アラサー社畜は美少女JK Vtuberになって人生を楽しみたい! 作:堺在住のワイ
話すようなこともない私が黙り込んでから数分が経った。コメント欄も心配するようなコメントや不思議がるコメントが飛び交っている。
(私の…今まで…何か…話さないと…でも…話すことがない…)
全力で思考を巡らせ思い出を遡りどうにかしてこの状態を打開する術を探す。だが普通の家庭に溢れているような思い出はいくら捻り出そうとしても出てこない。その時だった
「あっ」
スズカさんが何か禁忌に触れてしまったと言わんばかりの声を発した。
「も、もしかしたら回線ちょっと悪いのかもしれないから、まずは私のお話からしますね」
チャット
上位のメッセージ 1.3万人
・回線が悪いなら仕方ないかぁ
・すっさんの話楽しみ
・回線復帰待機
・そもそも何歳なんだ?
・↑そりゃ少し失礼では?
・たすかに、すんまそ
スズカさんがうまいこと話対応してくれたおかげでなんとかなったが、こういうふうに時間稼ぎをしてもらうのにも限度はある。せめて、そのスズカさんが時間を稼いでいる間に何かしら話す内容をまとめないといけない。
「–––––でね…」
「–––––でさー」
そうこうしているうちに時間は過ぎてゆく、コメント欄も徐々に轍の話も聞きたいという声が大きくなってきている。
(こうなったら、作り話で乗り切るしかないのか…でも、そんなことをしたら…)
そんな時、忘れかけていた遠く昔の出来事を思い出した。そう、前世の記憶だ。
(前世の記憶なら話すような内容はたくさんある!)
私は、Dascordでスズカさんに、話をする準備ができたということを伝えた。
直後にスズカさんから『了解』とだけ送られてきた。
「じゃあ、私が喋りすぎるのもあんまり良くないしそろそろ轍ちゃんの話も聞きたいかなー轍ちゃんどう?昔の思い出とかある?」
「そんなすごい特別な思い出ってものはないんですけれども、1つ自分の中ですごく印象に残ってる出来事があります!」
––––––転生から20年ほど前––––––
当時、私は小学4年生、その日は小学校の運動会だった。
『次の、クラス対抗リレーに出場する選手は入場門の前にお集まりください』
当時、私はクラス対抗リレーに出場していた。これでも前世ではなかなかに足が早く学年で1、2を争うレベルだった。
「瀬戸くん!頑張ろうね!」
「う、うん」
当時、緊張でガチガチに体が固まっていた私に急に話しかけてくれた人、その人は、自分のクラスのアンカー星乃瑞稀。
私の、『初恋』の人だ。
緊張すればするほど時が過ぎるのは早い。当時の自分は何かを考える暇もなく自分の出番が来たことを覚えている。
順位は一位で回ってきた。
二位のクラスには自分と1、2を争っていたライバル松江翔がいた。そして彼は自分にとってライバルであり親友であった。自分たちは勝負事になるとすぐにカリカリとし、鋭い眼光を飛ばし合う。だがそれ以外の日常生活では登下校を共にし、宿題や校外学習もいつも一緒に過ごすくらいには仲がよかった。
普段はそんな仲だが、今は勝負の最中。翔はアンカーとして体を動かし始めていた。そんな翔に向かってコースの一番内から鋭い眼光を飛ばし、威嚇していたことを覚えている。翔もそれに気づいた瞬間自分に向かってニヤリ不敵な笑みを浮かべていた。
星乃さんが逃げ切るためにはせめてコースの1/4程度のリード約25Mほどのリードが必要だと脳内で考えていた。だが現在のリードは5〜10Mといったところだ。
アナウンスでは二組が大きくリードしていると実況していたがそれは現状での話だ。アンカーの実力差を考慮せずに現状をそのまま実況しているんだけに過ぎない。
二位のクラスで翔の前に走るランナーは学年で3番目に足が早い人だ。リードはあまり取れない。なら、バトンパスと反則スレスレのレベルでのイン攻め。それを完璧にこなしてやっと25Mリードが取れるか取れないかというレベルだ。
当時の自分にできる最大限。それを尽くしたことだけを覚えている。走っている間の記憶は残っていない。ただ審判の先生にとんでもない目で見られていたことは覚えている。
その後はバトンパスを無事に見事に決め瑞稀さんに託すだけとなった。
