IS《インフィニットストラトス》ゴーストバレッド   作:コードα

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時に怒りって周りに心配かけるよね!

今日も今日とて訓練に励む俺である。

 

無限軌道からの瞬間加速、さらに連続瞬間加速を少なくとも物にしないと不味い気がするんだよ、セシリアとリンで使ったから手の内ばれてるし。

 

一夏に至っては部分瞬間加速の攻撃を知っているからな、対処できるとは思えんが、対処されたときのことを考えて準備は怠らないほうがいいだろう。

 

ISトーナメントも近いし、ラウラには敵視されたしで決して状況はよくない。

 

「で、リン。何故いがみ合ってた?」

 

「何よ!セシリアの肩もつっての!?」

 

「そういう訳じゃ・・・・」

 

「細波さん、はっきりしてくださる!?」

 

ホラね、一夏に惚れてる二人の少女の仲介に入ったらコレである。

 

「優勝して一夏と付き合いんだろ?キミら、ならさ。その直ぐに熱くなる癖直せよ」

 

「な、なななな何を言ってるのよ!?」

 

「そ、そそうですわ!私はただ優勝を・・・」

 

「ならセシリア、ここからはアドバイス。狙撃型なんだから接近許すな。一人で一対多

数の状況に持ち込める装備持ってて遊ばせるなよ」

 

そうだ、ブルーティアーズを使えばセシリアの射撃込みで同時に五発のレーザーが襲い

掛かることになる。

 

「うっ」

 

既存するISでABCマントを一発の元に破壊する可能性があるとすればブルーティアーズ

だけだ。が、セシリアの技量が追いついていない為に本体のレーザーを曲げるなんて芸当も出来ていない。

 

「あと、リンもスペックに頼るの止めろよ」

 

「それは貴様もだろう、細波一光」

 

切り替えしてきたのはリンではなくラウラ、既にISを展開済みである。

 

「コウリュウとブルーティアーズか。データで見たときの方が強そうではあったな」

 

『一回目』と同じようにラウラがリンとセシリアを挑発する。

 

だから嫌なんだ、一夏がらみになると女子達はどうしても我を見失いがちになる。

 

案の定、二人は「何ですって?!」と激高気味の様子。

 

「自作ISだか何だか知らんが、見た目だけのISなんぞシュヴァルツェア・レーゲンの敵ではないな」

 

ラウラが一瞥して鼻で笑う。

 

いかんな、今のは俺もイラッと来たぞ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あー、結論から言おう。

 

一夏をバカにされて堪忍袋の緒がはち切れた恋する乙女二人を庇いながら、ラウラのシールドエネルギーを削るのはかなり酷な作業だ。

 

「無駄だ、このシュヴァルツェア・レーゲンの停止結界の前ではな!」

 

そう言ってリンの衝撃砲をラウラは文字通り、手を翳すだけで無力化した。

 

俺は連続瞬間加速で二人の間に割り込むとABCマントをリンが隠れるように放り投げると

思惑通り、マントが身代わりとなって止まっている。

 

「リン、衝撃砲は使うな!隙が出来る・・・・ッ」

 

咄嗟に飛んできたワイヤー・アンカーを殴り、弾くとラウラが口角を持ち上げた。

 

やっぱり伊達に隊長をしていないという訳か、初見だろうに・・・・初見?

 

ふっと試験稼動テストのことを思い出す。

 

確かスネーク達にも協力してもらい、飛行テストの時に確かドイツの黒いIS部隊に追っかけられたような・・・・あ。

 

「シルバーバレットだったか、お得意の無限軌道に入る隙さえ与えなければこの程度だ。私の敵ではないな」

 

「何を言うか!この二人をフォローしながらやってるからレーゲンが無事なわけで!?」

 

言い返そうとした途端、レーゲンに搭載されているレールガンが火を噴いた。咄嗟に上半身を逸らしながら捻る事で弾丸を確認しながら避ける。ISのハイパーセンサーが無ければ無理な芸当だ。

 

「分離BT兵器もこの程度ではな!」

 

ビットが撃ち抜かれた。停止結界AICで止めた後の砲撃ではどうしようもないが呆けるセシリアにシザーアンカーを打ち込んで牽引するように引き寄せ、受け止める。

 

「呆けるなっ!」「はっはい!」

 

反射的に返事を返すセシリア、それでもブルーティアーズのダメージは軽くない。

 

ビット四基にスナイパーライフル、左腰の装甲は砕け、そこにない。

 

「きゃっ!」

 

「にゃろっ!」

 

リンに向かって伸びたプラズマ手刀をリンと位置を入れ替えるようにしてBバスター・

ソードで受ける俺にラウラは僅かに目を細めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「専用機もちが四人で模擬戦しているって何してんだよ!?」

 

やはり、トーナメントに向けて訓練しようとアリーナに訪れた一夏は開口一番に飛び回

 

る俺に対してつっ込んだ。ご丁寧にプライベートチャンネルを開いてだ。

 

『んぁ?ソレよか何でラウラの第一目標俺になってんだよ!?』

 

「知るか!」

 

「ファンさんとオルコットさんのダメージは軽くないね。カズは相変わらずノーダメージ・・・とは行かないみたいだ」

 

一夏の横でシャルルが分析する。セシリアとリンはISアーマーが所々消し飛んでいるし、アリーナに散らばる麻布のような装備の破片、ABCマントの予備も使いきらされた。

 

