ここは迷宮都市オラリオ。迷宮都市と言うだけあってオラリオのど真ん中に迷宮がある。様々な種族がその迷宮に入り冒険している。
そして50階層にも英雄を目指している少年…いや青年がいる。Lv.7《覇王》シオン・アーデスもまた英雄になる事に夢見て冒険をしている。
「そろそろ帰ろうか、ベル」
「シオンがそうしたいなら私はそれでもいいけど、でも確かに疲れたわね〜」
僕の隣を飛んでいる緑のちっちゃい精霊は、僕と契約している風の精霊で相棒のベル。何だかんだ言って僕の事が大好きだからいつでも一緒にいたいらしい。可愛い相棒だ。
早く自分達のファミリアに帰ろうとした途端50階層でイレギュラーが起きた。そのイレギュラーとは見たことも無い芋虫のモンスターがそこら中に出てきた。
「ベル…もう一仕事するか」
「しょうがないわね〜」
僕は指を鳴らしイレギュラーが起こった場所まで瞬間移動してみたら見覚えのあるファミリアの人達がいた。
「あれ?フィンじゃないか」
「あのちっちゃい奴ね、シオン助けに行くつもり?」
「ん〜僕が助けなくても大丈夫そうだけど…恩を売っとくってのも悪くない気がするけどなぁ〜」
「それも悪くないわね!」
「ん~じゃあ行きますか〜」
また指を鳴らし風の力でフィンの所まで瞬間移動をした。
「よっ!フィン楽しんでるようだな」
「シオン。君にはそう見えるんだね」
「うん、だってそんな雑魚芋虫に手こずってる様に見えて楽しんでるんでしょ?ね、ベル」
「そうね!遊んでるようにしか見えないわね!私達ならこんな雑魚一瞬よ一瞬!」
ベルはそう言いながらその場でパンチを何回も繰り出してみせた。そしてフィンは苦笑いをするだけで言葉を返さなかった。
「じゃあ僕達がやるか」
「そうね、シオン!すぐに倒してホームに帰りましょ」
「って事でフィンみんなを離れさせてくれるかな」
「全員、撤退!!」
フィンの声1つで芋虫と戦っていたロキ・ファミリアのメンバーは僕の後ろへと撤退した。納得のいかない人が多いっぽいけど僕に関係ない。ロキ・ファミリアの面々が全員撤退したのが分かり僕は魔法を展開した。この大気中に吹いてる風を僕の周りに集めその風を千本の程の風の剣を創生させ、そして魔法を放った。
《風刃の叢雲(ふうじんのむらさめ)》
僕が魔法を放つと風の剣の攻撃は全ての芋虫に刺さり全てが灰になって芋虫は魔石となった。
「じゃあ僕は地上に戻るね!行こうベル」
フィン達が何か言ってたけどそれを気付かないふりをし地上に向かった。まぁ向かうって言っても地上に帰るなんて瞬間移動や転移すれば普通に帰れるから歩く必要ないんだけどな。
僕の主神は一言で言うならば美を追求してるナルシスト。うん、ナルシストって言うのが一番しっくり来る。僕の主神アフロディーテがナルシストにのも分かる。美の女神に相応しいって思うプロモーションに綺麗な顔。これで性格が良ければthe美の女神って僕も思えるだけど…アフロディーテは僕に一目惚れをして眷属になってから性格が変わったらしい。まぁこれはヘスティアに聞いた話だからどうなのかは定かでは無いけど。でも、僕がアフロディーテの眷属になってからずっと美の女神が使える魅了の力は一切使わなくなった。何処ぞの美の女神と違ってそこは尊敬し、大人だなって思う。だからアフロディーテには幸せになってもらいなって思わせられるそう言う神様。って僕は思ってる。
「やっぱり私達のホームはいつ見ても凄いわね…」
「ディーがどんなホームしたいのかが見ただけで分かっちゃうそういうホームだよね」
僕達のホームは神殿に近い建物でなかなかにデカい。何なら神々しさすら感じる様なホームだ。
「ただいま、ディー!」
「シオ〜ン♡おかえりなさい♡シオンに限ってケガとないと思うけど、大丈夫?この美の女神の私が癒やすわよ?」
「はっなられなさいよ!!シオンは1ヶ月もダンジョンに籠もってて、疲れてるんだから!!」
勢いよく抱きついてきて僕体に頬摺りしながらエヘヘ~と神がしてはいけないような笑みを浮かべ、そんなアフロディーテを無理矢理剥がそうとする風の精霊のベル。
「おいおい、お前等一回離れろ!」
そして僕はそれを適当に止めようとしている。そんな僕達のいつもの日常だ。アフロディーテは「離れなさいこの羽虫が!」と煽り、ベルはベルで「神だからってシオンに抱きついていいわけ無いのだからすぐに離れなさいよ!!」聞いてる僕からしたらくっそめんどくさい。
「あれ?ディーしかいない感じ?」
「あぁ〜あの子ならレフィーヤが遠征から帰ってくるからって会いに行ったわよ」
「あいつも健気だよね~、まぁそれもいい所何だけどさ」
「でも、シオンはモテるわよね〜。神オブ神の私を嫉妬させるぐらいに。ディアンケトの『戦場の聖女(デア・セイント)』ロキの『千の妖精(サウザント・エルフ)』、家のにいるエルフ。それに、フレイヤの所の『女神の黄金(ヴァナ・マルデル)』。そしてアストレアにその眷属の3人《紅の正花(スカーレット・ハーネル)、大和竜胆(やまとりんどう)、狡鼠(スライル)》…。あああぁぁぁああァァァ!!!何で私と言うものがいながらどうしてこんなにもモテまくるのよぉぉぁぁっ!!!」