走り終わったあと酸欠になりながらどのくらいのリードがあるのかを確認した。ただの目測、正確には計測はしていない。さらに酸欠状態の中だ。そんな中自分の目測でのリードは20M弱といったどころだろうか。正直に思った。終わったと。勝てないと。
勝負に負けることが自分は猛烈に嫌いだった。しかも翔に負ける。その事実が自分を絶望させるのには十分すぎた。
でも、まだ勝負は終わっていない。まだレースは終わっていない。絶望の中顔をあげ瑞稀さんの位置を確認する。最後の直線に入ろうとしていた時の翔との距離は5Mちょっとだ。ゴールまではあと20Mのところに差し掛かっていた。
アナウンスはゴール前ギリギリの戦いになると感じたのかかなり激しい実況をしていた。その実況を聞き学校の全生徒が湧き上がった。その声は自分にも届いていた。
ゴール前あと5Mといったところでのリードは残り1M強。翔にとってはもしかしたら予想外のリードの広さで焦って呼吸がいつも通りできていなかったのかもしれない。明らかにいつもよりも遅い。もしかしたら届かないかもしれない。勝てるかもしれない。そんな希望の光が自分の心に差したのを覚えている。
先にゴールテープを切ったのは瑞稀さんだった。
バトンを持ったまま私に話しかけにきたのを覚えている。
「やったよ!一位だよ!」
笑顔で自分に向かってそう言ってくれた。その時の顔や声の感じは自分を変えるのには十分だった。
これが自分の『初恋』だった。
––––––現世、現在––––––
「お、おぉ。け、結構話したね」
どうやらなかなかに話してしまっていたようだ。
チャット
上位のメッセージ 1.5万人
・初恋が眩しすぎませんか?
・で、今どうなった!
・現在の話どうぞ
・どうせまだ付き合ってんだろ!
コメント欄では意外と好評?なのかもしれない。
「えー今はねーちょっとねー」
「もしかして何かあった感じ?」
何かもクソもない、そもそも確かに前世で自分たちは小学校の時に付き合い、中学校を卒業するときに別れた。原因は自分が遠くの私立高校に行ったからだ。遠距離になりたくなかった。最後は自分の方から別れを告げた。別れる直前までずっと自分たちは仲がよかった。でも、それは前世の話だ。
コメント欄は再び盛り上がっている。
チャット
上位のメッセージ 1.5万人
・あ、(察し)
・き、きっと次が
・こんな可愛いの何がダメあったんだ!
・その彼氏は何が不満だったんだ…
「いやーまぁそこは皆さんのご想像に?お任せしようかなー」
「こら、あとで私にだけども教えてね」
「え…あ…は…はい。りょ、了解しました」
チャット
上位のメッセージ 1.5万人
・次の雑談配信で教えてくでせぇ姉貴
・ねぇさん楽しみにしてますよ
・さぁどのくらい持つかなぁ?
・別れ話RTA
よく分からないがいつの間にか話が進んでいるが今世では好きな人がいたこともなければ勿論、性交渉経験もない。また前世の話を少し変えて話すか?いやそんなことを続けていてもいつか、どこかでバレてしまう。
「あ、ス、スズカさん?そろそろ時間も時間ですしぃ…」
「え、あ。こんな時間確かに、時間も時間だしそろそろ配信おしまいにしようかなぁ」
チャット
上位のメッセージ 1.5万人
・せっかくいい感じになってたのにぃ
・次の配信はいつですか!
・約束、忘れないでくださいね
・時間も時間だしねお疲れ〜
「はいはい、わかってるよ!次の配信までには必ず聞き出しとくから待っといてねー」
「いや!言いませんよ!」
「大丈夫、“言わせる“だけだから」
「え、怖い…」
「まぁ、じゃあみんなまた今度ねーお疲れ〜」
【雑談】同期からお話があるとかなんとか【GOOD LIVE/西野目スズカ】
1.5万人が視聴中 1秒前に配信終了 #すずちゃっと…その他
:西野目スズカ/Suzuka Ch. チャンネル登録者 1.2万人
スズカさんもなんとなくこのままではズルズルといってしまい配信が終わらないことを察したのだろう。こうしてかなり強引に私の2度目のコラボ?は終わった。
<99+ スズカ
じゃあお話し聞こうかな
23:31
あ…
あとがき
最近、リアルの方がゴタゴタとしていて更新頻度が落ちていて申し訳ないです…
投稿時間に関しても自分なりに一番見てもらえる時間を模索しておりますのでかなり変動すると思いますがよろしくお願いします
それと見てくださる方がいるうちは自分のペースで書いて行きますのでよろしくお願いします!それではまた!