Persona4 the NeoGetter 作:komorin
恐竜帝国の滅びた日
―――2010年10月〇日、東京。
澄み渡る蒼い空は灰と火花で汚れ、巨大な円盤が天球を覆う。
日常であった人の波は混乱と恐怖で荒れ狂い、人々の叫び声がこだまする。
それはまさに悪夢の日だった。
「助けてくれ!」
「子供が瓦礫の下に!」
「死にたくない…!」
「シェルターはこちらです!!急いで!!」
「おい、悠!急がねぇと死んじまうぞ!!」
「あ、ああ。悪い。」
少年は見た。
生き延びるため、クラスメイト達と共に学校から避難するその横で
粉々に破壊された東京駅を、根元から倒れた東京タワーを、
―――蒼穹を駆ける一筋の赤い光を。
「…ゲッター、ロボ」
―――2010年10月△日、稲羽市。
田舎にとって、ニュースは数少ない一つの娯楽であった。
その上、どこか遠くに感じる都会で起こった襲撃事件に世界を救ったロボ。
そんな面白い話が噂のタネにならないはずもなく―――八十神高校一年生の教室はいつも以上にざわめいていた。
「ねぇ見た花村?あの東京襲撃のやつ!」
「そりゃあんだけニュースになってたら誰でも知ってるって。ゲッターロボってやつが何とかしたんだろ?」
「そうそうゲッターロボだよ!聞いた?"17歳のエースパイロット"!うちらと一つしか違わないのに凄いよね!」
「なんだ?里中。お前あーいうのも好きなの?」
「あーいうのって、ロボット?んー…ロボットは別に?っていうか花村ちょっと前まで都会にいたんだしさ、なんか聞いてなかったの?ゲッターロボのこととかさ。」
「聞いたことねーよ!つーかああいうのって普通は機密情報みたいなやつだろ?一般市民の俺は何も知らないっての。」
「なーんだ、残念。…あっ雪子!雪子は見た?あの東京襲撃のニュース!」
「ううん。旅館、今忙しいから…」
「あー…そっか。あっもしかして今日も忙しい感じ?」
「うん。だから先に帰るね。ごめんね、千枝」
「いいよいいよ、気にしないで!気を付けてね雪子!」
いつも通りの日常に、いつものうわさ話。
結局遠い場所の衝撃のニュースは娯楽以上のものにはならず、1週間もする頃には別の話題で盛り上がるのだった。
―――2010年10月□日、仮設ネーサー基地 - 食堂。
食堂のテレビには、「ゲッターロボ、地球を救う!」と題して特番を組んでいるニュースが流れていた。
番組に出てくる三人のパイロットは―――丁度その特番を見ながら昼食をとっていた。
「お、號じゃん。緊張でガチガチになってやんの」
「るっせ!!」
「ふふ…"17歳のエースパイロット"、なんて呼ばれているな」
「おめーだって"クールビューティ"だの"戦場の女神"なんだの言われてんじゃねーか」
「いいなぁ二人は。俺もなんか二つ名欲しいよ」
「いらねーだろこんなん…」
三人が話している間にもニュースは続く。
『ゲッターロボの働きにより私たち人類は恐竜帝国に打ち勝ったんですね。』
『恐竜帝国のトップと軍の壊滅…もう私たちは彼らにおびえる必要もなくなったと』
『そうです。仮にまだ兵器を隠していたとしても私たちには横浜・アメリカで活躍したネオゲッターロボ、そしてこの東京で帝王を打ち倒した真ゲッターロボがあるのですから…人類が負けるなんてことはないでしょう。つまり
『なるほど。…では、この度の恐竜帝国の襲撃のよる各国の動きについて………』
「…そろそろ飛行訓練の時間だ、急ぐぞ」
「へーい。」
世界を救っても、基地が壊れていても、彼らの日常は変わらない。