じゅじゅダンジョン!   作:かりん2022

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黒魔導士灰原の場合

「灰原ー! !?」

「よっと。ただいま、七海! メテオストリーム!」

「灰原ー!?」

 

 隕石を大量に打ち出し、呪霊を倒して魔石にした。

 そうして、僕は唇に指を当てて、イタズラっぽく笑った。

 

「内緒だよ、七海。僕、魔法使いになったんだ」

「秘密にするなら、もっと地味な物にしてください。というか、なんですかあれは? なんなんですか!?」

「落ち着いて七海」

 

 混乱する七海を落ち着ける。

 そうして、事情を説明した。

 

「異世界で、5年頑張ってきたのですか」

「そうだよ」

「なんだか、置いて行かれてしまった気分です」

「そうかな。でも僕は知ってるよ。七海が将来、とても強くなるってこと。ようやく追いつけるね。すごく嬉しいよ」

「未来の話を、もっと聞いてもいいですか?」

 

 異世界で頑張ってきました! という方針は早々にカミングアウトした。

 同期にも先輩にも。

 

「異世界? すげーな! メテオ見たい!」

「別の時間軸の私も召喚されたって話だけど、悟は召喚されなかったのかい?」

「ヒーラーらしいな、そっちの夏油に会いたい」

 

 先輩達は信じてくれて、早々に会う機会を作る事ができた。

 せっかくだから、子供達も呼んで、盛大にガツンとやる事にした。

 美々子ちゃんと菜々子ちゃんも依頼を待たず、この日に合わせて救出してしまう。

 直哉が訪れ、夏油さん、里香ちゃんを呼ぶ。甚爾さんは来ないらしい。残念。

 

「サモン。シェルクラブ!」

 

 魔法陣が輝き、大きな蟹が召喚される。

 

「のぼってもええんやで」

 

 直哉は5年間で揉まれに揉まれてだいぶ丸くなったと思う。

 楽しげに子供達を蟹と遊ばせている。

 シェルクラブは本当に子供達に人気である。

 子供達を乗せて歩いたり、あわを吹いたり。

 五条先輩まではしゃいでいる。

 

 だいぶ仲良くなった後、直哉は告げた。

 

「じゃあ、蟹さん料理するでー」

 

 子供達はショックな顔を見せる。

 こういう悪戯を覚えちゃったのは良くないかなー。

 

「ほら、皆。夏油さんが、空飛ぶ呪文を使ってくれるよ。蟹さんにバイバイして、別の遊びしようか」

「飛べるの!?」

「フライ!」

「浮いたぁ!」

「傑! 俺も俺も!」

「私も忘れんなよ」

 

 ということで、フライで遊んでいる間に、フレイムという魔法で蟹を美味しく料理する。

 

「蟹さん、できたよー」

 

 蟹を振る舞い、はしゃぐものが多い中、隅っこで夏油さんはその様子を伺っていた。

 

 重症だな。メグルの言っていた、笑えなくなっていたってのはこちらの夏油さんもらしい。僕たちの夏油さんも、立ち直るのにすごく時間をかけていた。

 僕は夏油さんに蟹を持って行こうとする。

 

「もが!?」

「傑! この蟹すげー美味しい」

 

 グイグイと夏油さんの口に蟹を押し込む五条さんを見て、僕は微笑むのだった。

 ああ、夏油さんも最強コンビに少し安心したように微笑んでいる。

 誤解を解いて、メディックとヒールで夏油さんをたっぷり癒して。

 また笑えるようになってもらおう。

 不可能ではない、僕らは、5年かけてそれを成し遂げたのだから。

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