IS《インフィニットストラトス》ゴーストバレッド   作:コードα

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秘密の大きさは人によって異なる

シャルルが転校してきて五日、一夏がもう一人の転校生、ラウラ・ボーディビッヒに初対面でビンタを喰らってから五日。

 

強は土曜日、俺とシャルル、一夏と何時もの三人娘(箒、リン、セシリア)は第三アリーナで訓練していた。

 

可奈達は訓練機の使用許可が下りなかったのでパスしている。

 

さて、一夏がシャルルに射撃武器についてレクチャーされている。

 

リンの感覚論、セシリアの無駄に理論的な説明、箒の意味不明な説明よりも圧倒的に分かりやすい。

 

「ふんっ、私の説明を聞かないからだ」

 

「何よ、アレだけ分かりやすく説明してあげたのに」

 

「私の理路整然とした説明に何の不満があるのかしら?」

 

「いや、リンは感覚論だし箒に至ってはグッという感じなんて論外。セシリアは無駄に難しくしすぎ」

 

おお、怖い。つっ込むと自称・一夏のコーチ三人が講義の目線を向けてくる。

 

「ソレ聞くとカズがガンモード使わなくて合わせてくれたって言うのも納得だ」

 

「だろ?ガンモード使ったらソレこそ瞬殺だぜ?」

 

「カズのシルバーバレットも大概だけどね。部分的に瞬間加速かけるなんて良く体が持つよ、普通は骨折してもおかしくない。最大加速状態から減速しないで瞬間加速なんて幾らISに対G機構があってもかなりのGが掛ってる筈だよ」

 

「ああ、それで身体の節々が痛いわけか。納得だ」

 

「骨折とかしたら大変だからもうしないでね!?」

 

シャルルが過剰な反応を示した、確かに骨折は嫌だ。ウン。

 

「一夏、シルバーバレットも白式と同じみたいだ。一切の装備を受け付けん」

 

「おお、仲間だな!」

 

そう、白式には理由らしい物がある。単一能力に容量を割いていると言うのが大まかな理由である(現在不明)が、シルバーバレットにはソレがない。

 

前回のトーナメントでリンに一枚、無人ISに一枚、合計二枚のABCマントが破壊されている。

 

補充が利かないのでインストールされている文は残り八枚、残りの後付け設定は無駄になっている。

 

「シルバーバレットはどうして受け付けないの?」

 

「設計者本人も原因が分からん」

 

シャルルが尋ねると俺は即答、実に不愉快だ。これだから天災作のコアは困る。

 

これだから「操縦者に合わせて学び、進化していくんだよ~!」とハイテンションで今にも踊りだしそうなウサギを思い出して拳を握る。

 

一夏がシャルルにアサルトライフルを借りて射撃訓練を始めたのは『一回目』通りだったが、Bバスターを貸してくれと言い出すとは思わなかった。

 

案の定、即行ガス欠である。

 

すると辺りがざわつく。

 

男三人がアリーナで練習しているからではない、ドイツの第三世代がビットのレールからこちらを見下ろしていた。

 

銀の長髪、それは望遠機能を使用しなくても目に付く特徴的な本来のメインヒロインの一角を担う少女。

 

「ラウラ・ボーディビッヒかぁ、何て言うかナイフみたいな子だな」

 

鋭いイメージは向けられた敵意と混じって首筋に刃先を付き付けられている様な錯覚を生む。

 

「おい、貴様。」

 

オープンチャンネルで掛けられた声は一夏を指していた。

 

「専用機持ちだそうだな?私と戦え」

 

「嫌だね、理由がねぇよ」

 

「貴様になくても私にはある!」

 

ラウラの戦う理由、千冬からモンドグロッソ連覇を奪ったという事らしい、あのタイミングで攫われたのは一夏の落ち度ではない。俺も共に居たのに、拉致されると知っていて、ナンバープレートを警察に伝えるくらいしか出来ず、共に居たのに助ける事は出来なかった。

 

「ならば、戦わざる終えないようにしてやる!」

 

ラウラのISシュバルツェア・レーゲンがレールガンを起動させて一夏をロックオン、あ

まつさえ実弾をぶっ放したのである。

 

今、一夏と俺、シャルルの周りにはIS展開していないリンやセシリアを始めに多くの生徒でちょっとした密集地帯になっていた。

 

「こんな所で行き成り撃つとかアホかっ!」

 

咄嗟に割り込んでビームシールドを張る俺、次いでBバスターの銃口を向ける。

 

「ほう、邪魔をするか?」

 

「する。周りを見て撃てよ、その眼帯で見えてないなら外せ」

 

「何?」

 

イラッと来たらしいラウラが標的を変更する。分かりやすいな、おい。

 

