アラサー社畜は美少女JK Vtuberになって人生を楽しみたい!   作:堺在住のワイ

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安息も束の間

VTuberとはなんとも忙しいものだ。やっとの思いで初めてのコラボが終わったというのに、今週もまた、しかも先輩とのコラボ配信だ。だがコラボ配信のことよりも私が気にしているのは、おかかが勝手にスペシャルゲストとして呼んだくせに通話サーバーにも入れずにほったらかされていた、西野目スズカへの謝罪である。

 

(謝罪って何すればいいんだろう)

 

とりあえずまずは申し訳ないという気持ちを相手に伝えなければならない。しかも、事務所のオーディションに合格し、3期生の中で顔合わせをした際に少し挨拶を交わした程度の関係性の人間に。にしてもおかかはいつの間にスズカさんにスペシャルゲストの依頼をしていたのだろうか。

 

【謝罪配信】下町おかかと西野目スズカさんに謝りに行く【GOOD LIVE/黒神 轍】

 5639人が視聴中 3分前に開始 #紙Live ...その他

 :黒神轍/Wadachi Ch. チャンネル登録者 9003人

 

配信開始からすでに数分経過している。そんな状況で私は何をしているのかというと、視聴者と雑談である。おかかが通話に合流してこないので一向に配信が進まない。このままでは普通に雑談配信をして終わりになる。

 

(このままでいいのか?おかかが来てくれないと勧めれないじゃん!)

 

流石に謝罪なしではただの酷い奴らになってしまう。向こうも約束をすっぽかされかなり怒っているはずだ。私は後10分待ってこなかったら1人で謝りに行くことにした。

 

「えっと、おかかが来ないからもうちょっとだけ雑談するね」

 

チャット

 上位のメッセージ 5679人

・誘った本人現れず

・マシュメロを消化してくれにだ…

・このまま来なかったら謝罪どうなるんだ?

・↑普通に裏でごめんなさいして終わりだろ

 

だがしかし、またもう一つ問題だ。他の配信者であれば10分間場を持たせることくらい簡単なのだろうが、自分にとってはそれは至難の業である。でも、場を持たせないといけない。とにかく当たり障りのない話題でいい。今は場を持たせることが最優先だ。

 

「ところで、みんなって他の配信者とかってみるの?」

 

チャット

 上位のメッセージ 5701人

・轍ちゃん一筋だよチュ♡

・キメェwww

・自分はグドライの人なら基本見てるかも

・最近個人V増えてきたよね。

・個V意外と面白い人多いよね

 

VTuberが伸び始めていたこの時期に個人VTuberとしてデビューする人は結構多くいるようで、自分も研究のために他社のVや最近話題となっている個人V、0期生や1期生などのいわゆる先輩に当たる人たちなどけっこくたくさんのVTuberを見ている。

 

「みんな意外といろんな人を見るんだね!自分も他のVTuberさんの配信にお忍びでお邪魔したりするんだけどね、みんな一人一人個性があって面白いよね!登録者の数は面白さに直結してないんだなーって最近は思い出してるかなー」

 

そんな話題で盛り上がっているうちにあっという間に10分は過ぎ去った。

 

おかかは来なかった。

 

チャット

 上位のメッセージ 5699人

・10分経ったぞー

・おかかこず

・謝罪すっぽかしま?

・轍腹括って1人で凸れ!

・轍、お前は強いきっと大丈夫だ

 

「あぁ、そっかぁ来ないかぁスズカさんなんていうかなぁ…」

 

配信中に初めて恐怖という感情が芽生えた。

 

(怖い、なんて言われるだろうか、嫌われてたらどうしようか…もしかしたら3期の中で浮いちゃうかも…)

 

そう考えると心がズキズキとしてとても痛い。吐き気もする。しんどい。なんて言えばいいだろうか。言葉にできない気持ちがどんどんと溢れてくる。だが行くと決めた物に対して逃げるような真似はしたくない。

 

「じゃ、じゃあ私、行って来るね…一応確認しにきたかったらススカさんの方の配信に来てね…」

 

チャット

 上位のメッセージ 5744人

・逝ってこい

・当たって砕けてこい…

・今まで楽しかったぞ!

