IS《インフィニットストラトス》ゴーストバレッド   作:コードα

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観戦にきた老人ズとキレた女子って怖いね!

六月も最終週に入るとISトーナメント一色に変わる、今回は先の無人機襲撃も踏まえてより実践的な戦闘が行えるようタッグマッチとなった。

 

なので、俺が去った保健室は地鳴りのごとくクラスメイトの足音が響いたと後に一夏は語った。

 

で、一夏は混乱を招かない為にシャルルと組むと言って場を収めたと言う。なので一夏のパートナーはシャルルだ。

 

「頑張ってるじゃないか」

 

三年にはスカウト、二年には一年の成長を確認する為、一年は目星をつけるために多くの企業エージェントがご来場する中、ラウラと同じく左目に眼帯をしたスーツ姿の初老の男性が声を掛けてきた。

 

IS学園生徒はてんやわんや、遊んでいる暇は無い。それは俺も例外に漏れないのだが。

 

「スネーク!?」

 

IS登場前に世界を核戦争の危機から二度も救った英雄が電子タバコを吹かしていた。タバコは電子なので気分だけだ。

 

そして、IS学園生徒は勿論、教員なら知っているかもしれないが先ずは居ないだろうアメリカ大統領からビッグボスの称号を授与されたこの男を。

 

「カズくん、知り合い?」

 

因みに今の可奈は物凄い笑顔、何で俺のパートナーで良いってだけでココまで上機嫌になるか理解できない。

 

「ああ、細波くんのご両親にはお世話になった者だ。」

 

とスネークはサラッと言ってのける。

 

「そうなんですか。それよりも時間無いから!失礼しますっ!」

 

「ちょっ!?」

 

会釈して俺を引き摺っていく可奈。その馬力たるやサイボーグにも遅れは取らない。

 

二人を見送ったスネークと少し早いサマースーツに身を包んだオセロットはにまぁっと不気味な笑顔を浮かべる。

 

「スカル1もやるな・・・」

 

「アイツの秘密を知っても尚今の関係が続くとは限らない。」

 

「捻くれるな、孫の彼女みたいなモンだろう」

 

「誰のだ?」

 

そんな学園からしてみれば刺激物である二人を生徒会長である更識盾無が放っておくわけも無く、学園に入場してからずっとマークしていたのだが。

 

「お嬢さん、そんな警戒しなくても良い」

 

指でピストルを撃つようなジェスチャーをしたオセロット。その先から盾無が姿を現す。

 

彼女からすれば、年季の違う敵わない二人・・・・まぁ、ISを使えば力は逆転するが。

 

「元ソ連の山猫部隊隊長とCIAの英雄さんが何の用かしら?」

 

警戒して盾無が尋ねると一瞬だけ二人は顔を見合わせてこう言った。

 

「「何、ちょっと観光だが?」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この後、オセロットとスネークは千冬にマークされる事になり、司令室のモニター一角に映りっぱなしと言う事態になったのは笑い話。

 

俺はと言うと無駄にだった広いロッカールームで一夏とシャルルペアに遭遇していた。

 

「俺は可奈と組んだ。無難だから」

 

「やっぱり。」「まぁそうだよな」

 

「おい、お二方。なんでそうだよね見たいな顔するか?」

 

「カズと一夏って似た者同士だよね?」

 

聞き返した俺にシャルルが言う。

 

失礼な、一夏程鈍感であるつもりは無い。

 

「それよか、トーナメントの組み合わせ見たか?」

 

一夏の問いに俺はふっとモニターを見上げる。

 

 

 

 

 

その頃、女子ロッカーで。

 

「うげぇ・・・・」

 

可奈は肩を落とした。

 

可奈にとっても技研から母が見に来ているのだ負けられない。いつかは当たるとともっていたが一回戦からとは思わなかった。

 

「うわぁ、いきなり可奈とカズコンビか」

 

「みづきと瑠璃って私達の動きを一番見てきた二人を相手にするなんて」

 

ISスーツに着替え、がっくりと落ち込む可奈にみやびは笑い掛ける。

 

この二人は対照的でみづきが近接格闘型で成績も良い、可奈は平均的でどちらかと言うと射撃寄りなのだ。

 

