剣技だけであたしに敵うと思っているの?魔法に頼りきった剣術部の桐原君が、ただ剣技のみに磨きをかける剣道部の、このあたしに」

 

 

桐原「剣技のみに磨きをかけた……ね。大きく出たな、壬生。だったら見せてやるよ。身体能力の限界を超えた次元で競い合う、剣術の剣技をな!」

 

 

それが開始の合図となった。

 

両者共に頭部目掛けて、竹刀を振り下ろす。

 

互いの竹刀が激しく打ち鳴らされ、反響する

 

エリカ「相打ち?」

 

啓介「いや…」

 

よく見ると桐原の竹刀は紗耶香の左腕を捉え、紗耶香の竹刀は桐原の右肩に食い込んでいた。

 

桐原「くっ」

 

壬生「真剣なら致命傷よ。あたしの方は骨に届いてない。素直に負けを認めなさい」

 

桐原「真剣なら?」

 

そう言うと桐原先輩はフッと笑い、言葉を続ける

 

桐原「がっかりだぜ。壬生、お前、真剣勝負が望みか?だったら……お望み通り、真剣で相手をしてやるよ!」

 

桐原先輩は左手につけたCADを操作し、一足跳びで間合いを詰め、左手で強化された竹刀を振り下ろす。

 

壬生「!?」

 

壬生先輩は咄嗟に後方へ跳び退り、その一撃をかわす。

 

桐原先輩の攻撃は当たっておらずただかすっただけだ。だが、胴元の防具には確かに切断したような傷が入っていた

 

啓介(高周波ブレードか!)

 

桐原「どうだ壬生。これが真剣だ!」

 

再び桐原先輩が動き出そうとするがそれよりも先に達也が二人の間に割って入り、腕を交差させ、魔法を発動させる。次の瞬間、桐原先輩が竹刀にかけた魔法が解除されたのだ。そして達也は桐原の左手首を掴み、肩口で膝を抑え込み、あっという間に拘束してしまう

 

「誰だ、アイツ!?」

 

「見ろよ、二科生[ウィード]だ」

 

「マジかよ、二科生[ウィード]が風紀委員?」

 

そんな周りの言葉を気にせず、達也はインカムで連絡を取る

 

達也「こちら第二体育館。逮捕者一名、負傷していますので、念のために担架をお願いします」

 

すると、納得がいかない剣術部員の一人が達也に食ってかかる

 

「おい、どういうことだっ!?」

 

達也「魔法の不適正使用により、桐原先輩には同行を願います」

 

「ふざけんなよウィードの分際で!」

 

 

だがその行為が気に入らなかったのか剣術部の部員は達也に殴りかかろうとする。

 

啓介「飛燕…」

 

俺は殴り掛かろうとする剣術部員の一人めがけて走り出し、飛び膝蹴りの要領で跳躍するとその部員の顔に回し蹴り2連続でかます

 

啓介「連脚!!」

 

「ぐはぁ!!」

 

顔を蹴り飛ばされた部員は2メートルほど吹っ飛び、壁に激突し、そのまま気を失った。

 

突然の出来事に驚いた周りのギャラリーや両部員達が呆気に取られている隙に剣術部員達を宥めようとする。

 

啓介「まあまあ、落ち着いてくださいよ、魔法の不適正利用

が理由だと達也が説明したでしょう?」

 

「だったら剣道部の壬生も同罪だろ!」

 

啓介「同罪?壬生先輩は魔法を使用してませんよ?」

 

「ふざけんなぁ!!」

 

そう言って俺に殴りかかろうと突撃してくる男子部員だが。

 

啓介「はあ…仕方ないですね!」

 

拳をかわし、顎に掌底を打ち込む。達也の方を見ると達也に対しても剣術部員数人が掴み掛かろうとしていたが、それを全ていなし、拘束していた。

 

拘束し終えた俺達は乱闘騒ぎの報告のために風紀委員本部に向かった。

 




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