・ありがとう、轍…

 

「って別に死ぬわけじゃないんだしさぁ…ま、まぁ応援してくれるのは嬉しいから私、かんばってくるね!」

 

マイクをミュートにしスズカさんから事前に渡されていた通話サーバーへの参加コードを入力して配信へ乗り込む

 

「0189…114っと」

 

一応一度チャットを送りスズカさんに配信をミュートしてもらい一度挨拶をすることにした。

 

「あ、あ、き、聞こえますか」

「音量は別に問題ないよ。というかあなた1人なのね」

 

とても優しい声だ。だけれども、だからこそ恐ろしい。初めて会った時に大人のお姉さんということは知っていたのだが今の彼女の喋り方には殺気がこもっているように感じる。

 

「じゃ、じゃあ配信お邪魔させていただきます」

「うん、あんまり緊張しないでいいからね。私は別にあなたには怒ってないから」

 

(私にはってことはおかかには怒っているんだな…おかかの分まで謝らないと…)

 

【雑談】同期からお話があるとかなんとか【GOOD LIVE/西野目スズカ】

 7891人が視聴中 1時間前に配信開始 #すずちゃっと…その他

 :西野目スズカ/Suzuka Ch. チャンネル登録者 1.1万人

 

「あ、あ聞こえますか?」

 

チャット

 上位のメッセージ 7891人

・聞こえるお

・自己紹介求

・今北産業

・同期

 約束すっぽかし

 今、謝罪

 

「聞こえてるならよかった…初めましてGOOD LIVE 3期生の黒神轍です…よろしくお願いします…」

「はいはーいよろしくねー。で、本題なんだけどさ今日話があるっていうから枠をとったんだけれどそのお話について聞かせてもらっていい?」

「は、はいえっと。つい昨日私ともう一名はコラボ配信をしておりまして…その際に西野目さんをスペシャルゲストとして呼んでいたのですが、通話への招待コードを送り間違えておりまして、約束をすっぽかしてしまったということでございます…」

 

チャット

 上位のメッセージ 1.2万人

・まじかよ轍最低だな

・謝罪!謝罪!

・なんか湧き出したな

・ここはすっちゃんの配信では?

 

きっと私の視聴者が一気に流れ込んできたのだろう瞬きをする度に二百人ほど視聴者が増えていっている。

 

「これそこ、そんなにいじめない」

 

軽く西野目さんがフォローしてくれた。本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

 

「あ、す、すみません私の視聴者が流れ込んで来ちゃったかも…」

「いいよ全然、人はいればいるほどいいしね」

 

表面上ではこのように逝ってくれているがやはり威圧感がある。とても恐ろしい。下手な真似をしたら家に凸るぞとでも言わんばかりの威圧感に私はすっかりおじけついてしまった。

 

「ま、まずはこの節は誠に申し訳ありませんでした。もしよければでいいのですが、今後とも様々なところで絡んでくださると嬉しいです…」

 

これが正しい謝罪なのかわからない。だけれども自分に今できる最大限の謝罪をしたつもりだ。

 

「轍ちゃんは何も悪くないんだから何も気にしなくてもいいのよ。それよりも問題は下町の方よ。あの子は今何してるの?」

「私も合流するために少し待っていたんですけれども、なかなか来なくて…」

「はぁ一回リアルであってわからせた方がいいのかしらね…」

 

チャット

 上位のメッセージ 1.3万人

・わか、らせる???

・オフコラボ!?

・というかある意味被害者の黒神さんはなぜ謝っているんだ?

・この場合悪いのは下町だけでは?

・下町をこの場に召喚しろ!

 

「じゃあ謝罪は程々にしてさ、一旦雑談でもしようか」

「は、はい」

 

なんだか怖がってるうちにコラボが始まった。いや、なぜ?そしておかかはいつくる?ま、まぁアリスさんとのコラボの前に経験を積めることはいいことなのかもしれない。ポジティブに捉えて雑談を行うことにした。

 

「じゃあまず少しだけど、私から質問。轍ちゃんって、リアルではどんな人生を歩んできたの?」

「え?」

 

突然、話題は私の人生についてなった。あまりにも急すぎて私の思考は止まった。人生二周目の自分にとって自分の人生などどうでもよかった。だから自分の人生についての思い出があまりにも少ない。お父さんは海外出張中。お母さんも仕事でずっと家に帰っていない。そんな状態が幼少期から続いていた。だから思い出などないに等しい。

 

(ど、どうしよう…)




あとがき
更新が遅れてしまい申し訳ありません…
自分なりに一生懸命ストーリーを考えているのですけれど、なかなか難しい物ですね…そんな中で一生懸命小説を書いていますので、ざひ応援、レビューをよろしくお願いします!
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