アラサー社畜は美少女JK Vtuberになって人生を楽しみたい! 作:堺在住のワイ
スズカさんからのWAINは一旦保留だ。きっと彼女なら後日『すみません、寝てました』とでも言えばなんとでもなるはずだ。
それよりも心配しないと行けないのはおかかだ。単純に彼女がしくじっただけかもしれないが、念のためWAINを送っておくことにした。
<99+ お〜か〜か〜
今日来なかったけど何かあった?
既読 23:35
思っていたよりも早く既読はついた。この時間まで起きていると言うことは何かしらはしていたに違いない
ほんま申し訳ない。ちょっと風邪ひいてもうて
寝とったわ
23:35
前から気づいてはいたが、やはりおかかは文面になると関西弁が出るようだ。
風邪…ですか。お体気をつけて過ごして
くださいね
既読 23:36
うん。ありがと。あとごめん。
23:36
で、謝罪は後日ってことでいいですか?
既読 23:36
後日、リアルであって謝るわ
23:36
わかりました
既読 23:37
一応、ついてきてくれへん?
23:37
え?
既読 23:38
元々、どっかで会う予定やったしちょうどね?
23:38
りょ、了解しました
既読 23:38
そ、それではお体気をつけて
既読 23:38
はいはーいおやすみねー
23:39
おやすみ
既読 23:39
(あ、終わった。せっかくスズカさんからのWAINを無視して誤魔化そうとしていたのに。もう無理だおしまいだ)
突然リアルで会わないかと言われた私はものすごく動揺した。緊張とは何かが違う。なんだかよくわからない感覚だ。緊張している時の過呼吸になり、胃痛がするような感覚ではなく、どちらかというと胸が締め付けられるような感覚に近い。
とはいえ、まだ計画も決まっていないので考えても仕方がない。時間も時間だし、明日は学校があるので早く寝ることにした。
◇
夜が明け、朝になった。眠い目をこすりながら朝食を作り、できるまでの間に顔を洗う。朝食が出来上がったら朝のニュース番組を見ながら食べる。制服に着替え、時間になるまでごろごろとする。
これが最近の朝のルーティーンだ。結構涼しくなってきたとはいえまだまだ暑い今日この頃。いつも通り私は学校へ向かう。だがしかし。昨日の不思議な感覚はまだまだ収まっていない。
一応家を出る前にスズカさんには『寝てました』とだけ言い訳をしておて学校へ向かう。
◇
いつものことではあるがぼーっとしていたらお昼の時間になっている。いつもだったら静かな場所で1人でお弁当を食べるのだが今日は違った。
「あ、あの!す、翠ちゃん?」
「え、あ。は、はい。な、なんでしょう」
「よ、よかったらでいいんだけど、一緒にお弁当食べない?」
「い、いいよ」
彼女は西野 亜香里。いつも真面目に授業を聞いていてあまり周りの人と喋っている印象もない。自分が言うのもなんだが地味な子だ。何を思って私に喋りかけてきたのかはわからないけれど、一緒に昼食を食べようと言われたので予定もない私はついて行くことにした。
私のいつもご飯を食べているところまで少し喋りながら歩いていると西野さんがとんでもないことを言い出した。
「あ、あのさ、翠ちゃんってVTberって知ってる?」
「え、あ、し、知ってるよ、一応」
「ほんと!?じゃあ黒神轍って知ってる!?」
まさかすぎる事態だ。学校でその名が出てくるだなんて思ってもいなかったからだ。だが下手に答えて身バレするのもめんどくさいので知らないフリをして誤魔化すことにした。
「ちょ、っとわからないかなぁ」
「そっかぁ、すごい面白いVTuberでね…あ、後で配信の切り抜き見よ!」
「い、いいよ」
ぞぞぞ…自分の配信なんてアーカイブを見ようと思うだけで嫌悪感を感じるのにまさかこんな形で見ることになるとは…
吐き気を催しながら、私たちはいつもの場所へ向かった。
少し歩き、無事にいつもの定位置に辿り着くことができたのだが、ついてすぐ、西野さんが私の配信の切り抜き動画をながし始めた。しかも昨日の謝罪配信の切り抜きだ。
「私ね、轍さんみたいな初恋いいなーって思うんだぁ。翠ちゃんはどう思う?」
「え、えっと、あ、あんまり初恋とかわからないからなー」
今こうして画面の中にいる黒神轍と現実にいる九条翠を見比べると全くの別人のように感じる。見る前は自分の配信なんてと思っていたがこうやってみるとなかなかに面白い。
(コミュ障にしては頑張れてるのかなぁ)
その後、昼食を食べ、昼休みが終わるまで西野さんと自分の配信の切り抜き動画を見た。正直なかなかの収穫があったと思う。自分の配信の長所や短所なども客観的にみることができたし、今後に生かせるかは微妙ではあるがかなり気付けることがたくさんあった。
◇
そんなリアルでの一日を終えた私はいつもであればここから黒神轍として過ごすのだが今日は配信がないため九条翠として過ごせる。だが今週、大きな予定がまだ残っている。
そう、1期生の浅草アリスとのコラボだ。WAINで送られてきた詳細によると、水曜日に3期生と1期生での意見交換的なことをするそうだ。参加者二名でそんなことができるのかは疑問ではあるが、先輩からやろうと言われたならやるしかない。
とはいえ、先輩と直で喋るのは水曜日の本番が初めて。それまでの間にどうにかして緊張せずに喋る方法を見つけ出すしたない。手取り早いのはなるべく多くの時間人と会話することだが私にそんな事は…いや、いけるかもしれない。
しかしこの方法をするには連絡を取らないといけない人が二名いる。
「一旦、相談だけするかぁ」
<99+ お〜か〜か〜
おかか、明日暇?暇ならあいたい
既読 20:09
!?何、愛の告白!?
20:17
いやちょっと相談したいことが…
既読 20:18
そうか、そういうことならいいだろう
20:18
ありがとう、じゃあここに明日きてほしい
〇〇府〇〇区〇〇ビル3階
既読 20:19
オッケー
20:19
これで片方はオッケーだ。正直片方だけでいいような気もするが、ついでにおかかにやらせないといけないこともあるのでもう片方も誘うことにした。
<99+ スズカ
すみません、明日お会いしてお話し
できますでしょうか?
既読 20:20
別にいいけど条件が一つある
20:25
は、はい
既読 20:26
内容はある程度予想がつく。どうせ例のあれだろう。
最高の恋バナをよろしくね
20:26
わかりました。明日話します
既読 20:27
明日じゃあここにお願いします
〇〇府〇〇区〇〇ビル3階
既読 20:28
りょうかーい
20:28
とりあえず2人ともOKが出た。自分も学校が終わったらすぐに向かうことにした。
そしてついでではあるがスズカさんに先日の件についてしっかりとおかかの口からしゃべってもらう予定だ。
明日、2人から有益な話を聞くことができたら、きっと今回のコラボもなんとかなるだろう。私は次の巨大な壁を乗り越えるために準備を始めた。こういう時に役に立つ存在が友達というものなんだろう。配信慣れはしてきたがコラボに対しての耐性はいまだに0と言っていいほどだ。
一旦落ち着くためにニュースでもみることにした私はとあるニュースを見つけた。
『バイトコイン70万円台まで下落』
「バイトコインねぇ…ん?」
時は2018年秋。この後このバイトコインは彼女を救うことになる。
お知らせ
しばらく更新が止まると思います…ですけれど気長に更新を待っていただけると嬉しいです!