割り込もうとしたシャルルと割り込み、対峙する俺と言う構図で一触即発の空気が流れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結果から言うと教員の横槍でラウラが引いた。

 

俺はと言えば一夏が職員室で無駄な書類にサインし、一夏・シャルル部屋でだべって戻るつもりで肩を並べている。

 

「ただいまーって、シャワー浴びているのか?」

 

「なんつうか、気分転換だろ?あんな事あったし」

 

脱衣所から響く水音に一夏が呟き、俺も続く。

 

確かに気分転換の一つくらいしたくもなる。

 

絶対にラウラの奴は俺も『倒す対象』に追加したな。計算外だ畜生。

 

「あ、カズ。ディーソープ切れてたからシャルルに渡してくれ」

 

そう言って一夏は交換用のボトルを渡してきた。

 

ま、仕方ないか。コレくらいは。

 

この間に一夏はお茶を入れている。

 

さて、届けたら可変機構を組み込んだISでも設計するか。コードネームは何にしよう?

そう思いながら脱衣所兼洗面台のドアを潜り、シャルルに声を掛けようと視線を上げた。

 

 

ガチャ。

 

 

「ああ、シャルル。一夏からボディーソープの追加・・・・・」

 

「か、カズ・・・・!?」

 

目の前に、女子のシャルルがいた。

 

アレ?コレ、一夏に起きるイベントじゃ・・・・?

 

思考が停止しているのは両者同じで、俺は『一回目』で知っている知識とは違う事に困

惑しつつ、事態の収拾を図ることに全力で思考を回らせている。

 

「きゃあ!」

 

「取り合えず、ココに置いとく・・・・」

 

ドアの影に身を隠すシャルロットにそう告げて洗面所兼脱衣所を出る俺。

 

「あ、うん。ありがと・・・・」

 

そして壁に息なり頭突きを繰り出し記憶の抹消を図ったが、一夏が驚くだけだった。

 

そして俺は一夏とこの後、シャルルの裏事情を聴くことになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

重い空気が支配する部屋で俺と一夏はシャルルの話す事を黙って聞いていた。

 

シャルルが愛人の子である事、デュノア社の経営事情、そしてシャルルが言い付けられ

た命令の事。

 

「ふざけるな、親だからって!」

 

「で、シャルル・・・お前はどうしたい?」

 

怒りに震える一夏を横目に俺は尋ねる。

 

正直、デュノア社がどうなろうと知った事でないが、シャルルが犠牲になる事は納得が

いかない。

 

「どうしたいって僕は本国に呼び戻されると思うよ、二人に話しちゃったし・・・」

 

俯くシャルルが顔を上げると悲しげな笑顔だった。

 

「よし、一夏。この事は他言無用な」

 

「勿論だ!」

 

提案する俺に即答する一夏、意外とばかりに驚くシャルル。

 

「ありがとう。でも、時間の問題だよ・・・」

 

「何、ここに居れば良い。シャルルはここに居て良いんだ」

 

「ああ、俺達が黙っていれば良い話しだしな」

 

そう言って一夏が続く、俺は次の手を考える。ただどうやって説明したものかと頭を悩ませながら。

 

「ま、決めるのシャルルだ。考えてみてくれ」

 

「うん、そうするよ」

 

と一夏が言うとシャルルはさっきより明るい表情で応じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、俺と言うと暗くなったIS学園・寮ロビーででデュノア社への根回しを画策する。

 

欲しいのは第三世代のデータと俺と一夏のパーソナルデータ、ISデータはストックがあるし直ぐ出来るだろう、最悪天災に頼むのも手だ。

 

「じゃ、パイプは任せましたよ。」

 

モニターの先に居る平和の名を持つ副指令に頼み、通信をきる。

 

ストックと言っても俺自身が製作して良いものかと考える機体群だ、場合によってはパワーバランスを崩す危険性もある。

 

彼らが動いたとなれば、戦力は必須だ。

 

『一回目』とは違う以上、亡国企業も違うと見て良い。

 

携帯の画面に映る番号を見てため息をつく。

 

出来れば連絡したくなかった人物が呼び出された。

 

「もすもす終日?」

 

 

 

 

 

 

 

「で、何を騒いでるのか君らは」

 

教室で騒いでるクラスメイトに俺は開口一番にそう言った。

 

「何でも、月末のISトーナメント優勝者は織斑君と付き合えるらしいよ?」

 

「成る程、そりゃ必死になるわな」

 

気だるそうな俺の横で噂を聞きつけた可奈が教えてくれた。

 

成る程、『一回目』通り箒と一夏の約束が伝播して変化した結果か、でもこれはコレで問題があるような・・・・?

 

大抵、こうなると一夏がらみで俺はトラブルに合う。

 

百パーセント、経験則でいえる。

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