「待っててね、里香ちゃん」
「憂太っ」
私は憂太に抱きついた。服がダブダブで滑り落ちそうになる。
「憂太! 会いたかった、大好き!」
「り、里香ちゃん!? どうして」
「えーと? おめでとう、憂太?」
上着を脱ぐ五条先生を止めて、憂太は自分の上着を着せてくれた。
「私、異世界に召喚されて剣闘士やって、帰還できるくらいお金を稼いだの! 頑張ったよ憂太♡」
「えっええ!?」
「あ、五条先生! 傑の死体を操ろうと狙ってる呪詛師がいるらしくて、ちゃんと処分しきるまで死体の護衛と監視をしてあげてくださいだそうです」
「誰情報? それと、なんか親しげじゃない?」
「召喚者が何故か知ってました。安らかに眠らせてあげてください。あと、傑は別の時間軸の傑と一緒だったので」
「えっ詳しく知りたい」
「甚爾とよくライブしてました。男女問わずモテるしタラシだし、あれで一途って自己評価ふざけてますよね。何股してたんだろ」
「「は?」里香ちゃん粉かけられてないよね?」
わ、怖い。
「私「は」一途だよ、憂太♡ あと、怪我人の治療、傑に手伝わせるね。並行世界ではあるけど、傑のやった事だし」
そして、三日後。
向こうの事を聞かれたけど、直哉達が来るまで内緒にした。
代わりに、一緒に傑の遺体の護衛を頑張った。
襲撃があったけど、ちゃんと火葬するまで守り切ったよ。
そして直哉が転移してきて、若い時の傑を召喚した。
慰労会という事で、子供も呼んでもらっている。とても警戒されちゃってるけど、仕方ないか。
「傑!? 本当に傑だ!」
「ごめんね、悟。こっちの私が迷惑かけたって聞いたよ」
「間違ってもライブすんなや」
「しないよ!」
そうして、傑は怪我人にヒールやハイヒールを掛けていく。
「お詫びにもならないだろうけど、ポーションを渡しておくね。消費期限があるから、遠慮しないで使って欲しい」
「治癒できんなら手伝ってけ」
「ごめんよ。私は狙われているから、予定があって身を守る算段がついてる時しか滞在できないんだ」
「特級術師だろうが。誰に狙われてるんだよ?」
「力不足でごめんね」
「傑は凄いだろ。ヒールとか超すげーし」
家入先生に責められていると、すかさず五条先生がアシストに入っている。
私の死体を守ってくれて、きちんと眠らせてくれてありがとうと傑が五条先生に礼を言われていると、五条先生はワタワタした。
「じゃあ、こっちでも余興しよか」
「直哉。大きいの呼んでね、大きいの」
「どうかなーサモン・シェルクラブ!」
大量の魔石を使用して、直哉はシェルクラブを呼ぶ。
「でか! でか!!」
「ほーら大きい蟹さんやで? 乗りたい人ー!」
ざわざわざわ。術師達はざわめく。
「異世界言ってたって本当なんだね」
「向こうでは重機がわりに使われてるんやで。しばらく遊んだら茹でて食べるんやで」
「食べ……るの?」
「美味しいんだよ、悟」
「じゃあ、食べながら話そうよ。私達の冒険譚!」
灰原が調理をしていい匂いが立ち込める。
私は蟹肉を頬張り、異世界について楽しく語った。
憂太は妙齢の私を見た直哉や傑を気に入らないらしく、私を腕の中にしまって話を聞いてくれた。
とっても幸せ。
「傑と甚爾のライブ見たい見たい見たーい!!」
「甚爾くんからは連絡拒否られてるんや。それに、あんな事やらかしといておふざけはなぁ」
「むしろ詫びと思って! お持て成しして! 後片付け、超大変なんだしさぁ!」
五条先生のわがままが発動し、傑は、じゃあ、と控えめに準備をした。
天使降臨ヒール連打ライブはそれなりに盛り上がった。
「夏油さんと甚爾さんはライブ、僕はポーション作り、直哉さんとメグルは土木工事で忙しかったんだよね。里香ちゃんが家事を覚えてくれてよかったよ」
「私は役に立てないみたいでちょっと残念だったかな。ダンジョンでは大活躍だったけど!」
「甚爾がアイドルで傑がヒーラー、灰原が魔法使いで直哉が召喚士だろ。里香はなんだったの? なんか特殊なの使えるの?」
「騎士だよ! 敵の攻撃を一気に引きつけるの!」
「は?」
「敵意を煽って一気に襲われるようにするの。コンバットクライとか、ウォーリアーハウルって言って、こう、武器で盾をガンガンって! 後はシールドスロウって盾をぶん投げたりね。でも流石にドラゴンにスタンピングされた時は死ぬかと思ったなー」
「前衛、里香ちゃん1人だけやからねー」
「は?」
憂太がブチ切れて、私たちは正座で話を聞くことになった。
心配されてる、愛されてる感じがして嬉しい……♡
呪霊にも効くから、精一杯サポートするね、憂太♡
「里香ちゃんにそんな事はさせないよ」
「一緒に戦いたいの。そばに置いてよ、憂太。私、強いよ?」
特に真希には負けられない。正妻の座は私のもの!