男が増え、曇らせは加速する……なんでさ⁈   作:一二三 一八

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本編に入る前にもう一話だけお付き合いください。
次回からは、本当にアビドス編に入っていきますいので。

では、どうぞ。


幕間1 / プロフィール ver.1

 

 

 

【彼が顔を隠すわけ】

 

 

ある日、私とアオトが事務仕事に勤しんでいた時のことだ。私は、ふとアオトに対し疑問に思うことがあることを思い出した。彼は、出会った時から黒のフルフェイスヘルメットを被っており、シャーレの同じ空間で過ごしているのにも関わらず、一度も彼の素顔を見たことがないのだ。一度疑問に思ってしまったことは、好奇心が抑えきれずアオトに問うことにした。

 

 

“ずっと、気になっていたんだけどさ……アオトってなんで顔を隠してるの?”

 

 

私の言葉に仕事の手を止めると、こちらの方を向き何かを考える仕草をする。

 

 

「……まぁ、そりゃあ俺がイケメン過ぎるからだな!」

 

 

そんなアオトの発言に室内が静まり帰る。私も背筋に悪寒が走った気がした。彼自身、己の発言が滑ったことを認識すると慌てて弁解した。

 

 

「……って、冗談は置いておいて……まぁ、気が向いたら話すよ。」

 

“……そっか。分かったよ。”

 

 

私は短くそう答える。アオトが発言した時の雰囲気、あれは後悔の念を抱いている感じだった。それに、誰しも秘密の一つや二つくらいあるだろう。いつか、アオト自身が私を信用し話してくれるのを待つことにしよう。

 

その後は、日が暮れるまで黙々と仕事を二人でこなすのだった。

 

 

 

【男のロマンはどこの世界でも同じ】

 

 

とある休日、俺は特にやることもなかったのでシャーレの部室で連邦生徒会の方の仕事を片付けることにした。先生はというと、朝からウキウキで何処かへと出かけて行った。そのせいで、朝からハイテンションで話しかけられた時は少しイラっとしたことはここだけの話だ。

 

時計の針も正午を周り、あらかた仕事を終えた俺が昼食を食べていると、“ただいま”という声と共にどうやら先生が帰ってきたようだ。部室に意気揚々と入ってきた先生の手には、何か箱が入った袋が握られていた。

 

 

「意外と早かったな。そんで、何かお気に召すものでも手に入ったって感じか?」

 

“実はね、そうなんだよ!”

 

 

先生は嬉しそうに、袋の中身を漁ると“じゃーん”と中身を俺に自慢するように見せてきた。その“ブツ”に俺は、腰を抜かすほど驚いた。そのブツはというと……

 

 

「数量限定版の“KAITEN FX Mk.0”のプレミアモデルじゃないか!確かに、今日発売だとは聞いていたが……確かそれは抽選に当たった僅か5人にしか売られないはず!」

 

“フフ……、実はその抽選に当たってしまってね。価格は10万と安くはなかったけど……、やっぱりロマンは捨てれないよね!”

 

「っ!分かってるな、先生!俺もこの前、アビドスの猟犬の高品質版のフィギュアを注文したばっかりなんだ!」

 

 

その後俺たちは、お互いの話題が尽きるまで趣味に対して話し続けた。やはり男のロマンは、何処の世界でも同じらしい。

 

後日、当番でやってきたユウカに領収書が見つかり、こっぴどく先生は叱られたのは言うまでもないが、何故か俺も巻き込まれ財布の領収書を漁られた。

 

消費は計画的に……。

 

 

 

【アオトとアロナ】

 

 

俺は、絶賛悩みを抱えている。何を隠そう、今現在俺の膝の上に座って嬉しそうに足を揺らしている女の子、アロナに対してだ。先日の、お兄ちゃん事件から一度も顔を合わせていなかったが、いつまでもこの問題を放置するのはよくないだろうと考え、先生に頼みアロナと合わせてもらうことにした。

 

 

「……ひ、ヒサシブリダナ、アロナ。」

 

「はい!お久しぶりです、アオトお兄ちゃん!ずっと、会いたかったんですよ?」

 

 

片言になりながらも、俺は決死の覚悟で声をかけたが……彼女のお兄ちゃん呼びに、理性が崩れそうになる。だがしかし、ここで負けるなアオトよ。本来、彼女に話すべきことを伝えるんだ。俺が、話があるとアロナに伝えると興味津々にこちらを見上げてくる。

 

(耐えろ、俺!これくらい、あの時の苦労と比べればなんてことないじゃないか!)