正確には後一枚だけ、ABCマントがあるにはあるが俺にとってソレを使うと本当にABCマントを使い切るので使わない、と言うかやるなラウラ。

 

「どうして本気出さないのかしら?」

 

一夏の右でみやびが首を傾げる。

 

「そりゃあアレでしょ?」

 

「本気出したら置いてけぼりになっちゃうもん、リンさんとセシリア。」

 

的確に言う可奈とソレを言いたそうだった癒子。

 

「それにしても、反撃と言うより防戦一方?」

 

瑠璃が締めくくるように首を傾げる。

 

可奈達三人は勿論、最近織斑狙いからターゲットを変えた谷本癒子でさえ、瑠璃と同じ疑問を抱かずにはいられない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おしゃべりとは余裕だな」

 

「いや、正直お荷物があって結構辛い」

 

リンとセシリアが戦闘不能だろうと思いで張る、ラウラ相手に立ち止まっているのは命取りだ。さっさと動いて機動戦に持ち込まないと。

 

「油断したなっ」

 

ラウラがAICを発動させる。

 

見事に掴まった、面目ない。

 

「ん~、鍔競り合って約五秒強で発動か。因みに一対多数って想定してんの?」

 

掴まった時点で逃れる術をシルバーバレットは持たないので諦めモード、少しでも情報を聞き出そうと聞いてみる。

 

「話す筋合いなど無い。」

 

「ご尤も」

 

「が、やはり貴様も敵ではないな。」

 

そりゃそうだろうよ、空間止めるんだ。幾ら早く動こうと意味が無い場合もある。

 

知っては居ても、知識と現物は別物だね。

 

さて、俺の存在がシュヴァルツェア・レーゲンのスペックアップを生んだらしい。冷静に分析しているが、この間にもリンとセシリアが攻撃されている。

 

いや、代表候補生達よ。ワイヤーアンカーくらい避けようぜ?

 

ハイパーセンサーが表示した情報にハッとする。コウリュウとブルーティアーズのシールドエネルギーは恐らく残り少なく、装甲の破損レベルはCを確実なものにしている。

あっ、コウリュウの左腕装甲が砕けた。

 

「や・め・ろぉぉぉ!」

 

俺が声音を荒上げるのを確認してか、ラウラは口角を持ち上げる。

 

それは、愉悦に満ちたものだった。俺だけでなく、怒りのメーターが振り切れたのはもう一人居たようだ。

 

「おおおおおっ!」

 

零落白夜でアリーナのバリアを破って飛び込んできた一夏にシャルルが続く。

 

突破と同時に瞬間加速でラウラを射程権に捉える一夏、同時に排熱したシルバーバレットは怒り狂うようにAICを力技で離脱。

 

あ~、痛いな。関節外れたと違うか?左手動かないし。

 

「二人からその手を離せ!」

 

「ふんっ、感情に任せて直線的。絵に描いたような愚図だな」

 

眼帯を外したラウラの左目が一夏を捉えている。一夏のエネルギー刃はラウラに届く一歩手前で止まっている。

 

「くそっ!動かなねぇ!」

 

「やはり、私とシュヴァルツェア・レーゲンの敵では・・・」

 

「無いよな?遅すぎて反吐が出る」

 

「貴様っ!?」

 

砲身が打ち上げられた。

 

ラウラが意識を向けるより早く、制限を外したシルバーバレットは動く。

 

「一夏、カズ!離れてっ」

 

シャルルが二丁のライフルから弾雨をラウラに浴びせ、開放された一夏はリンとセシリアを抱きかかえて離脱する。

 

「ちっ、雑魚が!」

 

「シャルルは下がれ、一夏のカバーを頼む。」

 

プライベートチャンネルで伝えるとシャルルは一瞬、躊躇ったように見えた。が、直ぐに「うん!」と返した。

 

「なっ!?」

 

背からビームを受けて、ラウラが踏鞴を踏む。間を置かずして前、上、左後方、右前方とあらゆる角度からビームが撃ちかけられ、ラウラは防戦を強いられた。

 

「どうした?止めて見ろよ」

 

俺は挑発して更に瞬間加速をする。

 

AICの補足速度を越えて動けば良い、単純な話だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「相変わらず規格外の動きだね?」

 

「うぉ!可奈かぁ。言うなって・・・・」

 

リンから「守るならしっかり守れ!」なんて説教をくらって、左肩からしっかり脱臼した腕を自分で嵌めた俺は激痛に耐えていたら行き成り頬に冷たい物が触れた。

 

いつも飲んでいる炭酸感の缶ジュース、差し出している可奈は何処か心配そうに見ていた。

 

「空間把握装備をスラスター出力で無理やり抜けるなんて、もうやらないでよ。」

 

「何で、可奈が泣きそうになってんだよ・・・」

 

持たれかかり、鼻を啜る可奈に肩を竦める俺。

 

え?居心地の良さなんて最悪ですけど何か!?

 

 

 

 

「何ではいっちゃいけないの?」

 

因みに廊下では、谷本癒子がタッグマッチに変更になった事でパートナーを依頼しに着ていたがみづきに阻まれていた。

 

「今は、遠慮してあげてよ。」

 

「何でよぉ!?」

 

納得がいかない癒子に無言の訴えをする瑠璃とどうにかして二人っきりにしてあげたいみやびは苦笑して誤魔化していた。

 

何たって、恋を応援する女子も強いのだ。

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