なので、互いに使う訓練機も可奈はリヴァイヴでみやびが打鉄だ。

 

「私達はしっかり前後決まってるから楽だけど」

 

「大方私が後ろだよ。シルバーバレットは高機動型だし」

 

みやびのパートナーは瑠璃、彼女は生粋の射撃型で近接の成績は落第しない程度だ。が、射撃だけなら専用機持ちを除いた一年でもトップクラスに入る。

 

「なら、可奈が狙い目?」

 

「あっ!酷いよ、みやび。今回は絶対に負けないもん」

 

「それじゃ、私はカズの足止めに専念」

 

「ほほぅ、一回戦目から注目のカードね」

 

バチバチと可奈とみやびの視線が火花を散らす中、瑠璃はやる事を直ぐに理解したのか呟く。

 

そんな様子を見て、谷本癒子も優勝を狙う手前、強敵の手の内を見れるチャンスとあって目を光らせていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何でか、俺・可奈ペアの試合はAブロックの第一試合。第二試合にラウラ・箒ペアと一夏・シャルルペアが控えている。

 

プライベートチャンネルで通信が入る、試合前だか控えて欲しいのだが、蛇と山猫にそんな気遣いは無い。

 

『細波、その娘とはどういう関係だ?』

 

「ぶはっ!?」

 

オセロット爺の通信である。思わず噴出してしまった俺を可奈がいぶかしむ。

 

『ふむ、その反応から察するに気があるな?』

 

「煩いよエロ爺!」

 

『だが忘れるな。”国境なき軍隊”の時期頭首はお前だ』

 

「何時決まったよ!?からかってるだろ!!」

 

『良いセンスだ。』

 

「スネェーク!!?」

 

コレだから嫌なんだ、この爺ども。なんでスネークも乗り気なんだよ!?からかうな!!

 

「何でカズ其処までエキサイトしてるのよ?」

 

「知り合いが見に来てるから張り切ってるんだと思う。」

 

因みに両ペアともにアリーナに出ている。みやびは呆れ半分に呟くと瑠璃が可奈経由の情報で推測。

 

因みに傍から見ると危ない人である。いきなり叫び声(ツッコミ)を上げるのだ。通信である事を忘れ、絶叫してしまったらしい。

 

観客席の二人は携帯で電話しているようにしか見えない、国境無き軍隊“ピースウォーカー”が誇る軍備開発チームの通信機は溶け込む事を第一に考えて設計されている。

 

「それじゃ、行くわよ!」

 

何故ゴング音が響く?と言うツッコミをする暇も無く、みやびの駆る打鉄が襲い掛かってきた。

 

IS展開だけ、俺の腰、というよりもサイドアーマーにはBバスターをマウントしておりますが、手にする暇もなく近接ブレードが迫る。

 

が、無闇に当たってやる俺ではない。咄嗟にバックステップし、最低限の動作で避け続け、感覚も剣道の面が入るくらいの間合いで逃げ続ける。

 

「HAHAHA!当たらないぞ、みやび。」

 

「ムカッつくわね!瑠璃!!」

 

「外壁直前で上空に逃げる、何時もの手段だよね」

 

可奈は一瞬呆気に取られたものの、無視された事に腹を立てた。

 

早い話、実力者を先に倒したいという作戦にも見えるこのこの光景、別段そう言った意図は無く、何時ものようにみやびが仕掛けて俺が逃げるという構図なのだ。

 

そう、いつもなら、訓練の相手なら・・・・。

 

危険警告に俺は観客保護バリアを足蹴に宙返り、上下さかさまになった状態でBバスターを初めて抜いた。

 

最大望遠で見てみれば、可奈を無視した瑠璃がIS用大口径スナイパーライフルで狙っている。しかし其処はタッグマッチの面白さ、パートナーを信頼して背中を負かすのはみづきと瑠璃だけじゃない。

 

「無視するなぁぁっ!」

 

左手にショットガン、右手にアサルトライフルを展開した可奈が弾丸を“撃ち落す”。その技術は代表候補生にも匹敵する事は勿論、三年のスカウトに訪れていた企業主達は感嘆の声をもらす。

 