 

 

「……実はな、アロナが俺のことをお兄ちゃんって呼ぶのをやめて欲しいんだ。」

 

 

俺が、何とか声を出しそう伝えると、アロナは俯いてしまった。流石に、不味いか?と感じた俺は彼女を傷つけないようにと弁解を始める。

 

 

「あ!でも、全然嫌とかじゃないんだぞ?……ちょっと、恥ずかしいというか不味いというか……。」

 

 

俺が何とかそう伝えきったが、アロナは俯いたままだった。しばらくの静寂を産み、再度彼女に俺が声をかけようとするとアロナが口を開いた。

 

 

「……そ、そうですよね?初対面なのにお兄ちゃんは馴れ馴れしいですよね?……これからは、アオトさんって呼ぶようにします……、ぐすん。」

 

 

俯いたままの彼女が発した声は今にも泣きそうな声だった。それが俺の理性を崩壊させるには十分すぎるきっかけだった。俺は、彼女に頭に手を置くと優しく撫でる。

 

 

「ごめんな?やっぱり、俺は……アロナのお兄ちゃん(?)になるよ。だから、今まで通り呼んでくれていいぞ。」

 

「……っ!本当ですか?!」

 

「ああ、勿論。」

 

「……っ!アオトお兄ちゃん!」

 

 

アロナは、嬉しそうに俺のことをそう呼ぶと抱き着いてきた。

結局、俺は当初の目的を達成することはできなかったが、新たに妹(?)が出来たのでくだらないことは忘れることにした。

 

女の子のお兄ちゃん呼びに男は弱い。それが、証明された日でもあった。

 

 

 

【デザートの恨みは別物】

 

 

サンクトゥムタワーの問題解決から、色々なことがあった。書類仕事に勤しんだり、ユウカに説教されたり、妹(?)が出来たりと。ただ一つだけ、俺はずーーっと先生に文句を言いたいことがあった。そして今日、俺はそれを伝えるために仕事をしている先生の目の前に立つ。

 

 

「おい、先生!あんたに一つ言いたいことがある。」

 

“……ど、どうしたの急に?”

 

 

俺の鬼気迫る雰囲気に押され、先生は仕事をしている手を止めると顔を上げ背筋を伸ばす。

 

 

「……いい加減、堅苦しい喋り方を俺にするのは止めろ。」

“……ご、ごめん!冷蔵庫のプリンを食べたことなら、新しいの買うから!”

 

 

「“ え? ”」

 

 

どうやら、お互いに何か勘違いがあったようだ。プリンの件は後で絞めるとして、俺に対する接し方について先生に話し始めた。

 

 

「一応、俺はな高校も卒業してて、OBとして連邦生徒会に所属させてもらってるんだ。あんたとも、そう対して歳もかわらねぇ。」

 

“……えっ!そうなの?”

 

「ああ。だから、他の生徒みたいに接するみたいな感じで喋らなくてもいい。というか、ムズムズするから止めろ。」

 

“とは言っても、私も素がこれだから……。でも、アオトがそう言うんだったら気を付けるよ。”

 

「……そうしてくれ。」

 

 

なんとか俺の頼みを了承してくれると、用事を思い出したと席を立ち上がろうとしている先生を俺は抑えつけた。

 

 

“な、何かな?少し急ぎの用事があるんだけど……?”

 

「それは、それとしてプリンの件は忘れてねぇからな?しっかり、名前も書いといたはずだ。見えなかったとはいわせねぇぞ?」

 

“あれは、そう!仕方なかったんだ!私はプリンを摂取しないと、力が発揮できないんだ。”

 

「どこぞのサイボーグみたいな言い訳は署で聞いてやるよ。覚悟はいいだろうな?」

 

 

シャーレのオフィスに先生の悲鳴が響き渡る、食べ物も恨みは禁忌にも等しい。

 

 

 

 

 

~キャラクタープロフィール~

 

 

砂狼アオト

 

所属  連邦生徒会→シャーレ

年齢  20歳

身長  180cm

誕生日 4月6日

 

人物

連邦生徒会行政補佐官を務める大人。行方不明なった連邦生徒会長とも交流があったようだ。普段は、真面目な性格で任された仕事はキッチリこなすが、先生に対してはどこか辛辣な態度をとることが多い。謎が多い人物でもあり、普段から顔を隠すためにフルフェイスヘルメットを被っている。

 

ー現在閲覧可能な情報はここまでー

 

 

 

 

 

 

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます。
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