め、めんどくせぇ~。ここまで好かれると逆に困るなって最近になって思った。ここまでディーテが取り乱す姿を見るのは僕とベル的にはあんまり珍しいって訳でもないからほっとけばいつの間にかいつ戻りのアフロディーテに戻ってるから僕はホームをベルを連れて抜け出した。
「ホーム出てきてよかったの?」
「あぁ、いいんだよ。ベルは知ってるだろ?ああなったディーがいつも通りに戻るまで時間が必要だからね。それにあの状態になったディーの側に僕がいたらあれ以上に面倒くさくなると思うからさ」
「そうよね…シオンがアフロディーテの眷属になってからアフロディーテの事美の女神って私思えなくなっちゃのよね。眷属にしつこく勧誘してくる時は神って感じの神々しさを感じられたていたのに…今ではシオンの事が大好きで可笑しい女なのよね…」
「確かにね…でも、他の神々と比べて尊敬出来るからディーの眷属になったんだけどさ。だけど僕が信用できる神以外の神は嫌いだ。今すぐにでも消し去りたいほどに…何が美の女神だ!美の女神はアフロディーテだけで十分だろ。他の美の女神は魅了を使えばなんとでもなると思いやがって糞どもが!僕ら眷属の子供達を玩具だとおもいやがって…はぁ…幸せって何だろうな…ベル」
「大丈夫だぞシオン!我に任せればシオンを幸せにするぞ!」
「はぁ…いやなんで君がいるのさ、ルナ」
「シオンに会いたくて勝手に転移してきたのだ」
「まぁいいけどさ、ソラにバレてもしないよ?ソラに怒られても僕やベルは助けないよ?な、ベル」
「そうね、呼んでもないのに勝手に出てきちゃったんだから弁解の手助けはしないわよ」
僕はそういいながらルナに見えない様にソラを呼び出す魔法陣を展開し呼び出した。
「我のシオン愛はダメなのか?」
「ルナ!!」
「な、な、何故姉が!!」
凄く驚いてるルナは驚いていた。そしてソラはルナに目の前まで行き説教を始めた。「シオンさんに失礼でしょ?」とか僕に聞こえるだけでも相当に怒ってるのが分かる。まぁルナが勝手に僕の所に箱庭から転移してくる事が多々ある。それは何回も何回も、まぁ僕が強くなる為に箱庭にいる精霊を蔑ろにしてる感があるから僕的にはルナに強くは言えないし何なら僕は精霊達が好きだから怒りたくない。
「まぁそんな怒らないであげてよソラ」
「…シオンさんがそう言うなら…いいですかルナ!今回はシオンさんに免じてここまでにします、でも、勝手にシオンさんの所に行ってはいけないんですからね、分かりましたか?」
「…はい。」
話が終わったらしい。だから僕はある事をルナとソラに聞く事にした。
「ソラ、ルナ。いつも聞くんだけどあの3人の体は変わりないか?」
「はい、それに関しては私達が保存魔法を掛けて居ますし、シオンさんがあの3人が朽ちないように時間停止魔法を掛けていますよね?ですからあと5年は平気だと思います」
「なら良かった。僕が思うに次レベルが上がれば蘇生が出来ると思う。って感じるよ…ん〜だから、僕が蘇生させるまでまだ頼んでいいかな?」
「はい、勿論です(なのだ!)!」
「じゃあよろしく頼んだよ」
「うむ!任されたのだ!」
「私達に任せてください!」
僕はそう言ってソラとルナを精霊の箱庭に戻すために転移を使い戻した。ソラルナは僕に手を振り戻った。
「さぁ〜てと、僕もホームに帰ろうっと…ってあれ?ベルさーん?ベルさーん!何処にいらっしゃるの?」
僕が空間転移でソラとルナを元の場所に戻してる間にベルは何処に行ってしまったみたいで姿が見えなかった。
「ん〜どうやって探すかな…あの方法で探すか…」
自分の額に指を当てベルの気を探った。するとすぐにベルの気を見つけベルのいる場所まで瞬間移動をした。
「んで、君は何してるのかな?ベルさん」
「何か凄く違和感を感じて来てみたらこの子がいたから」
「ん?この子?」
ベルにそう言われて下を見るとそこには首には鉄のごつい首輪を着けていて、服は布1枚。如何にも奴隷と呼ばれる姿の獣人の女の子が眠るように座っていた。
「それで…ベル。こいつをどうするつもり?」
「多分この子はこの世界の子じゃない…っと思うわ。だからこの子がここで目を覚ました時絶対不安だし、恐怖を感じると思う…。それに…」
「それに?」
「1人にしたら絶対神々の玩具にされるっと思うわ」
僕はか一度考えて見る事にした。この世界に絶対なんて事はない。僕の持つ未来視があったとしても未来は変わったりもする。冒険者は冒険するのだから絶対死なないって事もない。だから絶対はない。だけど、この外界に降りてきた神々はどうだろう…この奴隷姿の異世界の獣人は絶対に玩具にされる。それは僕的に気に食わないからこの獣人を助けよう。何故気に食わないかって?だって僕は殆どの神々が大嫌いなのだから。
「はぁ…しょうがない。助けようか」
僕は獣人の女の子を抱き上げとりあえず自分のホームに向かった。
「ただいま、ディーテ。少し訳ありでこの子ここにおいていいかな?」