「可奈、やるようになった」

 

「無視した付けは高いからね!」

 

連射性を重視したライフルで弾雨を瑠璃に与えながら、みづきへ散弾の牽制。シャルルのラピットスイッチの猿真似だ、続くわけも無い付け焼刃を振るう可奈の後ろを俺がすれ違う。

 

互いにターゲットを切り替えるようにして。

 

 

 

 

 

 

 

 

「やるな。」

 

ISが登場する以前から歴戦の軍人であるオセロットも感嘆する。

 

「牽制から二人の入れ替わり、確かにそう簡単に出来るもんじゃない。長年のパートナーでも中々難しいだろう。」

 

「ええ、ですから細波君が合わせているんですよ。きっと」

 

スネークが唸っているとにっこりと微笑むメガネを掛けた童顔巨乳教員がいた。

 

「貴方は?」

 

「朝田麻耶、細波君と篠宮さん・・・・いま対戦している生徒の担任です。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビーム刃がすれ違いざまに瑠璃の展開していたスナイパーライフルを切裂き、起爆前に手放してアサルトライフルを展開して逃げなら弾をばら撒く瑠璃に追いすがる俺。

 

「やっぱり、逃げ切れない・・・!」

 

「ったりめぇだろ!二ヶ月弱でしっかり対策しやがってからに」

 

瑠璃駆るリヴァイヴが、ビームに被弾する回数が増えてきた。当然、射撃の制度の威力も違うのだ。

 

「でも、可奈とみやびじゃ実力に僅かな差がある」

 

「・・・マジで?」

 

「マジ。だから、はい」

 

「おいぃぃ!どんだけグレネード格納してんだ!!?」

 

肉薄した俺は瑠璃が笑顔で差し出したハンドグレネードに急遽制動を掛ける。

 

急に間合いが開いた事により、瑠璃がぽいぽい投げるハンドグレネードは計二十。いち早く反応できたのは以前に多様な事をファースト幼馴染とパートナーにやられたからだ。

 

可奈とみやびは互いの獲物をぶつけ合っては間合いを開く。

 

打鉄よりも若干リヴァイヴのほうが攻撃性は高い。シャルルのリヴァイヴ・カスタムⅡがソレを現している通り、可奈は近接武器をコンバットナイフに絞っている。攻撃力を目的としてではなく、あくまでサブウェポンとして選んだに過ぎない。

 

自分の独壇場は、最大加速からの集中砲火。

 

無限軌道・無限瞬間加速軌道なんて馬鹿げた事をするルームメイト、思い人に認めてもらいたくて密かにIS訓練を練習した。

 

「くぅ!当たらない!?」

 

みやびのほうが押しているように見えるが、殆ど動かない可奈が優勢である。

 

みやびは動き回り、機動戦を仕掛けるが対する可奈は最低限の動きで避けてブレードを受け流す。

 

それが次第にみやびの中で焦りに変わる。

 

そして、射撃の正確さなら三組三人娘の中で負けないし、近接戦闘もみやびに僅かに及ばず、瑠璃より上手い。

 

「今回は・・・・みやびだろうと勝つ!」

 

気合一閃。

 

「嘘ッ!?」

 

可奈が振りぬいたコンバットナイフがみやびの近接ブレードを弾き飛ばす。同時に可奈は猿真似ラピットスイッチで空いていた左手に展開したショットガンをみづきに向ける。

 

「ねぇねぇみやび、後何発分?」

 

「うわっ、出た黒可奈!」

 

笑顔で尋ねる可奈にさーっと血の気が引くみやび。因みに黒可奈とは可奈がキレた・意地になった時に現れるという状態を言う。

 

瞬間、ズガン!と銃声が木霊した。

 

 

 

 

 

アリーナ地上で煙を吹いて膝を折るリヴァイヴを光の粒子に変え、降り立った瑠璃とある事を思った俺は同じことを呟かずにはいられなかった。

 

「「キレタの?」」

 

と。

 

 

 

 

 

 

 

 

観客席で、千冬の放った監視員こと朝田先生に睨まれて動くに動けないオセロット爺とスネークは口をそろえた。

 

「「良いセンスだ。」」

 

と。

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